概要 - IEC またはその他の図面規格のプロジェクトを設定する

AutoCAD Electrical ツールセット には、ニーズに合った方法で図面を設定できるようにするための複数の設定オプションがあります。

IEC 規格の設定

以下は、IEC 図面規格を処理する場合に最も一般的に使用される設定オプション(プロジェクト プロパティと図面固有のプロパティ)と、その説明のリストです。

プロジェクトのプロパティ

[プロジェクト設定]タブ

 

[回路図ライブラリ]

  • IEC-60617 規格のライブラリ セット
  • IEC2 ライブラリ セット: [コンポーネント タグ]、[装置]、[ロケーション]、[コンポーネントの説明]などの主なテキスト項目に対する 2.5 の文字サイズ
  • IEC4 ライブラリ セット: [コンポーネント タグ]に対応する 3.5 の文字サイズと、[装置]、[ロケーション]、[コンポーネントの説明]などに対応する 2.7 の文字サイズ

[回路図アイコン メニュー ファイル]

ACE_IEC-60617_MENU.DAT という IEC-60617 ライブラリ セット用のアイコン メニューと、ACE_IEC_MENU.DAT という旧式の IEC2 および IEC4 ライブラリ セットの用アイコン メニュー

[コンポーネント]タブ

 

[コンポーネント タグ形式]

IEC では一般に「%S%F%N」が使用されます。各値は次のとおりです。

  • %S = シート番号
  • %F = コンポーネント ファミリ コード
  • %N = アクティブな図面のスキームの番号付け(連続またはリファレンス ベース)

[コンポーネント タグ オプション]

特定のタグ オプションの大部分を IEC タグ モードに合うように定義します。

  • [組み合わせた装置/ロケーション タグ モード]: コンポーネント タグ名の解釈に組み合わせた装置/ロケーション タグを使用します。たとえば、「100CR、ロケーション コード PNL1」が適用されているリレー接点の親リレー コイルは、「-100CR、ロケーション コード PNL2」が適用されているリレー接点の親リレー コイルとは別のものと解釈されます。この設定が選択されていない場合は、どちらの接点も同一の親リレー コイル「-100CR」に関連付けられます。

    このオプションを選択すると、コンポーネント タグの接頭辞に自動的に =、+、- が付けられます(適用可能な場合)。

  • [タグの先頭の文字にダッシュを使わない]: 装置/ロケーション接頭辞のない IEC タグから先頭のシングル ダッシュ文字を除去します(たとえば、「-K101」のダッシュは除去されて「K101」となりますが、「+LOC1-K101」は変更されません)。

    この設定をオフにすると、先頭に装置/ロケーション接頭辞文字の接頭辞がない ICE タグには、単一のダッシュ文字が自動的に追加されます。たとえば、「K101」タグは「-K101」となりますが、「+LOC1-K101」は変更されません。

    注: この除去はレポートでは自動的に実行されます。またコンポーネントの挿入、編集、再タグ付け時に限りグラフィカルに実行されます。
 
  • [タグには装置/ロケーションを付ける]: タグ属性に、装置、ロケーション、タグ値の組み合わせが表示されます。
  • [図面の既定と同じである場合はタグに装置/ロケーションを使用しない]
  • [レポートのタグでは装置/ロケーションを使用しない]
  • [挿入時: 最後に入力された、または図面の既定の装置/ロケーション値を自動入力]: 選択されていない場合、これらの属性は自動的には入力されません。

[クロスリファレンス]タブ

 

[クロスリファレンス形式]

IEC では一般に「%S-%N」が使用されます。各値は次のとおりです。

  • %S = シート番号
  • %N = 図面の参照システムに基づいた参照値

[図面の既定と同じである場合は装置/ロケーション コードを使用しない]

IEC 接頭辞を使用しない場合は、このオプションを選択します。

注: 既存のクロスリファレンス テキストを更新するには、[コンポーネント クロスリファレンス]コマンドを実行する必要があります。

[コンポーネント クロスリファレンスの表示]

IEC では一般に子タイプ(通常開、通常閉、Form-C 接点)の表示にグラフィカル形式または表形式が使用されます。[設定]をクリックして、形式の詳細を定義します。

[スタイル]タブ

 

[配線スタイル]

IEC では一般に配線接続が交点マークの接続ではなくティー マーカーとして表示されます。[配線 T 字]領域で適切な角度付きティー マーカーを選択します。

[図面形式]タブ

 

[ラダーの既定]

IEC では一般に水平ラダーが使用されます。

[リファレンスの形式設定]

%N の値をコンポーネント タグと線番の形式で置換するために使用するリファレンスの種類を定義します。IEC で最も一般的に使用される形式は X ゾーンです。

注: AutoCAD Electrical ツールセット で X-Y グリッドまたは X ゾーンのリファレンス スタイルのラベルを配置する場合は、[ラダー挿入]ツールバーから適切なコマンドを使用します。
  • [X-Y グリッド]: すべてのリファレンスは、図面の左側と上部に沿って、数字と文字によるX-Y グリッド システムに結び付けられます。X-Y グリッド設定ダイアログ ボックスで、図面の水平方向と垂直方向のインデックス番号と文字、間隔、原点を設定します。
    ヒント: X-Y グリッド システムの原点が図面の左上隅以外になるように変更する場合は、[水平]または[垂直]に対して負の間隔値を指定します。
  • [X ゾーン]: X-Y グリッドに似ていますが、Y 軸がありません。X ゾーン設定ダイアログ ボックスで、図面の水平方向のラベル、間隔、および原点を設定します。
    ヒント: ゾーン リファレンスの原点が図面の右側になるようにする場合は、負のゾーン間隔値を使用します。

[尺度]

IEC 図面の尺度は、通常 mm 実寸に設定されます。

図面プロパティ

注: [図面プロパティ]と[プロジェクト プロパティ]ダイアログ ボックスと重複するオプションについては、このセクションでは説明しません。

[図面設定]タブ

 

[IEC スタイル デザイナ]

装置およびロケーション コードの図面の既定を定義します。装置/ロケーション タグ モード オプションをオンにすると、装置またはロケーションの値のないコンポーネントに対して図面の値が使用されます。

ファミリ タグ コードを自動的にオーバーライドする

コンポーネントを挿入し、一意のタグを割り当てると、コンポーネント タグ形式の置き換え可能なパラメータ %F の値がシンボルの FAMILY 属性の既定値から引き出されます。ファミリ値は、[コンポーネントを挿入/編集]ダイアログ ボックスの[コンポーネント タグ]領域にある[オプション]ボタンを使用して、コンポーネントごとに手動でオーバーライドできます。ファミリ値を自動的にオーバーライドするには、wd_fam.dat マッピング ファイルを作成します。wd_fam.dat ファイルでは、FAMILY 属性から新しいファミリ値に既定値がマッピングされます。

たとえば、JIC ライブラリ パイロット ランプの既定のファミリ タグ コードが LT で LT101 などのタグを生成するとします。ライブラリ シンボルを編集せずに、このタグ コードをオーバーライドし、「LITE」のファミリ コードに置き換えるには、wd_fam.dat に行

LT, LITE を追加します。

AutoCAD Electrical ツールセット ではこのマッピング ファイルを次の順序で検索します。

  1. ユーザ サブフォルダ: C:¥Users¥{ユーザ名}¥AppData¥Roaming¥Autodesk¥AutoCAD Electrical {バージョン}¥{リリース}¥{国コード}¥Support¥User¥
  2. アクティブなプロジェクトの .wdp ファイル サブフォルダ
  3. AutoCAD オプションに定義されたすべてのパスファイルサポート ファイルの検索パス

コンポーネントのファミリ名をオーバーライドする方法によって、wd_fam.dat ファイルを前述したさまざまなロケーションに移動できます。