環境を使用してシーン周辺の外観を定義します。単純な配色のバックグラウンドの場合も、複雑な 3D テクスチャの場合もあります。また、シーンの全体的な照明、シェーダグロー、フォグも定義します。
すべてのシーンに環境が必要です。既定では、環境は真っ黒(何もない環境が表示される)に設定されています。既定の環境を編集し、他のシーンで使用するためにその環境を保存したり、以前に保存した環境を読み込むことができます。
Image Based Lighting は、ハイ ダイナミック レンジ イメージ(High Dynamic Range Image、HDRI)を環境マップとして使用し、その環境マップをリフレクション マップだけでなく光源として扱うことで、さらなるリアリズムを提供します。
Image Based Lighting は標準的な 24 ビット リフレクション マップを High Dynamic Range イメージに置き換えることで、よりリアルなレンダリングを実現します。HDR イメージは、標準的な 24 ビット イメージよりも多くのライティング データを含みます。これらの情報は、反射だけでなく反射のハイライト、拡散コンポーネント、シェーダのその他すべてのコンポーネントから環境の明暗をとらえる際に効果的に使用されます。
HDRI イメージは環境マップで、アスペクト比(幅と高さの比率)が 3:4 の Vertical クロスイメージとして保存される Sphere 環境マップ(緯度/経度マップ)または Cube 環境マップです。
HDR イメージは Photoshop CS2、HDRIshop で作成できますが、購入することもでき、Web 上で提供されているイメージもあります(「著作権なしの HDRI イメージ」を検索)。
HDR イメージで作り出されるライティングは広範囲を照らすため、シーンに適したライティングになるように色調を調整する必要があります。この色調の調整はレンダリングの最後に計算され、シーンのすべてと使用されている実際のライトを考慮します。
Environment テクスチャは 3 次元空間をシミュレートします。Ball テクスチャ、Cube テクスチャ、Sphere テクスチャなどの一連のイメージ ファイルを使用することで、これを実行できます。あるいは Chrome テクスチャや Sky テクスチャなどのコンピュータ グラフィックス処理を使用しても実行できます。通常、Environment テクスチャは次のいずれかにマップします。
Environment テクスチャは方向に従ってマップされます。Surface テクスチャと Solid テクスチャは位置に従ってマップされます。
Enviromnent テクスチャを別のパラメータにマップすることもできますが、予想した結果が得られるとは限りません。Environment テクスチャをシェーダの Bump パラメータや Displacement パラメータにマッピングしてはいけません。
Enviromnent テクスチャの種類には、Ball、Chrome、Cube、Sky、Sphere があります。

Ball テクスチャは、実世界またはコンピュータで生成した環境の中にクローム ボールを置いて、非常に反射率の高いクローム ボールに写ったイメージ(または一連のイメージ)を使用して、その環境をボール状のテクスチャで再現します。これは、クローム ボールが周囲の環境をほぼ 360°の視野で反射するためです。

Ball テクスチャのバックグラウンドのレンダリングは、プロシージャ テクスチャのバックグラウンド、またはサーフェスでモデリングしたバックグラウンドよりもレンダリングの処理が速くなります。したがって、クローム ボールのイメージをその環境でレンダリングして、複雑なバックグラウンドを Ball テクスチャで置き換えれば、レンダリングにかかる時間を短縮できます。
Ball Environment テクスチャを使用するには、作り直す環境の中にある周囲を反射しているクローム ボールのイメージで、テクスチャの Image パラメータをマップする必要があります。クローム ボールを使用せずに Environment のイメージを使用し、環境の Backdrop パラメータにマップすることもできます。


Chrome テクスチャはショールーム環境をシミュレートする。このテクスチャはグラウンド プレーンとスカイ プレーン(さらに蛍光灯ライトの四角形)から構成され、単純ながら、クローム サーフェスのリフレクションをシミュレートするための実用的な環境を提供する。


Cube Environment テクスチャは、立方体やボックスの内側のサーフェスに 6 つのイメージ ファイルをマップし、環境をシミュレートします。Texture Placement オブジェクトのサイズとシェイプが、立方体またはボックスのサイズとシェイプを定義します’。
Cube テクスチャを使用して、実世界や CG 環境からの反射をシミュレートするには、環境の中心から 6 方向すべてに向かって、環境の写真をとる(実世界)か、環境のレンダリング(CG)を行います。次に、Cube テクスチャをシェーダの Reflection パラメータにマップし、6 つのイメージを Cube テクスチャに割り当てます。元の環境の寸法に対応するように、Texture Placement オブジェクトをスケーリングし、配置します。シェーダを、シーンのオブジェクトに割り当て、レンダリング(レイキャスト)します。オブジェクトが元の環境を正確に反映して表示されます。
Cube Environment テクスチャの長所の 1 つは、レンダリング時間をかけずに、ぼかすことができることです。

Sky テクスチャは、惑星の表面から見た惑星の環境をシミュレートします。

視点や注視点がフロアよりも低い場合、Multi-lister の Sky テクスチャ スウォッチが赤くなり、警告を発します。この状態でシーンをレンダリングすれば、フロアは赤く表示されます。視点が常にフロア(地表プレーン)より上にあることを確認してください。
Sphere テクスチャは、無限球体の内側のテクスチャに、テクスチャまたはイメージ ファイルを直接マップすることで、環境をシミュレートします。球体の環境を作成する最適の方法は、Ramp テクスチャを使用し、極やエッジを避けながら、オブジェクトをペイントすることです。