名前削除と重複オブジェクト削除

図面をきれいにしておけば、見た目が魅力的になるだけでなく、ファイル サイズを小さくし、間違いを防ぐことができます。

AutoCAD には、PURGE[名前削除]や OVERKILL[重複オブジェクト削除]などのクリーンアップ ツールがあり、未使用や重複する項目を図面から除去して、乱雑な図面ファイルをクリーンにすることができます。

注: ビデオに音声または字幕はありません。
注: 手順、イメージ、ビデオは、お使いのバージョンの製品と若干異なる場合があります。

PURGE[名前削除]

PURGE[名前削除]は、未使用のブロック定義や画層などの項目や名前の付いたオブジェクトを図面から除去します。

名前削除とは、グラフィカル オブジェクトを削除するのではなく、非グラフィカル オブジェクトの定義を削除することを表すための用語です。たとえば、破線の線種を使用した図面内のすべてのグラフィカル オブジェクトを削除しても、その線種定義は図面内に残ります。同様に、備品の「ブロック参照」を削除しても、その備品ブロックの「ブロック定義」は図面内に残ります。

未使用の項目を名前削除する

未使用の項目を名前削除してみましょう。名前削除可能な項目を含む図面が既に存在する場合もありますが、存在しない場合は、未使用の画層を簡単に作成できます。

  1. [ホーム]タブ > [画層]パネル > [画層プロパティ管理]をクリックします。 検索
  2. [画層プロパティ管理]で、[新規作成]を数回クリックして、新しい画層をいくつか作成します。

    これらの画層にはオブジェクトがないため、未使用であり、名前削除できます。

注: ブロックを図面に挿入してから削除することによって、未使用のブロック定義を作成することもできます。

未使用の項目を名前削除するには

  1. [管理]タブ > [クリーンアップ]パネル > [名前削除]をクリックします。 検索

    [名前削除]ダイアログ ボックスが表示されます。次の 2 つの表示可能なリストがあります。

    • [名前削除が可能な項目]: 未使用のすべての名前の付いた項目が含まれます
    • [名前削除できない項目を検索]: 使用中のすべての名前の付いた項目が含まれます
    注: AutoCAD 2019 以前または AutoCAD LT 2019 以前を使用している場合、[名前削除]ダイアログ ボックスの外観は異なりますが、機能と手順は同様です。主な違いは、新しいリリースには、選択した名前の付いたオブジェクトのプレビューと詳細が含まれていることです。
  2. [未使用の名前の付いた項目]リストの項目を参照します。項目を選択すると、プレビューが表示されます。
  3. 項目の横にあるチェック ボックスをクリックして、名前削除する項目のリストに項目を追加またはリストから項目を削除します。
    注: 旧リリースでは、項目自体を選択または選択解除します。
  4. [チェックマークが付いた項目を名前削除]をクリックします。
注: 単一の項目を名前削除するには、リスト内の項目を右クリックします。

[すべて名前削除]を選択して名前削除する項目の選択操作をスキップすることもできます。これにより、未使用の項目がすべて名前削除されます。

[名前削除時にそれぞれの項目を確認]をオンにした場合は、名前削除する項目ごとに確認するように求められます。確認の手順をスキップするには、このオプションをオフにします。

[オプション]

[ネストされた項目も名前削除]

使用していない他の名前の付いたオブジェクトに含まれていたり参照されているものも含めて、使用していない名前の付いたオブジェクトを図面から削除します。

[名前のないオブジェクトを名前削除]

  • [長さがゼロのジオメトリ]: 線分、円弧、円、ポリラインなどの、長さ 0 のジオメトリを削除します。
  • [空の文字オブジェクト]: 空の文字オブジェクトや、文字のないスペースのみの文字オブジェクトを削除します。
  • [孤立データ]: [名前削除]ダイアログ ボックスを開いたときに、図面スキャンを実行し、廃止された DGN ライン スタイル データを削除します。
注: PURGE[名前削除]コマンドで、ブロックまたはロックされた画層から名前のないオブジェクトを削除することはできません。

[名前削除できない項目を検索]

削除したい項目があるのに、[未使用の名前の付いた項目]リストに表示されていない場合があります。その場合は、[名前削除できない項目を検索]リストを使用して、図面内で使用中の名前の付いた項目を表示します。

  1. [管理]タブ > [クリーンアップ]パネル > [名前削除]をクリックします。 検索
  2. [名前削除できない項目を検索]をクリックします。
  3. [使用中の名前の付いた項目]リストの項目を参照します。

    項目を選択すると、プレビューと、オブジェクトを名前削除できない理由のリストが表示されます。

    [詳細]で、項目のサイズと図面に現れる回数を確認できます。図面内の項目を選択するには、図面内で選択する項目の横にある[オブジェクトを選択]アイコンをクリックします。

    [オブジェクトを選択]をクリックすると、[名前削除]ダイアログ ボックスが閉じ、図面内のオブジェクトが選択されます。

重複オブジェクトを削除

AutoCAD で作図しているときに、重なり合った重複オブジェクトを誤って図面内に作成してしまうことがよくあります。これらの重複オブジェクトは、視覚的に好ましくないだけではありません。ファイル サイズが大きくなったり、オブジェクトを選択または修正するときに問題が発生したり、図面の書き出し時にエラーが発生したりする可能性があります。線が重複していると、製造機械が不適切に切削してしまう可能性さえあります。

OVERKILL[重複オブジェクト削除]コマンドは、重なり合って重複している線分、円弧、ポリラインを削除し、部分的に重複または隣接したそれらを結合します。

図面内のジオメトリ オブジェクトに、次の変更を加えることができます。

OVERKILL[重複オブジェクト削除]を使用して、重複オブジェクトを削除する

試してみましょう。独自の図面の 1 つを使用するか、次のセクションに示すサンプル図面 Floor Plan Sample.DWG を使用します。

注: サンプル図面を C:¥Program Files¥Autodesk¥AutoCAD {リリース}¥Sample¥Database Connectivity からドキュメント フォルダにコピーし、書き込みアクセス権があることを確認します。
  1. [管理]タブ > [クリーンアップ]パネル > [重複オブジェクトを削除]をクリックします。 検索
  2. コマンド プロンプトに対して "all" と入力し、図面内のすべてのオブジェクトを選択セットに追加します。

    [重複オブジェクトを削除]ダイアログ ボックスが表示されます。ここでは、既定のオプションを使用します。

  3. [OK]をクリックします。

この図面は以前と同じように見えます。乱れは見られませんでしたが、30 個の重複オブジェクトと 2,387 個の重複オブジェクトと線分セグメントが削除されました。

重複オブジェクト削除のオプションと設定

もう一度試してみましょう。ただし、今回は[重複オブジェクトを削除]ダイアログ ボックスのオプションのいくつかを使用します。

[次のオブジェクト プロパティを無視]

既定では、OVERKILL[重複オブジェクト削除]コマンドは、異なるプロパティのオブジェクトには作用しません。たとえば、オブジェクトが同一だが、異なる画層上にある場合や線の太さが異なる場合、それらのオブジェクトは重複として扱われません。しかし、特定のプロパティを無視するように設定を変更することができます。

この例では、3 本の同一の線分セグメントがあり、それぞれに異なる色が割り当てられています。[色]オプションをオンにすると、すべての重複オブジェクトが削除されます。

比較時に、次のオブジェクト プロパティを無視することができます。

  • 画層
  • 線種
  • 線種尺度
  • 線の太さ
  • 厚さ
  • 透過性
  • 印刷スタイル
  • マテリアル

[ポリライン内のセグメントを最適化]

この例では、線分がポリラインと重なっています。[ポリライン内のセグメントを最適化]をオンにして、これらのオブジェクトに OVERKILL[重複オブジェクト削除]を使用すると、線分オブジェクトが削除されます。

[同一線上で端点同士が重なるオブジェクトを合成]

このオプションをオンにすると、端点同士が重なる線分セグメントが結合され、単一の線分が作成されます。