静的荷重を受けた溶接ジョイント カリキュレータ

1. 標準計算手順

標準的な計算手順を使用して、計算された垂直応力、せん断応力、または結果の減少応力と許容応力とを直接比較することで、ジョイントの強さをチェックします。溶接ジョイントのタイプを見ることで、設計と荷重(つまり、かかる応力に関して)、強度チェックが次の式で定義できます。

σ σ Al , ττ Al , σ R σ Al

ここで、(必要な安全性に対する)溶接ジョイントの許容荷重の数式は次のとおりです。

s Al = S Y / n s or t Al = S Y / n s

許容応力の大きさは、必要な最小ジョイント安全性を考慮して、作用する応力の種類に依ります。たとえば、溶接ジョイントのタイプ、設計、荷重などです。

この方法は、溶接ジョイントの安全率の必要最小サイズを(タイプ、設計、および溶接荷重に応じて)正しく評価できる、経験のあるユーザー向けです。

2. 比較応力の方法

許容応力は、補助比較応力と比較されるもので、強度チェックがこの方式で実行される際に、溶接ジョイントの変換係数を使用して計算された部分的な応力によって決定します。強度チェックは、 S s Al の式で表すことができます。この場合、溶接ジョイントの許容荷重は s Al = S Y / n s となります。

経験的な変換係数を使用している一方で、溶接ジョイント安全率に対する別の応力タイプの効果が計算された比較応力に含まれています。選択した溶接ジョイントのタイプ、設計、荷重に関係なく、安全率の 1 つの値のみを使用するだけです。比較応力の方法による安全率の推奨最小値は、n S =< 1.25...2>の範囲です。

この方法は、経験のないユーザー向けです。

溶接ジョイント計算パラメータ

1. 合計対のど部(有効)溶接長さ

溶接のど部のサイズは、溶接ジョイントの強さに大きく影響します。一般的に、この値は溶接の長さと高さ(厚さ)の倍数になります。溶接の最初と最後に結果としてこの領域を少なくさせるためには、より正確な計算で対象領域ののど部長さの溶接部分のみを使用する方がよいでしょう。

溶接のど部の長さは、突合せ溶接の場合は g L' = L - 2s 、すみ肉溶接の場合は L' = L - 2a の式を使用して決定します。

ここで

 

s

溶接部分のうすさ

 

a

すみ肉溶接の高さ

すみ肉溶接ののど部(有効)長さの推奨サイズは、L' = < 3a...35a > の範囲です。

このスイッチは、全周溶接には効果がなく、のど部の溶接長さは常に溶接全体の長さです。

2. フランジとウェブの厚さを無視

すみ肉溶接に接続されている T または I 形断面の梁の計算では、フランジとウェブの厚さは無視します。標準的な断面では、フランジまたはウェブの厚さと梁の幅の比率は小さく、このような理由から厚さを無視しても計算が十分正確にできます。

正確な計算や特別な断面(フランジやウェブの厚みが大きい場合)に対して、この計算オプションをオフにすることを推奨します。

3. せん断応力の分散を考慮

すみ肉溶接によって結合されてせん断応力による荷重がある梁と、より正確な計算のために、荷重がかかる断面でせん断応力の分散の理論を使用し、計算でせん断応力がかかる溶接のみを考慮することを推奨します。この理論に基づいて、せん断応力は、応力方向に平行する溶接にのみかかることになります。せん断応力は、数式 t = F Y / A s で計算されます。ここで、

 

F y

せん断応力

 

A s

減少した溶接グループののど部

4. 曲げモーメントから正の応力値のみを考慮

すみ肉溶接によって結合され、曲げモーメントの荷重がかかる梁では、垂直応力が溶接で生じます。次の図は、応力図のイメージです。

最大応力は、溶接グループの外側の点から発生し、中間の軸から最も遠いところにあります。中間の軸から対称の溶接に対して、これらの応力のサイズは同じになります。非対称の溶接の場合、圧縮力はより大きくなります。通常、プログラムでは、応力の方向に関係なく、強さのチェック中にこれらのピークの大きい方の値(この場合圧縮力)をテストします。

溶接ジョイントの荷重容量を考慮する場合、引張応力は、そのような溶接された梁に対して非常に重要な要素となります。このスイッチは、圧縮力チェックを省略していて、圧縮力が溶接でより大きくなっていても、最大引張応力値のみをチェックするようになっています。

このスイッチは、静的な計算にのみ適用可能です。というのも、疲れの計算の値が正でも負でも違いがなく、計算は常に溶接の最大応力で制御されるからです。