ユーザ座標系(UCS)は、移動可能なデカルト座標系の位置および方向を確立します。UCS は、高精度な多くの操作に不可欠なツールです。
UCS を定義します。
- オブジェクトを作成、編集するXY 平面 (作業平面または構築面)
- 直交モード、極トラッキング、オブジェクト スナップ トラッキングなどの機能に使用される水平方向と垂直方向
- グリッド、ハッチング パターン、文字、寸法オブジェクトの位置合わせと角度
- 座標入力と絶対座標の角度の原点と方向
- 3D 操作では、作業平面、投影平面、および垂直方向と回転軸の Z 軸の方向
既定では、現在のモデル ビューポートの作図領域の左下コーナーに UCS アイコンが表示されます。各ペーパー空間レイアウトの UCS は、図面の三角形として表示されます。
注: UCSICON[UCS アイコン管理]コマンドから、UCS の色、サイズ、スタイルなどを設定することができます。必要がない場合は、非表示にすることもできます。
3D での UCS とは
3D 環境でオブジェクトを作成または変更する場合、作業しやすいように、3D モデル空間内のどこにでも UCS を移動したり、方向きを変更することができます。UCS は座標を入力したり、2D 作業平面で 3D オブジェクトを作成したり、3D でオブジェクトを回転する場合に便利です。UCS アイコンは、現在の表示スタイルに応じて自動的に変化します。現在 3D 表示スタイルの場合、右のカラフルな 3D アイコンが表示されます。
注: UCS アイコンは、軸の方向と回転の方向の正の方向を決定する際、従来の右手の法則に従います。
ペーパー空間の UCS
ペーパー空間で UCS を移動したり回転することはできますが、ペーパー空間の UCS は 2D 操作に制限されます。既定では、レイアウトの左下コーナーに UCS アイコンが表示されます。UCSICON[UCS アイコン管理]コマンドを使用して、既定の場所を変更することができます。
ワールド座標系(WCS)とは
図面内のすべてのオブジェクトは、永久に固定されたデカルト座標系であるワールド座標系(WCS)の座標で定義されます。新しい図面では、UCS は最初 WCS と一致しています。各アイコンの左下コーナーの正方形は、UCS アイコンが現在 WCS と一致していることを示します。