IGES (Initial Graphics Exchange Specification)は、異なる CAD システム間で 2D および 3D 図面データを転送するための中間ファイル形式です。IGES 規格は、情報を 80 文字のレコードに格納する固定長の ASCII と圧縮 ASCII の 2 つのファイル形式を定義しています。IGESIMPORT[IGES 読み込み]と IGESEXPORT[IGES 書き出し]コマンドは、固定長の形式のみをサポートしています。
理想的な条件の下では、変換によって図形の外観と機能性が保持されます。ただし、この処理にも限界があり、IGES に書き出したものを再度読み込むという往復変換では、一部のデータが保持されない場合があります。
たとえば、IGES に書き出すとき、2D ポリラインは IGES エンティティ 106:12 に変換されます。IGES を読み込むと、エンティティ 106:12 はスプラインに変換されます。したがって、IGESEXPORT コマンドにより作成されたファイルを IGESIMPORT コマンドにより読み込んだ場合、読み込まれた図面が元の図面と一致しないことがあります。
同じようなデータの損失は、IGES を使用して AutoCAD と他の CAD システム間でデータを転送したときにも起こることがあります。通常、IGES へ、または IGES からの一度の変換では、重大な問題は発生しません。しかし、IGES との間で図面を何度も変換すると、データの喪失が無視できなくなります。
読み込み元の CAD プログラムと AutoCAD の両方の IGES 変換の変換表をよく読んでください。どの図形がサポートされているかを確認してください。図面を再構築し、妥協や代用が必要なオブジェクトの使用を最小限に抑えてください。
IGES の変換範囲の特定の詳細については、IGESIMPORT コマンドの変換表を参照してください。