インストール

このセクションでは、ご使用のシステムに Autodesk Nastran をインストールする方法を説明します。Autodesk Nastran は、単一の Linux のアーカイブ ファイルとして提供され、インストール パッケージと、ワークステーションのインストールおよびシン クライアントのインストールの両方をサポートしているインストレーション スクリプトのセットに展開されます。広範な Linux ディストリビューションを可能にする互換性を提供するために、RPM パッケージと単純な圧縮フォルダのインストール方法の両方がサポートされています。また、現在、標準ユーザの場所へのインストールがサポートされています。

インストレーションに必要なファイル

インストールを完了するには、次の 2 つの項目が必要です。

このパッケージは、Autodesk ライセンス サーバを提供していません。オートデスクでは、多くのオペレーティング システム向けにライセンス サーバをご用意しています。認定販売パートナーは、要件に適したライセンス サーバを提供できます。

インストール

このセクションでは、Autodesk Nastran をインストールするのに必要な手順を提供します。次のパッケージ名は例として提供されています。ご提供されているパッケージに基づいて、次のコマンドおよびパッケージを調整してください。

  1. 次のコマンドを使用して、提供されたパッケージを解凍します。このコマンドは、Autodesk Nastran 2022 のインストールに必要なファイルを含むサブディレクトリを現在の場所に作成します(パッケージのバージョン番号は以下に示すものよりもわずかに大きくなることがあります)。
    > tar xf Autodesk_Nastran_2022.0.0.F-14.0.0.203_Linux_64bit.tar
  2. 作業フォルダを作成したフォルダに変更します。
    > cd ./Autodesk_Nastran_2022.0.0.F
  3. 次のコマンドを入力して、インストーラを起動します。システムのインストールを実行する場合は、スーパーユーザとして、または 'sudo' オプションを使用して、ターミナル プロンプトからインストーラを起動する必要があります。インストーラによってシステムのインストールを実行するのに不十分な権限が検出されると、表示されるインストール オプションは、シンクライアントまたはカスタム インストールのみの実行まで減ります。標準ユーザまたはスーパーユーザがログインしているターミナルで、次のようにインストーラを起動します。
    > ./install.sh

    または、ユーザがログインしているターミナルから sudo を使用します。

    > sudo ./install.sh
  4. 提供されているライセンス契約書を読み、同意してください。ライセンス契約書のコピーは、インストール後にこちらに保存されます: /opt/Autodesk/Nastran_2022/adlm/EULA.txt
  5. インストーラを起動するユーザの権限レベルによっては、3 つの可能なインストール方法がユーザに表示されます。
    • 最初のメカニズムは、RPM パッケージを使用したシステム インストールを提供します。Autodesk Nastran は、Linux 標準ベース(LSB)の仕様に準拠して、/opt/Autodesk/Nastran_2022 にインストールされます。
    • 2 番目のオプションは、RPM パッケージを使用してシン クライアント サーバにシステムをインストールする方法です。このオプションでは、3 番目のオプションを使用してインストールしたシン クライアントが使用するライセンス コンポーネントのみがインストールされます。
    • 3 番目のオプションは、ユーザが定義した場所へのインストールを許可します。このオプションを選択すると、インストール先の場所を指定するよう求めるプロンプトが表示されます。このオプションは、シンクライアント インストールを行う場合と、個々のユーザが各自のホーム フォルダにインストールする場合に便利です。このオプションは、スーパーユーザ権限なしでインストールするユーザに対して表示されます。

    目的に適したインストール方法を選択してください。

ライセンス ヘルパー ユーティリティ

ヘルパー ユーティリティは、次と同様の場所で使用することができます: /opt/Autodesk/AdskLicensing/9.0.0.1462/helper/AdskLicensingInstHelper ヘルパーには次の機能があります。

ヘルプ ドキュメント

  • 使用例:
    sudo /opt/Autodesk/AdskLicensing/9.0.0.1462/helper/AdskLicensingInstHelper  -- help
    
    sudo /opt/Autodesk/AdskLicensing/9.0.0.1462/helper/AdskLicensingInstHelper register -- help
    

製品の登録

  • 使用例:
    sudo /opt/Autodesk/AdskLicensing/9.0.0.1462/helper/AdskLicensingInstHelper 
    register --pk 987L1 --pv 2020.0.0.F --cf /opt/Autodesk/Nastran_2020/clicV2SDK/InventorNastranConfig.pit 
    --el "US" --ls 12345@20.20.200.100 --lm NETWORK

登録コンポーネントのリスト

  • 使用例:
    /opt/Autodesk/AdskLicensing/9.0.0.1462/helper/AdskLicensingInstHelper list

    製品コンポーネントの登録解除

  • 使用例:
    sudo /opt/Autodesk/AdskLicensing/9.0.0.1462/helper/AdskLicensingInstHelper 
    deregister --pk 987L1 --pv 2020.0.0.F

RPM ベースのインストール

ClicV2 ライセンス コンポーネントをインストールして製品を登録します。また、/opt/Autodesk/Nastran_2020/bin/nastran_lic_reg.sh にユーティリティ シェル スクリプトがあります。このスクリプトを実行して製品を登録し、ライセンス サーバに IP アドレスとポートを提供することができます(例: port@hostname)。

トラブルシューティング

  • 上記のユーティリティを実行して登録済みのコンポーネントを一覧表示し、製品、ライセンス サーバなどが正しく登録されていることを確認します。
  • nastran_lic_reg.sh で定義されている変数が目的の値を指していることを確認します。
  • スクリプトを実行して製品を登録します。
  • 時々、ライセンス チェックアウトがコンピュータの最小インストールで失敗することがあります。libGL をインストールします。

シン クライアントのインストール

この環境設定タイプでは、サーバとクライアントを別々にインストールする必要があります。

サーバをインストールするには

  1. Superuser の権利が必要です。使用するサーバを設定するこれは、Network License Manager (NLM)がインストールされているサーバとは限りません。このライセンスサーバの目的は、シン クライアントと NLM 間の仲介として機能し、必要に応じてライセンスをチェック アウトすることです。
  2. ヘルパー ユーティリティを使用してライセンス サーバを登録します。
  3. ClicV2 ライセンスをインストールしたら、ヘルパー ユーティリティ使用して製品を登録します。
  4. ファイルを使用して、クライアントと接続するようにサーバを環境設定します。
    /var/opt/Autodesk/AdskLicensingService/AdskLicensingService.data
    "Addr":"127.0.0.1:4321" などの文字列を探し、IP アドレスをサーバのアドレスに変更します。
  5. シン クライアントが接続できるようにポートを開きます。

クライアントをインストールするには

  1. 適切なユーザ定義の場所を特定します。
  2. 接続するサーバの IP アドレスとポートを書き留めます。
  3. <ユーザ定義パス>/Nastran_2020/bin/AdlmCustomEnv.xml でカスタム XML ファイルを見つけます。
  4. 次に示すように、IP アドレスとポートが正しく設定されていることを確認します。
    <KEY ID="ADSK_SERVICE_ADDRESS">
           <!--Licensing service address-->
           <STRING>IPADDRESS:PORT</STRING>
    </KEY>
  5. 環境変数 AUTODESK_ADLM_THINCLINT_ENV が AdlmCustomEnv.xml ファイルを指していることを確認します。

ログ ファイルの生成

以下のログ レベル環境設定は、ドキュメント化のために行います。CLM V2 の既定のモードでは、制限されたレベルのメッセージが記録されます。詳細ログを手動で有効にするには、各コンポーネントについて、次の詳細項目を参照してください。

重要: 環境設定を更新したら、サービスが再起動され、実行されたことを確認します。

環境変数

環境変数 ADLSDK_LOG_LEVEL は、SDK のログ レベルをコントロールします。設定しなければ、既定の SDK ログ レベルは "E" になります。情報量を増加するには、環境変数 SYSTEM または USER を作成し、次のようにレベル T (トレース)に設定します。

  • Windows コマンド ライン: set ADLSDK_LOG_LEVEL=T
  • MacOS/Linux コマンド ライン: export ADLSDK_LOG_LEVEL=T

有効な設定

T = ADLSDK_ログ_トレース

D = ADLSDK_ログ_デバッグ

I = ADLSDK_ログ_情報

W = ADLSDK_ログ_警告

E = ADLSDK_ログ_エラー

C = ADLSDK_ログ_重大

O = ADLSK_ログ_オフ

サービス

サービスの詳細ログを有効にするには、テキスト エディタで AdskLicensingService.data を開きます。キーと値のペア "Dev":trueAdskLicensingService.data に追加します。

注: AdskLicensingService.data ファイルを保存するには、管理者の権限が必要な場合があります。
{
        "Addr": "127.0.0.1:12345",
        "Dev" : true, // Developer (Dev) mode, default false
        "AutoPickFreePort": true
}

サービスによって、次の場所に環境設定データ ファイルが生成されます。

/var/opt/Autodesk/AdskLicensingService/AdskLicensingService.data

エージェント

デバッグ レベルのログ記録を有効にするには、次の表を参照してください。.AdskLicensingAgent-log.conf ファイルを、エンド ユーザのコンピュータの下記の場所に配置します。

注:

".AdskLicensingAgent-log.conf" は、先頭に「ドット」が必要です。

既定のエージェント ログには、デバッグ レベルの情報は含まれません。

プラットフォーム ファイル名 場所
Linux .AdskLicensingAgent-log.conf /var/opt/Autodesk/AdskLicensingService/.AdskLicensingAgent-log.conf
次の内容を .AdskLicensingAgent-log.conf ファイルに貼り付けます。
{
    "message_pattern": "%{appname}[%{pid}] | %{time yyyy-MM-dd h:mm:ss.zzz} | %{type} | %{category}: %{message}",
    "filter_rules": "*.debug=true",
    "log_path": "/var/opt/Autodesk/AdskLicensingService/Log",
    "console_output": true,
    "file_output": true
}

Autodesk Nastran の Linux バージョンには、ネットワーク ライセンスが必要です。インストーラには、ライセンス サーバの詳細情報を求める画面が表示されます。[port]@1.2.3.4 または [port]@machine.domain.com のような形式で情報を提供する必要があります。この場合、[port] は必須ではありません。ライセンス サーバの設定で標準的でないポートが使用された場合にのみ必要になります。ライセンス サーバの詳細が分からない場合、または後日変更する場合は、一時的な値 @127.0.0.1 を入力します。使用中のネットワーク サーバは、/opt/Autodesk/Nastran_2022/bin/nastran_vars.sh テキスト ファイルを直接編集して後で変更することができます。

Autodesk Nastran を実行する前に、特定の環境変数を設定する必要があります。最初にターミナルを作成するときにすべてのユーザの環境変数が自動的に調節されるオプションがインストール時に表示されます。このオプションを使用すると、システム設定フォルダ内にリンク作成され、必要な環境変数の自動設定が可能になります。このオプションを有効にすることを強くお勧めします。または、この方法が用途に適していない場合の、他の 2 つの方法について説明しています。