対流項計算スキーム
対流項とは、解析領域を通して物質量(流速、温度など)を輸送する数値的なメカニズムです。Autodesk® CFD では、5 つの対流項メソッドが用意されています。
対流項スキームを変更するには:
- 計算ダイアログを開きます。(モデル外を右クリックし、実行を選択します。)
- 設定タブで、解析制御をクリックします。
- 解析制御ダイアログで、対流項をクリックします。
- リストから対象の対流項スキームを選択します。
4つの対流項計算スキームの推奨される使用方法を以下のテーブルで説明する。
ADV 1 (単調流線上流法) | かつては、ほぼすべての解析の既定のスキームでした(回転領域の解析を除く)。これは主力の計算スキームであり、ADV 5 で問題の発生した解析はこのスキームから開始することが推奨されます。 - 数値的に安定
- 流れ方向と整列したメッシュ作成に推奨
- 流れと整列していないメッシュに対する数値的拡散
- 多数の内部障害物のあるジオメトリに対して効果的
- 押し出しメッシュに対して効果的
- 表面の部品に割り当てられている分散抵抗に有効
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ADV 2 (Petrov-Galerkin) | - 程よく数値的に安定(ADV 1以下)
- ランダムメッシュに対するより少ない数値的拡散。均一でないメッシュを用いたモデルで、比較的流体領域が大きく、外部境界の制限がない外部流体計算の例を次に示します。この例には、以下が含まれます。
- AECと置換換気
- 非常に大きな外部流体領域を持つ解析
- データセンター
- 圧力による流れに推奨
- 圧縮性流れに推奨
- スカラーおよびエネルギー輸送方程式に対するデフォルト
- 回転領域解析に対するデフォルト
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ADV 3 (流束ベースのスキーム) | - ほとんどの流れに対して数値的に不安定
- 非圧縮性流れに対してのみ使用可能
- 移動固体解析に対しては使用不可能
- 抵抗または外部流れ解析に対して特別に調整済み
- メッシュエンハンスメントを呼び出す必要あり
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ADV 4 (Min-Modスキーム--Petrov-Galerkin変化形) | - 程よく数値的に安定(ADV 1以下)
- 細長いダクトに対して特別に調整済み
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ADV 5 (Modified Petrov-Galerkin) | ADV 5 は新しい既定の対流項計算スキームです。古いスタディの設定はそのまま保持されますが、新しいスタディから既定は ADV 5 となります。ADV 5 は ADV 2(Petrov-Galerkin 対流項計算スキーム)の安定した改訂版です。ADV 2で推奨されるすべてのアプリケーションタイプに対応しますが、通常、全体として慎重な結果が得られます。ADV 5は、ADV 2と比較して次の面で改善されています。 - 再循環および2次流れの精度
- 圧力損失の予測
- 自然対流の安定性
- 圧縮性流れの精度と安定性
- 回転(ターボ機械)およびモーションの精度と安定性
- エネルギーバランスの安定性
- 分布抵抗はボリュームに割り当てられます。
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対流項計算スキームの変更の例