[レンダリング設定]モジュール

レンダリング > レンダリング設定

[レンダリング設定]を使用して、シーンのレンダリングの制御設定を調整できます。[レンダリング設定]モジュールの上部には、コンテキスト メニューと 4 つのタブ([ファイル出力]、[一般設定]、[レイトレーシングの精度]、[出力を表示])が表示されます。

レンダリング設定

[クラスタ キューに送信]、[レンダー キューに追加]、[レンダリング]ボタンの上にレンダリングの概要が表示されます。

プリセット

[プリセット]をクリックすると、メニューが表示されます。このメニューには、既定のレンダリング設定を保存、再ロード、編集、復元するためのオプションがあります。

ファイル出力(タブ)

レイトレーシング モードでのみ使用できます。

バリアント セット レンダリングのビデオのキャプション: VRED 2020.3 では、[レンダリング]ダイアログ内でバリアント セットを設定およびコントロールし、さまざまなレンダリング セットの組み合わせを 1 回でレンダリングできるようになりました。V セットを[レンダリング設定]の新しい[バリアント セット]領域にドラッグするだけです。ここで、これらの有効/無効を切り替えて、レンダリング対象を定義することができます。コンテキスト メニューで設定の保存やロードを行うこともできます。V セット内にビューをいくつか保存している場合は、[バリアント セットのビューを使用]を有効にすることもできます。カメラ トラックをレンダリングするように選択した場合は、[ビュー]でこのオプションが自動的に無効になります。下で、作成されるファイル名をプレビューできます。バリアント セットの順序によってファイル名が定義されます。[レンダリング設定]の下部に領域が追加され、作成されるレンダリングの総数など、いくつかの便利な情報が表示されるようになりました。[レンダリング設定]ですべてのバリアントを設定すると、レンダー キューにジョブ全体を追加することも可能になります。この新しいレンダリング オプションを使用すると、バリアントや大量のイメージを使用する場合に、レンダリング ワークフローの処理時間を大幅に短縮できます。以上でビデオを終わります。


イメージ

ビュー

すべてのカメラ、ビューポイント、定義済みカメラ トラックのアニメーション、バリアントのビューのリストを表示します(作成時にカメラがアクティブであった場合)。イメージの計算に使用するビューを選択します。トラックを選択した場合、含まれるすべてのビューポイントは自動的にレンダリングされます。

バリアント

ビューポイントとバリアント セットを組み合わせて、各組み合わせのイメージをレンダリングすると、バリアント セットのバッチ レンダリングを簡単に行うことができます。

  1. [ビュー]オプションを使用してビューポイントを選択します。
  2. [バリアント]で、バリアントを設定します。

これで、ビューポイントと選択したバリアントの組み合わせに基づいてレンダリング セッションが作成されます。各出力イメージには、分かりやすいように名前が付けられます。たとえば、バリアントを命名の優先順位として使用する場合は、次の手順を実行します。

レンダリングしたイメージのファイル名:

ファイル名

レンダリングされたイメージ ファイルが保存されているイメージ ファイルの名前とパスを設定します。

タイム スタンプを使用

ファイル名にタイム スタンプを追加します。

イメージ サイズのプリセット

ドロップダウン メニューから、PAL、NTSC、HD 720、HD 1080、4K など、すべての一般的な解像度のプリセットを利用できます。

イメージ サイズ

プリセットのイメージ サイズを選択していない場合に、カスタム解像度を入力できます。上記のプリセットを使用した場合、水平解像度と垂直解像度の対応するピクセル量が自動的に入力されます。

印刷サイズ

生成される印刷の幅と高さをセンチメートル単位で設定します。

解像度

印刷の解像度を 1 インチあたりのドット数で設定します。

領域レンダリング

レンダリングを次の座標で指定される四角形の領域に制限します。

レンダリング モード

ファイルへのイメージのレンダリングに適用されるイルミネーション モードを設定します。次のレンダリング モードを使用できます。

重要:

この値は、[レイトレーシングの精度]タブの静止画イルミネーション モードを自動的に変更します。

レンダリング品質

レンダリングに使用するイメージ サンプル数を設定するか、次のプリセットのいずれかを使用します。

重要:

この値は、[一般設定]タブの[アンチエイリアシング]セクションの[イメージ サンプルを使用]値を自動的に変更します。

スーパーサンプリング

レンダリングのスーパーサンプリングをアクティブ/非アクティブにします。既定は[オン]です。

背景色

レイトレーシング レンダリング モードでファイルをレンダリングする場合の背景色を設定します。

トーンマップ HDR

高品質のダイナミック イメージ レンダリングにトーン マッピングを適用します。その結果、32 ビット レンダリングは VRED で設定された合成ツールと同じようになります。ただし、イメージの値は選択されたトーン マッパーによって 0~1 の値に圧縮されます。その過程でダイナミック レンジは失われます。したがって、グローなどの効果を後で合成ツールで計算するのは困難です。

アルファ チャネルを書き出し

アルファ チャネルのレンダリングをアクティブ化します。ファイル タイプがアルファ チャネルをサポートする場合、アルファ チャネルが生成されるイメージに埋め込まれます。背景色は、透明なオブジェクトを透かして見えます。

乗数アルファ

乗算済みアルファ チャネルをレンダリングします。このオプションを使用できるのは、[アルファ チャネルを書き出し]をオンにした場合のみです。

HDR 形式で TIFF/PSD を書き出し

書き出すレンダリング ファイルのタイプを HDR 形式の TIFF/PSD として設定します。

16 ビット浮動小数点形式で EXR を書き出し

書き出すレンダリング ファイルのタイプを ビット形式の EXR として設定します。

レンダー パスにマルチ レイヤ EXR/PSD を書き出し

書き出すレンダリング ファイルのタイプをレンダー パスの EXR/PSD として設定します。

ICC プロファイル

VRED ではプロジェクト データ内に ICC カラー プロファイルを保存することが可能で、ワークフロー全体および複数のデバイス間でカラー管理の一貫性を確保できます。ICC カラー プロファイルを保存することで、ワークステーションで表示されるカラーは、他のすべてのコンピュータと確実に同一になります。既定の設定は[現在の設定]ですが、次のいずれかを選択できます。

メタ データ

この機能は、レンダリングされた出力に特定のシーン設定を埋め込みます。後で[ファイル] > [シーン データを読み込み] > [メタデータのレンダリング]を使用して VRED にレンダリング(そのメタデータ)を読み込めます。作成時にイメージ内に保存された設定(カメラ設定など)が、現在ロードされているシーンに適用されます。

注:

このオプションは、JPG、PNG、TIFF、および EXR ファイルでのみ使用できます。

すべて

次のすべてのメタデータを埋め込みます。

レンダリング設定

イメージの解像度、イメージ サンプル、ピクセル フィルタ、レイトレーシングの精度の設定など、現在のレンダリング設定をメタデータとしてレンダリングされたイメージに埋め込みます。

カメラ

現在アクティブなカメラの設定をメタデータとして埋め込みます。

シーングラフ

次のオプションが含まれています。

マテリアル

次のオプションが含まれています。

レンダリング イメージにメタ データを埋め込む

ノード可視性とスイッチ ノードの状態の保存および復元は、シーングラフ階層内のノードの一貫性のある命名体系に依存します。これはマテリアル エディタのリスト ビュー内のマテリアル階層内のスイッチ マテリアルにも同様に適用されます。レンダリング後に追加または名前変更したノードまたはマテリアルの情報がメタデータに含まれない場合は、レンダリングのメタデータを読み込むときにこれらの状態は変更されません。また、不一致が存在する場合は、一部の状態が再構築されない場合があります。状態を再構築できなかったすべてのノードとマテリアルは、読み込み完了後に[読み込み結果]ダイアログに表示されます。

レンダー パス

レイトレーシング モードでのみ使用できます。

レンダー パスを書き出し

レンダーパスを持つレンダリングをアクティブ化します。すべてのアクティブにされたレンダー パスは、同時にレンダリングおよび保存されます。

結合されたチャネル(タブ)

分離チャネル(タブ)

アニメーション

レンダリング アニメーション

アクティブにすると、アニメーション関連設定を使用できます。アニメーション クリップまたはその一部のみをレンダリングできます。

注:

1 つのジョブでバリアント セットのレンダリングとアニメーションのレンダリングを組み合わせる場合は、[レンダリング設定] > [ファイル出力] > [アニメーション]で[アニメーションをレンダリング]を有効にする必要があります。関連クリップを選択するか、タイムライン内で関連する時間を入力します。この操作を行わないと、バリアント セットのアニメーションがレンダリングされません。アニメーションが複数の場合は、独自のレンダリング ジョブに追加することをお勧めします。

タイプ

アニメーションの種類を設定します。[クリップ]か[タイムライン]を選択します。

アニメーション クリップ

このオプションは、前述の[イメージ]セクションの[ビュー]ドロップダウン内でカメラ トラック アニメーションまたはバリアントが選択されていない場合のみ使用できます。ここでは定義済みのクリップを選択できます。

形式

レンダリングされたアニメーションのファイル出力を指定します。次の中から選択します。

クリップの範囲を使用

クリップ全体のレンダリングができます。選択したクリップのシーケンスのみをレンダリングする場合は、このオプションを選択解除し、[開始フレーム]/[終了フレーム]でシーケンスの最初と最後のイメージを定義します。 [フレーム ステップ] ([イメージ]形式が選択されている場合のみ使用可能)は、アニメーション シーケンスのすべてのフレームを生成する必要はない場合に役立ちます。たとえば、[フレーム ステップ]設定に「3」を使用すると、VRED ではシーケンスの 3 番目のイメージがすべてレンダリングされます。既定値の「1」では、フレームごとに 1 つのイメージを生成します。

開始フレーム

アニメーションの開始フレームを設定します。

終了フレーム

アニメーションの終了フレームを設定します。

フレーム ステップ

アニメーションをレンダリングするときに、フレームの設定値をスキップして、レンダリングされたシーケンスをテストする際にレンダリング時間を短縮します。フレーム レートは低くなります。

1 秒あたりのフレーム数

出力ムービーのフレーム レートを定義します。このオプションは、[ムービー]形式を選択すると使用可能になります。

バリアント セット

VRED で複数バージョンのモデルを簡単にレンダリングするには、[バリアント セット]セクションを使用します。駐車場の赤い車と黄色の車、公園の赤い車を 1 つのレンダリング ジョブでレンダリングします。マテリアルおよび環境のバリアント セットを設定するには、必要な項目にチェックを入れ、不要な項目のチェックを外します。

[レンダリング設定]の[バリアント セット]セクション

注:

クリックしてドラッグすることによってグループを並べ替えると、ファイルのレンダリング順序および命名順序が変更されます。バリアント セット単位での並べ替えは使用できません。使用できるのは、グループによる並べ替えのみです。

グループ解除されたバリアントセット

グループ化されていないバリアント セットをバリアント設定モジュールから[レンダリング設定]の[バリアント セット]セクションにドラッグすると、ungrouped という同じ親ノードにグループ化されます。グループ化されていないすべてのノードは、削除、ドラッグ アンド ドロップ、選択または選択解除を簡単に行うことができるように、1 つのグループに属しているように扱われます。 プリセットのコンテキスト メニュー

バリアント セットのレンダリングに関する既知の制限事項

バリアント セットをレンダリングする場合は、次の制限事項に注意してください。

クラスタ

レイトレーシング モードでのみ使用できます。

ピクチャの作成は、ネットワークに接続した他のコンピュータ分配できます(クラスタ)。

クラスタを有効化

クラスタを有効化します。

ホスト名

クラスタリング ノードを定義します。ノードにアクセスするには、ホスト名および IP を使用します。

一般設定(タブ)

[一般設定]タブでは、アンチエイリアシング、ピクセル フィルタ、およびその他のオプションに、グローバル パラメータを入力できます。

アンチエイリアシング

コンピュータ画面は小さなピクセルで構成されています。そのため、丸いオブジェクトまたはカーブのあるサーフェスの端はファセットされたように見えます。アンチエイリアシングは、レンダリングされたオブジェクトのエッジの画素化を少なくする手法です。

アンチエイリアス処理の設定は、静止画のアンチエイリアス処理中に取られるサンプル数をコントロールします。これらはレンダリングされたイメージの品質に影響を与える主要なコントロールです。

イメージ サンプルを使用

静止画のアンチエイリアス処理中に取られるサンプル数を設定します。値が高いほど明瞭な結果が得られ、値が低いほどレンダリングの時間が短くなります。通常は開始点として 128 の値をお勧めしますが、フル グローバル イルミネーションのある屋内シーンでは低すぎることがあります。

時間を使用

単一イメージの作成における最大持続時間を設定します。

ビューポイントで無限のレンダリングを使用

イメージ サンプルの計算を無制限に設定します。このチェックボックスがオフの場合は、[イメージ サンプルを使用]で設定されたイメージ サンプル数(たとえば、256 個のイメージ)を計算するか、プリセット時間内に可能なだけ計算します。

レンダーの更新を開始 ... サンプル

アンチエイリアシング レンダリングの更新が開始されるサンプル数を設定します。一般的には、値を 16 に設定することにより、目の粗い進行状況のサンプルが表示されることを防げます。レンダリングは引き続きバックグラウンドで計算されます。

静止画のアンチエイリアシングの場合は、レンダリングするイメージ サンプルの数を設定します。この値を 1 に設定すると、静止画のアンチエイリアシングの実行中にサンプルが終了するたびに、ビューポート内のレンダリング イメージが更新されます。フル グローバル イルミネーションなどの一部のレイトレーシング モードでは、最初のサンプルのノイズが非常に多くなります(ノイズ除去ツールを使用している場合を除く)。この問題を回避するには、[レンダーの更新を開始]を 16 などの大きな値に設定します。VRED はバックグラウンドでサンプリングを行い、16 個のサンプルが計算されたら、画面にイメージのみを表示するようにして、ノイズを大幅に軽減するか、ノイズを除去します。

アダプティブ サンプリング

レイトレーサは、既にスムージングされた領域をスキップして、まだノイズのある領域に処理能力を集中させることができます。各種品質設定は、スムージングされたと見なされる領域のしきい値を制御します。コントロールを[最高品質]に設定すると、アダプティブ アンチエイリアシングは無効になり、常に指定されたイメージ サンプル数で各ピクセルがサンプリングされます。この設定によってレンダリング品質は最高になりますが、既にスムージングされた領域に処理能力と時間が無駄に消費される可能性があります。

クランプを使用

明るいピクセルのクランプをアクティブ化して、アンチエイリアシング後の白いスポットを排除します。この値によって、白いピクセルの最大値が設定されます。

重要:

クランプをアクティブ化して、値を減らすと、生成されるイメージ カラーの最大範囲が狭まります。

ノイズ除去ツール

アンチエイリアス処理されたイメージで発生するレイトレーシング ノイズを削減するオプションが用意されています。このノイズ除去フィルタはクラスタにも効果があります。

ノイズ除去ツールの入力

ノイズ除去ツールに対して[静止フレームのディープ ラーニング]または[常にディープ ラーニングを使用]が選択されている場合にのみ使用できます。

使用するノイズ除去ツールの入力を選択します。次の中から選択します。

ノイズ除去フィルタのしきい値

ノイズ除去ツールに対して[CPU]が選択されている場合にのみ使用できます。

ノイズ削減レベルのしきいフィルタ値を設定します。このオプションが有効になるのは、ノイズ除去の[CPU]オプションが選択されている場合のみです。このパラメータには 0 から 3 までの値を設定できます。これにより、フィルタの攻撃性をコントロールします。値を大きくするとノイズが除去される程度も大きくなりますが、それと同時に不自然でぼやけた感じになります。設定したら、[今すぐフィルタして保存]ボタンをクリックします。

今すぐフィルタして保存

指定したしきい値を使ってビューポートにある現在のイメージをフィルタします。フィルタされたイメージは、[レンダリング設定] > [ファイル出力] (タブ) > [イメージ] (セクション) > [ファイル名]で指定した場所に同じ形式で保存されます。このイメージの名前は、そこで指定したファイル名に接尾辞が付いたものになり、フィルタのかけられていない元のイメージも同じ場所に保存されます。

ピクセル フィルタ

ピクセル フィルタは、1 ピクセルにつき取得されたイメージ サンプルにウェイトを割り当てることで、レンダリングのアンチエイリアシング品質をコントロールします。イメージ フィルタ サイズが大きいと、ぼやけたイメージが作成されることがあります。

フィルタ

次のフィルタ オプションがあります。

サイズ

サンプリングで考慮される隣接するピクセルの数を定義します。

オプション

特定のレンダリング機能をグローバルに有効化または無効化できます。

フォトメトリック パラメータを有効化

フォトメトリック的に一貫性のあるレンダリング パイプラインをアクティブ化し、リアリスティックで信頼性の高い輝度情報を含むイメージを生成します。処理チェーンには、光源、環境マップ、マテリアル、カメラ、クランプのしきい値、ディスプレイの輝度のフォトメトリック入力値が含まれます。光源と白熱光のスペクトル データはフォトメトリック的に一貫性があります。物理的に信憑性の低いパラメータはユーザ インタフェースから削除されます。このモードは、レンダリングを再現する方法を提供するため、リアリスティックな輝度情報をディスプレイ上に表示できます。したがって、理想的には計測されたデータを使用して、現在の表示に一致するようにディスプレイ上の輝度パラメータを設定する必要があります。また、クランプのしきい値とカメラ トーン マッピング パラメータは適宜調整されます。

スペクトル レイトレーシングを有効化

レイトレーシング用のスペクトル レンダリング パイプラインをアクティブにします。ライティング シミュレーションの計算は、従来の三刺激 RGB 値の代わりにすべてのカラーに対してスペクトル分布を使用します。マテリアルと光源のカラー チャネルのスペクトル情報は、それぞれのカラー ダイアログ ボックスを開いて入力および編集できます。「カラーを選択」を参照してください。

光源

白と見なされる光スペクトルを設定します。通常、この値は昼光に一致するように D65 である必要があります。

多数の光源の最適化

バージョン 2022.2 以降、GPU と CPU レイトレーシングの両方でサポートされています。

わずかに品質を下げることでレンダラによるライトの計算を最適化できるため、レンダリングのパフォーマンスが大幅に向上します。ほとんどの状況ではこの品質の低下を認識できませんが、この機能を選択することで大きなノイズが発生するシーンもあります。このようなシーンでは、最適化を無効にするとクリーンなレンダリング結果を得ることができます。多数の光源またはジオメトリの光源があるシーンでは、レンダリングの速度が遅くなる場合があります。

NURBS レイトレーシングを有効化

直接 NURBS レイトレーシングを有効/無効にします(CPU レイトレーシングのみ)。

コストの可視化

イメージをトレースするときに最も時間のかかる場所を解析します。

コストの可視化

BRDF の動作

BRDF シェーダ モデルで、エネルギーをより節約できます。拡散/光沢/スペキュラ レイヤのウェイト割り当てでは、フレネル反射率に加えて光沢/スペキュラ カラーが考慮される必要があります。光沢のあるカラーが黒に変わると、結果に暗いエッジが表示されません。代わりに、完全な拡散マテリアルが表示されます。これによりスペキュラ反射の微調整が改善されます。

粗いサーフェスや、より鮮明なイメージの品質でリアルな反射を実現する BRDF GGX シェーダモデルの例

CPU コアの数

レイトレーシングに使用される CPU コアの数を設定します。処理能力の一部を他のアプリケーションで使用するために、VRED で使用するコア数を制限する必要がある場合があります。この設定は、ランタイムのみの設定であるため、クラスタ マシンには影響しません。

レイ分割を使用

複数のレイがガラスの表面に最初に照射されたときに、反射と屈折をトレースします。オフにすると、1 つのレイのみがトレースされます。

2 つのサンプル MIS を使用

環境マップを評価するために 2 つのサンプルをトレースします。オフにすると、環境マップを評価するためにトレースされるサンプル数が 2 ではなく、1 に限定されます。

レイトレーシングの精度(タブ)

[レイトレーシングの精度]タブで、イルミネーション、フォトン トレーシング、さまざまなサンプリング品質、トレース深度およびマテリアルのパラメータをグローバルに設定できます。

イルミネーション モード

インタラクティブ/静止画

異なるイルミネーション モードを選択して、レイトレーシングでインタラクティブおよび静止画レンダリングができます。これにより、シーンでのすばやいインタラクションのために事前計算モードで作業を行ったり、静止画のレンダリングでフル グローバル イルミネーションに自動的に切り替えができます。5 つのモードを使用できます。

フォトン トレーシング

フォトン トレーシングは、シーンでグローバル イルミネーションを計算するアプローチです。VRED における既定のフル グローバル イルミネーション モードは、高品質な結果を出力しますが、計算時間が長くかかることがあります。フォトン トレーシングを使用すると、より大きい余白を取ることで、特に車内などの屋内シナリオや建築の屋内シーンでクリーン イメージのレンダリング時間を短縮できます。

モード

VRED では、さまざまなフォトン マッピング モードを使用できます。

トレース深度

フォトンまたはレイのカラーを計算する場合、レイトレーシング時に考慮される反射の数を設定します。

インタラクティブな数/静止画の数

イメージ サンプルごとにシーンに送信されるフォトンの数を指定します。フォトン数を 100,000 に指定し、イメージ サンプル数を 256 に設定すると、25,600,000 個のフォトンが 1 フレームのシーンに送信されます。送信されるフォトンの数が多いほど、出力の画素化は低くなります。

フォトン半径の自動化を使用

前処理でシーン内の各フォトンの最も近い 16 個のフォトンのルックアップを行い、平均ルックアップ半径を 2 回計算します。この機能はほとんどの場合に動作します。

フォトンの半径

フォトンを検索するために、レイトレーサによって使用されるヒットポイント周囲の半径を指定します。半径が大きいほど、レイトレーサはより多くのフォトンを見つけることができますが、ルックアップ時間は長くなります。

インタラクティブなファイナル ギャザー/静止画のファイナル ギャザー

フォトン マップを使用する方法は 2 つあります。コースティクス フォトンには、常に最初のアプローチを使用します。ヒットポイント周囲のフォトンを収集して、入射するイルミネーションを計算します。このアプローチにより、インタラクティブなパフォーマンスが高速になり、シーン内のすべてのライト パスを計算できますが、クリーン イメージを取得するには、多くのフォトン数が必要になることがあります。もう一方のアプローチは、ファイナル ギャザリングを使用します。ファイナル ギャザリングで、1 つのバウンス間接光がフォトン マップの評価前に実行されます。これは、短時間で高品質なイメージを生成するので、VRED の既定のフォトン トレーシング アプローチになっています。ファイナル ギャザー精度を[オフ]に設定すると、最初のアプローチが有効になる一方で、他の値に設定すると、2 つ目のアプローチが使用されます。

ファイナル ギャザーの半径

レイトレーシング中、最も近いファイナル ギャザー ポイントを見つけるために使用するルックアップ半径を設定します。使用する半径が小さいほどパフォーマンスは向上しますが、暗い領域を避けるためにより多くのフォトンが必要になります。

注:

ファイナル ギャザー ポイントを評価するには、フォトン マッピングとファイナル ギャザリングをオンにして[間接光レンダリング]を使用します。高品質の結果を得るには、ファイナル ギャザー ポイントには、フォトンが格納されていない黒色の領域がほとんどない必要があります。

ファイナル ギャザーを更新

ファイナル ギャザーの精度([インタラクティブなファイナル ギャザー]/[静止画のファイナル ギャザー]の値)を 1 以上に設定すると、フォトン マップの更新頻度が設定できます。既定では、フォトン マップはイメージ サンプルごとに更新されて、多数のフォトンがシーンに送信されます。[ファイナル ギャザー精度]を[オフ]に設定している場合、ほとんどの場合、レンダリング時間を軽減するために、フレームごとにフォトン マップを 1 回更新し、イメージ サンプルごとに使用すれば十分です。

光沢のある反射にファイナル ギャザーを使用

オンにすると、光沢のある反射が、パス トレーシングではなく、ファイナル ギャザー マップによって評価されます。このため、レンダリング時間が短縮されますが、精度の低い反射になります。

フォトン マップの自動更新を無効化

アクティブにすると、フォトン マップは自動的に更新されません。

IBL のサンプリング品質

インタラクティブ

インタラクティブな IBL のサンプリング品質を設定します。

静止画

静止画の IBL のサンプリング品質を設定します。

反射と屈折のサンプリング精度

インタラクティブ

反射と屈折のインタラクティブなサンプリング精度を設定します。

静止画

反射と屈折の静止画のサンプリング精度を設定します。

トレース深度

インタラクティブ

各レイに発生するインタラクティブな反射と屈折の量を設定します。

静止画

各レイに発生する静止画の反射と屈折の量を設定します。

マテリアル オーバーライド

各マテリアルは、マテリアル プロパティ、イルミネーション モード、IBL のサンプリング品質、反射/屈折品質、トレース深度などの独自の設定を持つことができます。マテリアル エディタの[レイトレーシング設定]で、各マテリアルに対して異なるオーバーライドを個別に設定できます。

事前定義されたすべてのオーバーライドをグローバルにアクティブ化します。これは、各マテリアルに対して異なるレンダリング設定を使用できることを意味します。この設定はここで非アクティブ化でき、特定のマテリアル設定が無視されます。

マテリアルのオーバーライドを許可

インタラクティブ レンダリングまたは静止画レンダリング用にグローバルに許可したマテリアル設定がオーバーライドされます。

イルミネーション モード オーバーライド

インタラクティブ レンダリングまたは静止画レンダリング用にグローバルに設定したイルミネーション モードがオーバーライドされます。

IBL のサンプリング品質のオーバーライド

環境マップのサンプリング用のグローバルな IBL のサンプリング品質がオーバーライドされます。

反射 / 屈折品質のオーバーライド

反射/屈折のグローバルなサンプリング精度をオーバーライドします。

トレース深度のオーバーライド

インタラクティブ レンダリングまたは静止画レンダリング用にグローバルに設定したトレース深度モードがオーバーライドされます。

出力を表示(タブ)

[出力を表示]タブでは、カラー、ヒストグラム、表示のサポートに対して複数のパラメータをグローバルに定義できます。

カラー

2022.3 では、VRED Design と VRED Professional の両方で次に示すカラー管理オプションを使用できます。

モニター輝度(cd/m²)

この設定は、 [一般設定] > [オプション] 領域の [フォトメトリック パラメータを有効化] チェックボックスをオンした場合にのみ使用できます。 表示の輝度値を設定します。フォトメトリック パラメータを使用する場合、リアルなフォトメトリック値でレンダリング結果をディスプレイ装置上に再現するには、実際のモニター輝度が必要です。

モニターのカラースペース

カラー管理情報を設定します。カラースペース オプションを選択します:

シンプル ガンマ

ガンマ補正を設定する場合に使用します。ガンマを大きくすると、より細かな違いがより暗い色調でシャドウに露出されます。

色の深度を高める

効果の範囲と色の深度の補正コマンドを大きくします。

ダイナミック トーンマッピング

1 つのカラー セットを別のカラー セットにマッピングし、高品質のダイナミック レンジ イメージに近づけると、イメージの見た目が良くなり、細部まで表現されます。これにより、色調の値は小さくなります。

ヒストグラム

レンダリングしたイメージの相対的なカラー分布を示します。このツールはライトが過度に明るい領域を検出するのに便利です。さまざまなモードを使用できます。対数と線形表示スケールを使用できます。

表示のサポート

レンダリングの概要

レンダリングの概要は、[クラスタ キューに送信]、[レンダー キューに追加]、レンダリング ボタンの上に表示されます。レンダリングに関する詳細なコンテキスト情報と、レンダリングにかかる時間を確認できます。イメージとレンダリングの合計数が表示されます。

レンダリングの概要

注:

同じ情報が、異なる形式で[レンダー キュー]にも表示されます。

イメージの計算を開始するには

モジュールの下部に表示される次のボタンのいずれかをクリックして、イメージの計算を開始します。

クラスタ キューに送信する

クラスタ キューにレンダリングしますが、クラスタ キューへの送信を実行するにはクラスタ マネージャにログインする必要があります。「 クラスタ レンダリングを管理するには 」を参照してください。

レンダー キューに追加

現在のカメラ ビューからジョブを作成し、レンダリング モジュールから最後の設定を適用します。送信後に[レンダー キュー]ウィンドウが開きます。レンダリングするジョブが複数あるため、イメージ名を変更することはできません。レンダリングしたイメージが上書きされる場合は、通知が表示されます。

レンダリング

現在の設定でイメージまたはムービーを作成します。このプロセスでイメージの名前を変更できます。