コマンドは、リボンやツール バーなどのユーザ インタフェース要素から起動することも、コマンド プロンプトに対して直接入力することもできます。コマンド プロンプトに対してコマンドを直接入力する方が、リボンやツールバーで目的のコマンドを探すよりも効率的です。AutoCAD を毎日使用している人でも、コマンド ウィンドウで利用できる生産性が上がる機能を見逃していることがあります。
注: ビデオには、音声または字幕はありません。
注: 手順、イメージ、ビデオは、お使いのバージョンの製品と若干異なる場合があります。
コマンド ウィンドウでは、次のことができます。
- 完全な名前またはエイリアスを使用して、コマンドまたはシステム変数を起動する
- コマンドまたはシステム変数を検索する
- コマンドやシステム変数に関するインターネット上のオンライン ヘルプやその他のコンテンツにアクセスする
- 実行中のコマンドのプロンプトを確認する
- 実行中のコマンドのオプションを選択したり、値を入力する
- ブロックを挿入したり、画層や名前の付いたスタイルを現在に設定する
入力を開始すると、この例では L という文字、使用可能なコマンドとシステム変数が一覧表示されます。これは、AutoComplete(オートコンプリート)リストと呼ばれます。その後、使用したいコマンドまたはシステム変数を選択できます。
AutoComplete を環境設定する
AutoComplete を使用すると、候補リストに基づいて、コマンド、システム変数、名前の付いたオブジェクトをすばやく見つけることができます。AutoComplete 候補リストに表示される項目は、コマンド プロンプトに対して 1 文字または複数の文字を入力することで絞り込むことができます。既定では、表示される候補は、入力した文字で始まるか、それらの文字を含みます。
- コマンド ウィンドウで、[カスタマイズ]ボタンをクリックします。

- メニューで、[入力検索オプション]をクリックします。
- 次に示すように、[入力検索オプション]ダイアログ ボックスで、オプションが AutoComplete 候補リストの表示に使用する既定の入力検索設定と一致していることを確認します。

- [OK]をクリックします。
注: ダイナミック入力がオンになっているときは、クロスヘア カーソルで AutoComplete 機能と同じ機能の一部を使用できます。ダイナミック入力は、コマンド プロンプトに対して DYNMODE と入力し、次に 0 または現在の値の負数に設定します(たとえば、現在の値が 3 に設定されている場合、オブにするには -3 に設定します)。
AutoComplete を使用してコマンドまたはシステム変数を見つける
コマンド ウィンドウに文字を入力すると、その文字の入力順に基づいて AutoComplete 候補リストが絞り込まれていきます。
- コマンド ウィンドウをクリックして line と入力しますが、[Enter]は押さないでください。

しばらくすると、AutoComplete 候補リストが表示され、入力した文字列に基づいて絞り込まれます。入力した文字列と一致するコマンドとコマンドのエイリアスが一番上に表示され、システム変数は最初の展開可能なセクションの下にまとめて表示されます。一致するハッチング パターンと名前の付いたオブジェクトは、システム変数の下の他の折りたたみ可能セクションに表示されます。
- PLINE 項目をクリックして、PLINE[ポリライン]コマンドを起動します。
- [Esc]を押して、コマンドをキャンセルします。
- コマンド プロンプトに対して、もう一度 line と入力します。
- AutoComplete 候補リストで、システム変数グループをクリックして展開します。

- カーソルを PLINETYPE 項目上に移動します。
- [ヘルプで検索]アイコン(
)をクリックして、システム変数 PLINETYPE に関する情報をヘルプ ウィンドウに表示します。
コマンドの実行中、またはマウス ポインタが AutoComplete 候補リスト内の項目上にあるときに[F1]を押すこともできます。
ヒント: コマンドのエイリアスを使用すると、コマンドの起動に要する時間を短縮sることができます。コマンドを見つけるためにマウス カーソルをユーザ インタフェース上で動かすのではなく、マウス カーソルを作図領域内に留めたまま、入力準備を行うことができます。コマンドのエイリアスは、コマンドの短縮名で、通常は 1 文字または 2 文字の長さです。AutoComplete 候補リストには、コマンドのエイリアスと一緒に、起動されるコマンドが括弧内に表示されます。すべてのコマンドのエイリアスの完全なリストを表示または印刷するには、をクリックします。
AutoComplete を使用して画層を現在層に設定し、ブロックを挿入する
既定では、名前の付いたオブジェクトは AutoComplete 候補リストに表示されます。現在層に設定する画層の名前、または挿入するブロックの名前がわかっている場合は、コマンド プロンプトに対して名前を入力することができます。よく使用する画層またはブロックの名前を入力すると、リボンの[画層]ドロップダウン リストやブロック ギャラリーをスクロールするよりも効率的です。
- いくつかの画層とブロックが含まれた図面を開きます。
- コマンド ウィンドウで、現在層に設定する画層の名前を入力します。

システム変数 CLAYER の値が、入力した画層の名前に変更されます。
- コマンド ウィンドウで、挿入するブロックの名前を入力します。

-INSERT[ブロック挿入]コマンドが起動され、ブロックを挿入することができます。
注: この機能が使用できるのは、コマンド ウィンドウのみです。クロスヘアの近くに表示されるダイナミック入力ツールチップでは使用できません。
最近使用したコマンドまたは入力した値を使用する
AutoCAD は、最近使用したコマンドと入力した値の履歴を保持しています。
コマンド ウィンドウの外観を変更する
既定の色やフォントが読みにくい場合は、コマンド ウィンドウで使用される色やフォントを変更することができます。
- 作図ウィンドウで右クリックして[オプション]を選択します。
- [オプション]ダイアログ ボックスの[表示]タブの[ウィンドウの要素]領域にある[色]ボタンをクリックします。

- [作図ウィンドウの色]ダイアログ ボックスの[コンテキスト]領域で、[コマンド ライン]を選択します。

- [インタフェース要素]リストで、変更するコマンドおよびテキスト ウィンドウの要素を選択します。
- コマンド ヒストリ – コマンドおよびテキスト ウィンドウの拡張部分
- アクティブなプロンプト – コマンドおよびテキスト ウィンドウの最下行
- 一時プロンプト – コマンド ライン ウィンドウが浮動状態で 1 行のみ表示されているときに、コマンド ライン ウィンドウの上部に表示される以前のプロンプト メッセージ
- コマンド オプション – アクティブなコマンドのプロンプト内に一覧表示されるキーワード
テキスト ウィンドウは、コマンド ウィンドウがドッキングされているときに[F2]キーを押すか、コマンド ウィンドウが浮動状態のときに[Ctrl] + [F2]キーを押すと表示されます。テキスト ウィンドウには、現在の図面のコマンド履歴が表示されます。
- [色]ドロップダウン リストをクリックして、選択した要素の新しい色を選択します。
- 手順 4 と 5 を繰り返して、各要素を変更します。
- [適用して閉じる]をクリックして、変更を保存します。
注: 選択した要素またはコンテキスト、またはすべてのコンテキスト内のすべての要素の色をリセットするには、[復元]ボタンを使用します。
- [フォント]ボタンをクリックします。
- [コマンド ライン ウィンドウのフォント]ダイアログ ボックスで、コマンド ウィンドウとテキスト ウィンドウに表示される文字の[フォント]、[フォント スタイル]、および[サイズ]オプションを変更します。

- [適用して閉じる]をクリックして、変更を保存します。
- [OK]をクリックしてすべての変更を保存し、[オプション]ダイアログ ボックスを閉じます。
次に、高さを変更してコマンド ウィンドウをドッキングする方法を説明します。
- コマンド ウィンドウの高さを変更する – 表示される行数を増減するには、カーソルをコマンド ウィンドウの上端に移動し、端を上下にドラッグします。

- 浮動時にコマンド ウィンドウの幅を変更する – コマンド ウィンドウの幅を増減するには、コマンド ウィンドウの右端にカーソルを移動し、右または左にドラッグします。

- コマンド ウィンドウをドッキングする – コマンド ウィンドウの左端のグリップ上でマウス ボタンをクリックしたまま、ウィンドウを作図ウィンドウの上端または下端の新しい位置にドラッグします。コマンド ウィンドウがドッキングされたら、マウス ボタンを放します。

FAQ: コマンド ウィンドウは、どこに消えたのですか?
コマンド ウィンドウに関するお客様からのフィードバックには、コマンド ウィンドウの消失に関する多くの質問がありました。多くの場合、表示解像度の切り替えの結果として、コマンド ウィンドウが誤って非表示になったり消失したりしていました。表示解像度を切り替えると、コマンド ウィンドウが画面外に表示され、新しい画面の範囲内で位置を変更するのが困難になります。
コマンド ウィンドウを再表示する方法を、箇条書きで説明します。解決方法には、簡単で煩わしいものから複雑で危険なものまでリストされています。
- コマンド ウィンドウの表示を切り替える - 次のいずれかを行います。
- リボンの
検索をクリックする
- [Ctrl]+[9]を押す
- コマンド プロンプトに対して、COMMANDLINE と入力する
- 現在のワークスペースを修正する - リボンのをクリックします。[ユーザ インタフェースをカスタマイズ]エディタで、[ワークスペース]ノードの下にある現在のワークスペースを選択します。現在のワークスペースは、名前の後ろに「(現在)」と表示されています。右側の[ワークスペースの内容]ペインで[パレット]ノードを開き、[コマンド ライン]を選択します。[プロパティ]ペインで、[表示]を[はい]に、[方向]を[下]に設定します。次に[適用]をクリックして変更を保存します。コマンド ウィンドウは作図ウィンドウの下辺に沿って浮動状態で表示されます。[表示]と[方向]を[変更不可]に戻して[OK]をクリックすると、既定の動作に戻ります。
- 現在の AutoCAD プロファイルをリセットする – コマンド プロンプトに対して OPTIONS と入力します。[オプション]ダイアログ ボックスの[プロファイル]タブで、リセットするユーザ プロファイルが現在に設定されていることを確認します。[書き出す]をクリックして、ユーザ プロファイルのコピーを安全な場所に保存します。[リセット]をクリックして[はい]をクリックし、AutoCAD ユーザ プロファイルをリセットします。
注: この手順を実行すると、すべてのカスタム設定がリセットされます。加えた変更をロールバックする方法はありませんが、最初にプロファイルを書き出しておくと、それを読み込んで以前の設定を復元することができます。
- AutoCAD プログラムをリセットする - をクリックします。画面に表示されるプロンプトに従います。
注: これらの手順を実行すると、AutoCAD プログラムのすべてのカスタム設定とファイルがリセットされます。実行する前に、必ず CAD 管理者に連絡し、カスタム設定とファイルをバックアップしてください。
コマンド ウィンドウの動作をコントロールする
特定のコマンドおよびシステム変数を設定することによって、コマンド ウィンドウおよびコマンド プロンプトに対して入力したコマンドの動作をコントロールすることができます。コマンド ウィンドウに関係するコマンドとシステム変数は次のとおりです。
| コマンド
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説明
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| COMMANDLINE[コマンド ライン表示]
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コマンド ウィンドウを表示します
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| COMMANDLINEHIDE[コマンド ライン非表示]
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コマンド ウィンドウを非表示にします
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| OPTIONS[オプション]
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プログラムの設定をカスタマイズします [表示]タブを使用して、コマンドライン ウィンドウで使用される色とフォントを変更します
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| -INPUTSEARCHOPTIONS[検索オプションを入力]
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コマンド、システム変数、名前の付いたオブジェクトのコマンド ライン入力候補リストの表示に関する設定をコントロールします
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| システム変数
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説 明
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既定値
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保存場所
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| CLIPROMPTUPDATE
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AutoLISP またはスクリプト ファイルの実行中に生成されたメッセージ、プロンプトをコマンド ラインに表示するかコントロールします
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1
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レジストリ
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| CMDDIA
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DIMEDIT[寸法編集]コマンドと QLEADER[クイック引出線記入]コマンドのインプレイス テキスト エディタの表示、および AutoCAD ベースの製品での特定のダイアログ ボックスの表示をコントロールします
|
1
|
レジストリ
|
| CMDECHO
|
AutoLISP の command 関数を実行中に、プロンプトとユーザ入力をエコーバック表示するかどうかをコントロールします
|
1
|
保存されません
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| CMDINPUTHISTORYMAX
|
コマンドのプロンプトで格納された直前の入力値の最大値を設定します
|
20
|
レジストリ
|
| DYNMODE
|
ダイナミック入力機能のオン/オフを切り替えます
|
3
|
レジストリ
|
| FILEDIA
|
ファイル選択ダイアログ ボックスの表示を禁止し、ファイル名が要求されたときにプロンプトを表示します
|
1
|
レジストリ
|
| INPUTHISTORYMODE
|
ユーザ入力履歴の内容と場所をコントロールします
|
15
|
レジストリ
|
| INPUTSEARCHDELAY
|
コマンド ライン入力候補リストの表示の遅延時間をミリ秒単位で設定します
|
300
|
レジストリ
|
AutoCAD と対話してコマンドを起動する方法は多数あります。前述のコマンドやシステム変数を使用してコマンド ウィンドウの動作を調整し、生産性を最大限向上させてください。これらのコマンドや一覧表示されているシステム変数でサポートされている値の詳細については、製品のオンライン ヘルプ システムを参照してください。