ファミリの IFC 図形を指定する

Revit LT では、建物要素がその所属先のカテゴリ(およびサブカテゴリ)に基づいて IFC ファイルに書き出されます。

たとえば、壁は壁カテゴリの要素であるため、Revit LT では 壁は IFC 図形 IfcWallStandardCase に書き出されます。多くの場合、Revit LT から IFC への要素の書き出しは、既定の設定のままで簡単に書き出すことができます。

ただし、場合によっては、特定のファミリの要素の所属先の IFC 図形を指定する場合もあります。たとえば、エスカレータ ファミリを設計すると想定します。エスカレータ ファミリは一般モデル カテゴリに所属し、そこにエスカレータという専用のサブカテゴリを作成します。IFC にプロジェクトを書き出すときに、エスカレータがクラス IfcTransportElement およびタイプ IfcTransportElementType に適切に(かつ自動的に)マップされるようにします。

IFC 図形にファミリをマップするには

1. IFCExportAs および IFCExportType という名前で共有パラメータを作成します。詳細は、「共有パラメータ」を参照してください。

   これらの作成した共有パラメータを、ネットワークの場所にあるファイルに保存します。これにより、各共有パラメータを他のファミリおよびプロジェクトに追加できるようになります。Revit LT が使用可能な共有パラメータ ファイル(IFC Shared Parameters.txt)を使用することもできます。このファイルにアクセスする方法については、「IFC 固有ファイルにアクセスする」を参照してください。

   たとえば、他の企業の標準ファイルを格納しているフォルダに、IFCexportParameters.txt という名前のパラメータ ファイルを作成します。共有パラメータは一度作成するだけで十分です。共有パラメータは複数のファミリで再利用できます。

2. 新しいファミリを作成したり、既存のファミリを変更するには、ファミリ エディタを使用します。詳細は、「Revit ファミリ」を参照してください。
3. ファミリに共有パラメータを追加する:
   1. ファミリ エディタで、[作成]タブ [プロパティ]パネル (ファミリ タイプ)をクリックします。
   2. [ファミリ タイプ]ダイアログの[名前]ボックスで、ファミリ タイプを選択します。
   3. [パラメータ]で、[追加]をクリックします。
   4. [パラメータ プロパティ]ダイアログの[パラメータ タイプ]で、[共有パラメータ]をクリックし、[選択]をクリックします。
   5. IFCExportAs および IFCExportType を設定する共有パラメータ ファイル(たとえば、IFCexportParameters.txt)にナビゲートし、そのファイルを開きます。
   6. [共有パラメータ]ダイアログの[パラメータ]ボックスで、[IFCExportAs]を選択し、[OK]をクリックします。
   7. [パラメータ プロパティ]ダイアログの[パラメータ データ]にある[パラメータ グループ]で、[IFC パラメータ]を選択します。
   8. [タイプ]が選択されていることを確認し、[OK]をクリックします。

      [ファミリ タイプ]ダイアログで、パラメータ リストに[IFCExportAs]が表示されます。

   9. [パラメータ]で、[追加]をクリックします。
   10. [パラメータ プロパティ]ダイアログの[パラメータ タイプ]で、[共有パラメータ]をクリックし、[選択]をクリックします。
   11. [共有パラメータ]ダイアログの[パラメータ]ボックスで、[IFCExportType]を選択し、[OK]をクリックします。
   12. [パラメータ プロパティ]ダイアログの[パラメータ データ]にある[パラメータ グループ]で、[IFC パラメータ]を選択します。
   13. [タイプ]が選択されていることを確認し、[OK]をクリックします。

       [ファミリ タイプ]ダイアログで、パラメータ リストに[IFCExportType]が表示されます。

4. IFCExportAs、IFCExportType の値を指定します。

   共有パラメータを 1 つのファミリ タイプに追加すると、この共有パラメータは、Revit LT によって自動的にそのファミリのすべてのタイプに追加されます。これで、ファミリ タイプごとに各パラメータの値を指定できます。

   1. [ファミリ タイプ]ダイアログで、次の操作を行います。
      • [名前]ボックスで、ファミリ タイプを選択します。
      • [IFCExportAs]に、目的の IFC クラスを指定します。
      • [IFCExportType]に、目的の IFC タイプを指定します。
      • [適用]をクリックします。
   2. このファミリの残りのタイプに対して、前述の手順を繰り返して[ファミリ タイプ]ダイアログの IFC パラメータを設定します。
   3. すべてのファミリ タイプに値を設定したら、[OK]をクリックします。
   4. ファミリへの変更を保存します。
   5. 更新後のファミリをプロジェクトにロードする場合は、そのプロジェクトを開きます。次にファミリ エディタに戻り、[作成]タブ [ファミリ エディタ]パネル (プロジェクトにロード)をクリックします。
5. プロジェクトのパラメータ値をチェックします(省略可能)。

   プロジェクトの要素に割り当てられている IFC 書き出しパラメータ値を確認できます。これを行うには、次の手順に従います。

   1. プロジェクトで、共有パラメータ IFCExportAs および IFCExportType を追加したファミリに属する要素を選択します。
   2. プロパティ パレットで、 (タイプを編集)をクリックします。
   3. [タイプ プロパティ]ダイアログで、[IFC パラメータ]グループまで下にスクロールします。

      IFCExportAs、IFCExportType の各パラメータに、ファミリ タイプに指定した値が表示されます。IFC にプロジェクトを書き出すとき、このファミリの要素は指定された IFC クラスおよび IFC タイプにマップされます。