プレキャストの施工図コマンド用の API について学習します
プレキャストの施工図コマンドを使用して、プレキャスト環境設定で指定されたタイプに固有の設定に基づいて、プレキャスト要素の図面を作成します。単一の要素に対して複数の施工図(型枠用に 1 つ、配筋用に 1 つなど)が必要となることは、珍しいことではありません。製作図によって必要なタグ付けや寸法記入が異なることも、重要な要素となります。
プレキャスト API のすべての部分は単一の dll 内に実装されるので、API のユーザはプレキャストからこの単一の dll 以外を参照する必要はありません。プレキャスト自体は プレキャスト API のどこにも依存せず、API dll 自体の存在にさえ依存しません。
施工図作成の開始。API は、施工図作成を呼び出すと、プレキャスト環境設定から使用されているのと同じ設定を指定できます。API に指定されていない設定はプレキャスト環境設定から使用します。これを実現するには、作成メソッドに IShopDrawingOptions インタフェースのインスタンスが必要です。呼び出し側は、任意のクラスでそれを実装して、どのオプションを定義し、どのオプションを定義しないかを示すことができます。API にはプレキャスト環境設定は必要ありませんし、アクセスする権限もありません。設定が API 呼び出し側によって定義されない場合、内部コードが環境設定を読み取ります。プレキャスト環境設定は、UI ツールを使用するユーザのみがアクセス可能です。
Revit Precast では、施工図を作成するクラスは、要素のそれぞれの種類に特化しています。たとえば、Hollow Core Shop Drawing Creator や Solid Wall Shop Drawing Creator があります。いずれかを共通の基本クラスから継承します。API はクラスを公開するために、それらのクラスによって実装される Factory クラスとパブリック インタフェース(クラスのパブリック API に表示される部分を定義する)を使用します。
施工図作成のイベント。施工図作成のプロセスは、ビューおよびビューポートを作成、詳細化、移動する手順で構成されます。ビューの詳細化は、ビューの寸法記入とタグ付けで構成されます。各手順には関連付けられたプレイベントとポストイベントがあります。プレイベントはイベント ハンドラによってキャンセルできます。必要に応じて、ハンドラ自体がその操作を実行したり、何も実行しないようにすることができます。
イベント ハンドラが登録されている場合、プレキャスト API は、パブリック API に表示されない内部イベントのために自身を登録します。次に、登録されたサード パーティのイベント ハンドラに送信され、自身のサブトランザクション内のすべてのイベント ハンドラを保護します。
ここでは、イベント ハンドラのパラメータがインタフェースとして定義されることによって、プレキャスト API を内部の問題から効果的に切り離し、今後 プレキャスト API に影響を与えずに容易に内部コードを変更できるようにします。