回路ビルダの回路テンプレート図面、回路の配線の枠組みを含む AutoCAD の .dwg ファイルを作成します。
類似の既存回路テンプレートをコピーする
- 既存の回路テンプレート図面ファイル ace_cb1_FVNR_H.dwg を検索します。回路ビルダのテンプレートのコピーは、JIC125、IEC2 などの回路図ライブラリの各フォルダにインストールされています。このファイルを ace_cb1_FVNR_H_custom.dwg にコピーします。
注: 回路テンプレート名は重要ではなく、回路ビルダの機能には影響しません。
- コピーして名前を変更した回路テンプレート ace_cb1_FVNR_H_custom.dwg を AutoCAD で開きます。図面に書き込み権限があることを確認します。
このテンプレートは、3 つの配線と複数のマーカー ブロックで構成されています。
- スプレッドシート ソフトウェアで、参照用の ace_circuit_builder.xls を開きます。このファイルの場所については、「回路ビルダ スプレッドシートの概要」を参照してください。
AutoCAD Electrical ツールセット のコマンドではなく標準の AutoCAD コマンドを使用して、テンプレートを変更します。これにより、AutoCAD Electrical ツールセット の WD_M ブロックの余分なコピーを含むテンプレートを作成せずに済みます。誤って非表示の WD_M ブロックを挿入するコマンドを使用した場合は、[取り消し]または[削除]のいずれかを行い、WD_M ブロックのインスタンスをパージします。非表示のブロックを削除およびパージするには、次の手順に従います。
- コマンド プロンプトで、ATTDISP と入力します。
- ON と入力してすべての属性を表示します。
- 0,0 でブロックを検索します。
-
[ホーム]タブ

をクリックします。
- ブロックを選択して[Enter]を押します。
- コマンド プロンプトで、PURGE と入力します。
- [ブロック]セクションで WD_M を選択します。
- [パージ]をクリックします。
- [閉じる]をクリックします。
配線のストレッチを定義して母線に接続する
最初の変更は、挿入時に水平の配線が垂直の母線に接続する方法を変更することです。コピーしたテンプレートは、次のように定義されています。
- 一番上の配線は 2 つの配線をスキップし、一番左の垂直の母線に接続しています。
- 中央の配線は 1 つの配線をスキップし、中央の垂直の母線に接続しています。
- 一番下の配線は、最初に遭遇した垂直の母線に接続しています。
マーカー ブロックに対する次の変更は、これを逆にします。

- テンプレートの左側を拡大表示します。
3 つのマーカー ブロックが表示され、それぞれの CODE の値は WCON になっています。各マーカー ブロックは配線の 1 つの上および終端の近くにあります。
- ATTEDIT と入力して、上の WCON マーカー ブロックを選択します。
次のような値が表示されます。
- CODE = WCON: 回路コード シートの行に再びマップされ、基準となる配線の終端をストレッチして接続しようとする機能を持ちます。
- ORDER = 1.02: テンプレート内の他のすべてのマーカー ブロックに対するマーカー ブロックの処理順序を示します。順序の値には、整数および小数を使用できます。ブロックは、0 から始まり小さい数字から大きい数字へと処理されます。同じ ORDER 値を持つブロックは、グループとして処理されます。
- MISC1 = _WIRESKIP=2;_MAXTRAPCOUNT=200: マーカー ブロックの特別な処理を定義します。サポートされている値の完全なリストについては、マーカー ブロック属性のトピックを参照してください。
- MISC1 の値を _MAXTRAPCOUNT=200 に変更します(_WIRESKIP=2 を削除します)。
_WIRESKIP の値には、挿入時の垂直の母線に接続するときにスキップする配線の数を定義します。この値を削除すると、最初に見つかった垂直の配線に接続するように回路ビルダに指示されます。
_MAXTRAPCOUNT は、回路ビルダが接続する配線を検索する場合の相対的な距離を制限します。これは、配線接続のトラップ距離単位の整数で測定されます。_MAXTRAPCOUNT が定義されていないか 0(ゼロ)である場合、検索は図面全体の範囲で行われます。
- [OK]をクリックします。
- ATTEDIT と入力して、下の WCON マーカー ブロックを選択します。
- MISC1 の値を _WIRESKIP=2;_MAXTRAPCOUNT=200 に変更します。値の間にセミコロン文字が入力されていることを確認します。
この値は、垂直の母線に接続する時に 2 本の垂直の母線をスキップし、接続する垂直の配線のトラップ距離を最大 200 回検索するよう回路ビルダに指示します。その距離の範囲内で何も見つからない場合、回路ビルダはこの配線をストレッチしません。
- [OK]をクリックします。
不要なマーカー ブロックを削除する
コピーした回路には、制御変圧器と力率補正コンデンサのマーカー ブロックがあります。このカスタムの回路ではこれらのオプションは不要であるため、そのマーカー ブロックを削除できます。
- 制御変圧器のマーカー ブロックを確認するには、ace_circuit_builder.xls に切り替えます。
- ACE_CIRCS ワークシートを開きます。
コピー元のテンプレート ace_cb1_FVNR_H.dwg で使用した回路コード シートを見つけます。
- DWG_TEMPLATE フィールドで、コピー元のテンプレート ace_cb1_FVNR_H.dwg の名前で行を検索します。
- この行の SHEET_NAME の値 3ph_H を見つけます。
- 3ph_H ワークシートを開きます。
- COMMENTS 列の[制御変圧器と回路 - 逆転なし]のエントリを見つけます。
- この行の CODE 値 XF01 を見つけます。
この CODE 値は、マーカー ブロックを回路コード シートにリンクしています。
- 図面に切り替え、CODE 値が XF01 であるマーカー ブロックを検索します。
- AutoCAD の ERASE コマンドを使用して、そのマーカー ブロックを削除します。
- この手順を繰り返して、力率補正コンデンサのマーカー ブロック(CODE=KVAR1)を検索して削除します。
マーカー ブロックを追加する
ライブラリ シンボル ace_cb_marker_block.dwg を挿入するか、既存のマーカー ブロックをコピーして属性値を変更することで、マーカー ブロックを追加できます。このセクションでは、マーカー ブロックを挿入し、[回路環境設定]ダイアログ ボックスで挿入可能なコンポーネントのリストを表示するように回路ビルダに指示します。
注: この実習は回路ビルダの機能を示すものであるため、結果が電気的に有効である必要がないことがあります。
- 回路の作成時に、テンプレートでこの特定のコンポーネントを挿入する場所を正確に決定します。
- コマンド ラインで INSERT と入力して、AutoCAD のブロック挿入コマンドを起動します。
- ace_cb_marker_block.dwg を参照して、このブロックを必要な場所に挿入します。
このブロックのコピーが、JIC125、IEC2 などの各回路図ライブラリ フォルダにインストールされます。
注: また、AutoCAD の COPY コマンドを使用して、近くのマーカー ブロックを必要な場所にコピーできます。
- ATTEDIT と入力してマーカー ブロックを選択します。
- CODE 属性の値を入力します。たとえば USR001 などです。
この値には文字または数字を使用します。コードには命名規則はありません。回路コード スプレッドシート内で一意であることを確認します。このマーカー ブロックのコードの値は、スプレッドシートの行または行のグループにマップされます。スプレッドシートの情報は、マーカー ブロックの XY 座標で特定のアクションを実行するように回路ビルダに指示します。
- ORDER 属性の値を入力します。たとえば 12 などです。
この値には整数または小数を使用でき、マーカー ブロックを処理する順序を定義します。この例では、テンプレートの ORDER 値で最も大きい値は 12 です。これは、このマーカー ブロックによって定義されたアクションが、回路の作成時に処理される最後のアクションであることを意味します。
- LOC=FIELD;DESC1=ADDED COMPONENT など、MISC1 属性のオプションの値を入力します。
この値には、多くのフラグや事前定義された属性値が含まれます。複数ある場合は、セミコロンで区切られます。
既存のマーカー ブロックを変更する
テンプレートには CODE 値が X001 であるマーカー ブロックがあります。 回路コード シートで一致するコードが見つかった場合は、多極コンポーネント挿入であることを示します。このマーカー ブロックの場所に 3 つの端子が挿入されます。このセクションでは、MISC1 の値を追加して端子の数を事前定義します。
- ATTEDIT と入力して、CODE の値が X001 であるマーカー ブロックを選択します。
- _L=|TERM01=T1|TERM01=T2|TERM01=T3| と入力します。
この「_L=」という接頭辞はデータのリストの始まりをマーク付けし、1 つのマーカー ブロックによってトリガーされる多極挿入に注釈を付けます。この例では、テンプレートの図面に定義された 3 相母線に 3 つの端子の多極挿入を行います。
「|」というシンボルは、多極挿入のそれぞれの極の属性グループを区切ります。グループ内の複数の属性は「;」(2 番目のレベルの区切り文字)で区切られます。この例では、挿入された最初の端子の TEM01 属性に T1 を、2 番目の端子には T2 を、3 番目の端子には T3 を割り当てるように、回路ビルダに指示します。
- [OK]をクリックします。
- すべての変更を行ったら、回路テンプレートの図面を保存します。