非線形弾性繊維

大きな軸ひずみ下にある繊維の非線形の動作を捉えます。

通常、大きな軸ひずみを受けている場合、繊維の係数は非線形弾性を示します。軸方向の繊維ひずみが引張である場合、繊維は硬化する傾向にあり、軸方向の繊維ひずみが圧縮である場合、繊維は軟化する傾向があります。これら両方の動作は、*NONLINEAR FIBER キーワードによって捉えます。目的の材料が適切に識別されるように、このキーワードの前に *MATERIAL キーワードを配置する必要があります。

*NONLINEAR FIBER, ETAC=Compressive Knockdown Factor
GAMMA_1T, GAMMA_1C

ETAC と GAMMA_1C は相互に排他的なオプションです。

引張荷重に関しては、次の方程式を使用して、繊維(よって複合材料)の非線形弾性硬化を近似化します。

supf 57

ここで、

e110 supf は元の繊維の係数

gamma1 は非線形繊維パラメータ(GAMMA_1T)

eps11 supf は軸方向の繊維ひずみ(軸方向の複合材料ひずみに等しいと仮定)

圧縮荷重に関しては、ETAC を指定した場合、単純な関係を使用して係数の軟化を近似化します。

e11 supc57

ここで、

e110 subc は元の複合材料の係数

etac は複合材料の係数のノックダウン ファクター(ETAC)

GAMMA_1C を指定した圧縮荷重に関しては、次の方程式を使用して、繊維(よって複合材料)の非線形弾性軟化を近似化します。

e11 supc57v2

ここで、

e110 supf は元の繊維の係数

gamma 1c は圧縮の非線形繊維パラメータ(GAMMA_1C)

eps11 supf は軸方向の繊維ひずみ(軸方向の複合材料ひずみに等しいと仮定)

繊維の係数は、繊維破損が発生するまで非線形であると見なされます。繊維破損が発生すると、複合材料の剛性は一定を維持します。これは、その影響が無視できる程度であり、継続的に特性を更新することは、計算リソースを非効率的に使用することになるためです。

例として、次に示す *NONLINEAR FIBER キーワードの定義を検討します。これらを設定すると、ID 9002 の材料には、21.0 の非線形繊維パラメータ、および 0.75 の複合材料の係数のノックダウン ファクターが割り当てられます。下のプロットは、*NONLINEAR FIBER キーワードをアクティブ(非線形弾性)および非アクティブ(線形弾性)にした場合の、この材料の応力-ひずみ応答を示しています。

*MATERIAL, ID=9002
*NONLINEAR FIBER, ETAC=0.75
21.0

繊維非線形機能の詳細については、『理論マニュアル』を参照してください。

nlef ib fix

注: この機能は、織物材料ではサポートされていません。