概要 - 旧図面ファイル形式に変換する

DWG ファイルを旧バージョンと互換性のある形式に変換すると、現在のリリース情報はオブジェクトから削除されます。

図面を旧バージョン形式に変換すると一部のデータが失われることがあるため、現在の図面ファイルが上書きされないように、別のファイル名を指定することをお勧めします。

ダイナミック拘束

AutoCAD 2010 ベースの製品で作成されたダイナミック拘束は、DWG TrueView では表示されません。

寸法の自動調整

AutoCAD 2002 ベースの製品またはそれ以降の製品で作成された自動調整寸法は、旧バージョンに変換した後で、現在のバージョンの AutoCAD ベースの製品で再び開くと、通常は自動調整が保持されます。

寸法の表示の正確性

次に示す寸法の拡張機能は、それらが編集されていない限り、旧バージョンで表示の正確性が失われることはありません。

異尺度対応オブジェクトの表示の正確性

AutoCAD 2007 ベースの製品またはそれ以前の製品で「異尺度対応オブジェクト」を表示する場合は、表示の正確性が維持されるように[変換設定を修正]ダイアログ ボックスで指定できます。

異尺度対応オブジェクトには、複数の尺度表現を持つものがあります。表示の正確性をオンにすると、異尺度対応オブジェクトが分解され、尺度表現は別々の画層に保存されます。これらの画層には、元の画層の名前に番号が付加された名前が付きます。

異尺度対応オブジェクトの表示の正確性をオフにすると、[モデル]タブでは 1 つのモデル空間表現が表示されます。図面が保存されたときの設定によって、[モデル]タブに追加の異尺度対応オブジェクトが表示されたり、ペーパー空間のビューポートに AutoCAD 2008 ベースの製品およびそれ以降の製品で表示されるオブジェクトとは異なるサイズで異尺度対応オブジェクトが表示されることがあります。

異尺度対応ブロック

AutoCAD 2008 ベースの図面で、異尺度対応ブロックの用紙方向の設定がレイアウトに揃えられていない場合や、レイアウトの用紙方向に揃えるよう設定されていない文字スタイルを使用したマルチ テキスト属性がブロックに含まれている場合、その図面を AutoCAD 2007 ベースの製品またはそれ以前のリリースで開くと、属性の位置がずれることがあります。

画層の優先プロパティ

画層の優先プロパティを含む AutoCAD 2008 ベースの図面を変換した場合、旧バージョンでは優先プロパティは表示されません。図面を旧バージョンで保存しても、優先プロパティの設定はそのまま残るため、その図面を AutoCAD 2008 ベースの製品で開くと、優先プロパティが再び表示されます。

旧バージョンの AutoCAD ベースの製品で、図面を保存したときにシステム変数 VISRETAIN が 0(ゼロ)に設定されていた場合、ビューポート優先プロパティを含む外部参照内の画層は、DWG TrueView で開いたときに保持されません。

旧バージョンで AutoCAD 2008 ベースの図面を開くと、優先プロパティがサムネイル イメージで表示されることがあります。レイアウト タブで図面を保存して旧バージョンで開くと、それらの優先プロパティは表示されません。

マルチ テキスト オブジェクト

AutoCAD 2007 以前のバージョンで AutoCAD 2008 のマルチ テキスト オブジェクトを開いた場合、一部の段落の間隔オプションと段落の行間オプションはサポートされません。

旧バージョンでは、マルチ テキストの次の書式は正確に表示されません。

旧バージョンでは、次のマルチ テキストの書式は表示の正確性が部分的に保持されます(空白スペースを追加したり、文字を空白スペースで置換できる場合)。

AutoCAD 2008 ベースの製品で新しく導入された書式が設定されているマルチ テキストを旧バージョンで編集して保存した後、AutoCAD 2008 ベースの製品で再び開くと、新しい書式は失われます。

表とデータ書き出し

AutoCAD 2008 の表を旧バージョンで編集すると、AutoCAD 2008 の表書式は失われます。また、長いブロックやテキスト文字列を使用した AutoCAD 2008 の表セルを旧バージョンで開くと、セルが罫線の外側まで拡張される場合があります。

AutoCAD 2008 ベースの製品で[データ書き出し]ウィザードを使用して作成した表については、旧バージョンで書き出しデータを編集したり更新することはできません。

マテリアル(レンダリング)

AutoCAD 2008 ベースの製品で、マテリアルのプロシージャ マップと照度が新しく導入されました。AutoCAD 2007 以前で作成された図面にマテリアルが含まれている場合は、その図面を変換する必要があります。AutoCAD 2008 では、従来のマテリアルを AutoCAD 2008 形式に自動的に変換できます。しかし、旧バージョンの AutoCAD で保存し直した場合、正確性の点で次のような問題があります。

照明(レンダリング)

AutoCAD 2008 ベースの製品には、標準(一般)照明とフォトメトリック照明という 2 つの照明オプションがあります。旧バージョンでは、標準(一般)照明のみを使用できます。光源を AutoCAD 2007 から AutoCAD 2008 に明示的に変換する必要はありません。AutoCAD 2007 の図面は、既定では、AutoCAD 2008 では標準(一般)照明ワークフローで開きます。図面内でフォトメトリック照明ワークフローを有効にするとすぐに、AutoCAD 2008 で追加のフォトメトリック プロパティを使用できるようになります。

AutoCAD 2007 より前の照明を含む図面を開く場合は、変換プロセスを実行する必要があります。AutoCAD ベースの製品ではシステム変数 3DCONVERSIONMODE を使用して、旧バージョンの照明を含む図面を AutoCAD 2007 と AutoCAD 2008 の照明形式に自動的に変換することができます。

その他、照明の正確さの問題として次のようなものがあります。

AutoCAD Architecture(ACA)のカスタム オブジェクト

DWG TrueView では、ACA(以前は ADT と呼ばれていた)カスタム オブジェクトを含む図面を異なる形式に変換しても、 ACA カスタム オブジェクトはアップグレードされません。これは非常に望ましいことです。

その一方で、ACA Object Enabler が AutoCAD ベースの製品に存在する場合は、すべての ACA オブジェクトが最新の ACA 形式にアップグレードされます。これにより、最新バージョンを使用している AutoCAD ユーザが、旧バージョンを使用している ACA ユーザと共同作業するときに問題が生じることがあります。AutoCAD ユーザは、ACA ファイルを開いて、旧バージョンの ACA で使用されている AutoCAD 2004 形式に保存できますが、ACA オブジェクトは AutoCAD 2008 バージョンに変更されます。アップグレードされたこれらの ACA オブジェクトが ACA で検出されると、プロキシ オブジェクトとして扱われます。

旧バージョンに保存する場合のその他の制限事項

AutoCAD 2007 形式への図面の変換には、次の制限があります。

AutoCAD 2004 形式への図面の変換には、次の制限があります。

AutoCAD 2000 形式への図面の変換には、次の制限があります。

AutoCAD Release 14/AutoCAD LT 98/AutoCAD LT 97 形式への図面の変換には、次の制限があります。