傾斜壁とテーパ壁

壁パラメータを調整し、傾斜壁プロファイルとテーパ壁プロファイルを作成する方法を学習します。

傾斜壁とテーパ壁を作成する

Revit 2022 から、傾斜壁とテーパ壁を作成できるようになりました。

Revit 2021 まで、作成できる壁は床から 90 度のもののみでした。傾斜壁を作成することは可能でしたが、その場合は[壁(面)]を使用するか、インプレイス ファミリを作成する必要がありました。Revit 2021 に傾斜壁の機能が導入されたことによって、垂直パラメータからの角度に基づいて、外側の面または内側の面に向かって壁を傾斜させることができるようになりました。その場合、壁全体がその値に基づいて傾斜します。これは、壁の作成時にオプションを増やすという意味ではすばらしい機能拡張の 1 つとなりましたが、依然としてテーパ壁を作成する方法はありませんでした。傾斜壁では、壁の内側と外側の面は互いに平行を保ち、壁全体が傾斜します。

Revit 2022 では、傾斜壁の機能が拡張され、テーパ壁も作成できるようになりました。テーパ壁では、断面を使用して壁の面の内角と外角を個別に設定し、壁の断面にテーパを付けることができます。

この機能の利点

もちろん、傾斜壁やテーパ壁の必要性は、設計するプロジェクトによって異なります。すべてのプロジェクトで傾斜壁やテーパ壁が必要なわけではありませんが、必要なときに作成できるのは良いことです。使用しているツールのせいで設計を妥協する必要はもうありません。これらの要素が必要に応じていつでも作成できるようになったということを覚えておいてください。

傾斜壁やテーパ壁を作成する方法

傾斜壁を作成する手順とテーパ壁を作成する手順はよく似ています。
  1. [プロパティ]パレットで壁を選択し、[断面]パラメータを設定します。
    注: [テーパ付き]断面を選択する場合は、壁の構造に可変レイヤが含まれている必要があります。壁の可変レイヤの設定について詳しくは、「複層壁について」を参照してください。
  2. 傾斜壁やテーパ壁の角度を設定します。
    • [斜め]: [垂直方向からの角度]パラメータを設定します。正の値を指定すると壁は壁の外側から離れた方向に傾斜し、負の値を指定すると壁の外側に向かって傾斜します。以下に示すイメージでは、壁の垂直面が破線 で示されています。この線分の左側が壁の外側になります。正の値を指定すると、壁は外側から離れた方向に傾斜し 、負の値を指定すると、壁は外側に向かって傾斜します .

      このビデオでは、傾斜壁を作成する方法を説明します。

    • [テーパ付き]: [タイプ プロパティをオーバーライド]をオンにして(テーパ付き断面の既定のタイプ パラメータは設定可能です)、壁の内側面と外側面の角度を設定します。角度のタイプ値が正しければ、断面を[テーパ付き]に設定するだけで、壁に角度が適用されます。
      角度が正の場合は、面の上端が壁の中心に向かって傾きます。角度が負の場合は、面の上端が壁の中心から離れるように傾きます。テーパ壁に定義された角度によって可変レイヤの幅が 0 (ゼロ)未満になった場合、壁を作成することはできません。その場合は警告が表示され、壁の角度、高さ、あるいはその両方を変更する必要があります。

      このビデオでは、テーパ壁を作成する方法を説明します。

その他の考慮事項

[テーパ付き]断面を使用できるようにするには、壁構造に可変レイヤが含まれている必要があります。可変レイヤを定義すると、追加のタイプ パラメータが使用可能になります。[断面]インスタンス パラメータが[テーパ付き]に設定されている場合は、[既定の外角]、[既定の内角]、[幅の測定位置]の各タイプ パラメータが壁断面の既定として使用されます。

[幅の測定位置]パラメータは、テーパ壁の角度を設定する方法を決定します。可変レイヤの幅は、選択した位置で計測されます。設定した角度と壁の高さによって、壁の他のポイントの幅が定義されます。可変レイヤの幅がゼロになる角度と高さの組み合わせを使用することもできます。しかし実際にその組み合わせを使用すると警告メッセージが表示され、壁の角度や高さを変更して壁の幅がゼロ未満になるのを防ぐよう求められます。

傾斜壁とテーパ壁の使用について詳しくは、「ベスト プラクティス: 傾斜した壁」および「ベスト プラクティス: テーパ壁」を参照してください。