付録 A.6: 引数 #6: 破損前非線形性

(完全単位セル ミクロ構造を使用している織物複合材料には使用できません)

6 番目の引数は、破損前非線形性機能をアクティブまたは非アクティブにします。1 の値で破損前非線形性機能がアクティブになり、0 (ゼロ)の値では破損前非線形性機能が非アクティブになります。

破損前非線形性機能は、一般に極限破損の前に繊維強化複合材料に発生する非線形縦方向のせん断(軟化)応答を考慮することを目的としています。この追加形式の非線形性には、母材構成材料の縦方向せん断剛性に一連の個別の低減を強制することが含まれます( g12 supm および g13 supm )。これによって、複合材料の縦方向せん断剛性において、対応する一連の個別の低減が発生します( g12 supc および g13 subc )。具体的には、一方向材料には 3 つの個別の低減が適用され、縮小単位セルを使用している織物材料には 6 つの個別の低減が適用されます。縦方向せん断係数におけるこれらの個別の低減の強制は、母材構成破損の前に完了します。したがって、母材構成破損の前に、縦方向のせん断に軟化効果が発生します。

次のプロットは、一方向の炭素/エポキシ樹脂単層の場合の、測定された代表的な縦方向の応力/ひずみ曲線を示します。破損前非線形性機能は、4 セグメントの区分線形表現によってこのタイプの非線形縦方向せん断応答を近似します。

pre failure

織物複合材料の場合でも、類似したプロットを作成できます。この場合は、3 つの個別の低減が縦方向せん断剛性に適用されるのではなく、6 つの個別の低減が適用され、結果として、縦方向せん断応答の 7 セグメントの区分線形表現となります。

破損前非線形性機能の詳細については、「理論マニュアル」を参照してください。「付録 C」では、破損前非線形性をアクティブにした進行性破損解析で、SVAR1 が取ることができる離散値の詳細を記載しています。