Windows バージョンと比較すると、Autodesk Nastran の Linux バージョンには、実行に関連した小さな変更がたくさんあります。これらの相違点がここに記載されています。
コマンド ラインで初期化ファイルが見つからない場合、Nastran の Linux バージョンは、次の場所をそれぞれ順に調べて、初期化ファイルを検索します。これにより、一連の Linux 固有の警告がトリガされ、この処理が実施されていること、および検出して使用する初期化ファイルについて通知されます。このメカニズムを正しく使用すると、ユーザ単位の既定のパラメータ設定や、既定のシステム初期化ファイルの設定が可能になります。次のシーケンスで最初に見つかった初期化ファイルが使用されます。
コマンド ラインで見つかった初期化ファイルが優先されます。
Nastran はこの初期化ファイルを現在の作業ディレクトリで検索します。
Nastran は、ユーザのホームディレクトリに配置された「非表示」の初期化ファイルを検索します。ファイル名の前に付加された「.」は、「ls」コマンドに「-a」オプションを使用しない限り、このファイルが「ls」コマンドで表示されないことを意味します。シミュレーションで常に同じオプションを使用する場合は、このファイルをここに配置してください。
インストール時に設定された既定の初期化ファイルです。ほとんどの場合、標準ユーザによる編集はできません。
ファイル名およびフォルダ名では、スペースまたは他の句読点のサポートが有効になっています。ただし、Autodesk Nastran の実行時には、ターミナル コマンド ラインでファイル名やフォルダ名をエスケープする、もしくは引用符で囲むよう、さらに注意が必要です。これはエラーを引き起こす可能性があるため、ファイル名およびフォルダ名でスペースやその他の句読点を使用しないようにする方がより安全になります。
また、'.'、'..'、'~' などの省略形ではなく、先頭が '/' で始まる絶対パス名を使用することをお勧めします。これらのオプションは有効ですが、広範囲で使用する前にテストすることをお勧めします。
Autodesk Nastran の Linux バージョンは、複数のユーザが単一の Autodesk Nastran を実行したり、単一ユーザが複数のシミュレーションを同時に実行したりする、クラスタ システムでの使用が意図されています。Autodesk Nastran の Linux バージョンでは、1 つの Linux システム上で実行している Nastran の各インスタンスが別の実行中インスタンスと干渉しないようにするため、FILESPEC (x) ディレクティブで指定された場所に固有のフォルダが作成されます。この固有ディレクトリの名前は、「nastmp_XXXXXX」の形式で命名され、実行時に XXXXXX がシステム生成文字列に置き換えられることにより一意性が保証されます。
正常に完了すると、このフォルダは削除されます。Autodesk Nastran のシミュレーションを中断する必要があっても、このフォルダは自動的に削除されません。このような場合、手動でこのフォルダを削除する必要があります。