他のアプリケーションで行うのと同様に、図面ファイルや選択したオブジェクトを保存します。また、自動保存やバックアップ ファイルをコントロールすることもできます。
図面で作業を行っている間は、頻繁に図面を保存してください。ファイルを保存しておくと、停電やその他の事故が発生したときに作業内容が失われずに済みます。
図面ファイルのファイル拡張子は、.dwg です。[オプション]ダイアログ ボックスで既定のファイル形式を変更しない限り、図面は最新の図面ファイル形式で保存されます。既定では、保存を実行するたびに、図面フォルダの 1 つ前のバージョンのバックアップ ファイルが作成されます。経験豊富なユーザは、ベスト プラクティスとして、バックアップをオンにしたままにしています。
ファイルを前のバージョンに戻す必要が生じた場合は、図面と同じフォルダ内にある .bak ファイルの名前を、別の名前にし、拡張子を .dwg にします。
注: DWG ファイルの名前(パスを含む)は、最大 256 文字です。
QSAVE[上書き保存]、SAVEAS[名前を付けて保存]、SAVE[保存]コマンド
目的に応じて、これらのコマンドにはいくつかの有用な違いがあります。
- QSAVE[上書き保存]: 現在の図面が既に少なくとも 1 回は保存されている場合、新しいファイル名が要求されずに図面が保存されます。現在の図面が一度も保存されていない場合は、[図面を名前を付けて保存]ダイアログ ボックスが表示されます。ユーザ インタフェースの[保存]アイコンは、すべて QSAVE[上書き保存]コマンドを使用します。
- SAVEAS[名前を付けて保存]: 現在の図面のコピーを新しいファイル名または場所に保存します。新しいファイル名または場所が現在の図面になり、以前の図面は加えた変更が保存されずに閉じられます。
- SAVE[保存]: AutoCAD では、図面が以前保存されたことがある場合、現在の図面はユーザが指定したファイル名または場所に保存されますが、その図面が現在の図面であることは変わりません。AutoCAD LT では、SAVE[保存]コマンドは SAVEAS[名前を付けて保存]コマンドと同じです。
既定の図面フォルダを変更する
製品を起動するたびに、ファイルを開いたり保存するために最後に使用したフォルダが、標準のファイル選択ダイアログ ボックスの既定のパスになります。また、Windows でプログラムのショート カット アイコンを使用して、固定された既定のフォルダを指定することができます。具体的な手順は、この後のトピック「既定の図面フォルダを変更するには」を参照してください。
自動保存
既定では、図面が最後に保存されてから 10 分経過すると自動的に保存が実行されます。[オプション]ダイアログ ボックスの[開く/保存]タブで、自動保存の間隔を増減したり、自動保存をオフにすることができます。保存は、通常は「インクリメンタル」保存です。大きな図面の場合、これは完全保存よりかなり高速です。インクリメンタル保存では、システム変数 ISAVEPERCENT によって図面のファイル サイズを最適化する完全保存がトリガされるまでは、一時的に大きなファイル サイズとなります。
注: 完全保存を強制的に実行するには、システム変数 ISAVEPERCENT を 0 に設定し、図面を保存します。他の形式での保存は、常に完全保存になります。
図面ファイルのサイズを管理する
状況によっては、図面ファイルのサイズが予想以上に大きくなることがあります。一般的には、次のような場合にサイズが大きくなる可能性があります。
- 多くのインクリメンタル保存(システム変数 ISAVEPERCENT を参照)
- 巨大なハッチング、特に分解されている場合
- 巨大な 3D メッシュ
- 未使用の DGN ライン スタイルまたはその他の孤立データ
- 多数のプロキシ オブジェクト
- 多数のブロック定義、または巨大なサイズのブロック定義
- レイアウト ビューポート、ページ レイアウト、印刷に対して定義されている多数の尺度(SCALELISTEDIT[尺度リスト編集]コマンドを参照)
- 多数の画層フィルタ(FILTERS[画層フィルタ削除]コマンドを参照)
- 多数の登録アプリケーション
PURGE[名前削除]または -PURGE コマンドを使用すると、ほとんどの問題を解決することができます。次のような追加の手順を実行してもかまいません。
- AUDIT[監査]コマンドを使用して、破損したオブジェクトを除去する
- WBLOCK[ブロック書き出し]コマンドを使用して、すべてのオブジェクトを選択し、新しい図面ファイルとして保存する
- テキスト エディタを使用してさらに調査するために、図面を DXF 形式(ASCII オプション)で保存する(上級)
複数の小さな図面を作成する習慣を付けるとよいでしょう。XREF[外部参照]コマンドを使用して、小さな図面をマスター図面に合成してから、作業は小さな図面で行います。
クラウド アカウントに図面を保存する
クラウド ストレージは、アクセシビリティ、ファイル セキュリティ、バックアップの信頼性などの向上により、人気が高まっています。
国際的な作業を行う
異なる国や地域にあるオフィスや会社と図面ファイルを共有する場合、図面ファイル名に他言語では使用できない文字が含まれていることがあります。
図面ファイルが異なる言語のオペレーティング システムで作成された場合、次の問題が発生します。
どちらの場合も、AutoCAD 2007 ベースの製品およびそれ以降のリリースで図面ファイルを開くことができます。
- 対象となる言語がインストールされている場合、ファイル名の文字は Windows エクスプローラーまたはファイル エクスプローラーに表示されます。
- 対象となる言語がインストールされていない場合、ファイル名の文字は Windows エクスプローラーまたはファイル エクスプローラーに一連の四角形として表示され、言語パックをインストールするように勧めるダイアログ ボックスが表示されます。
注: 製品の旧バージョンを使用している企業と図面ファイルを共有する場合は、アジアの言語やアクセント文字を使用する言語でのファイル名の問題を回避しなければなりません。このような環境では、ファイル名に 16 進数で 80 以上の文字(高位の ASCII 文字)を使用しないでください。