プロジェクトのライブラリの概要

ライブラリとは、関連するデータ ファイルを集めたものです。これらのファイルは参照用であり、通常変更することはありません。

たとえば、リリースしたデータ セット、頻繁に使用するコンポーネントのセット、iPart ファクトリ パーツ、標準パーツなどです。ライブラリは、他のデータ ファイルと区別するために一意の名前を持つフォルダに格納されます。1 つのライブラリを、任意の数のプロジェクトで使用することができます。ライブラリには、使用するファイルのみを含めることも、また使用するかどうかが不明なファイルを格納しておくこともできます。

プロジェクト ファイルのライブラリを右クリックして表示されるメニュー オプションを使用すると、フォルダを参照できます。フォルダをライブラリとして指定することで、そのファイルを Inventor で編集できないようにすることができます。Microsoft Windows エクスプローラで、ライブラリ フォルダとファイルを読み取り専用に設定します。

ライブラリ ファイル名

ライブラリ ファイルの参照には、ライブラリ名と、ライブラリ フォルダから参照元ファイルに対する相対パスが含まれます。ライブラリ参照を解決するときには、指定したライブラリのみが検索されます。異なるフォルダや異なるライブラリにあるパーツであっても、可能な限りファイル名が重複しないようにしてください。ただし、参照パーツが最初に作成される場所やそれらの命名方法が管理下にない場合は、異なるライブラリにある複数のファイルの名前が同じになる可能性があります。このような場合でも、Inventor は検索対象とするライブラリを識別できるため、参照を解決できます。

複数の設計作業グループでライブラリを共有する

設計ワークグループのメンバーが共通のプロジェクトを共有して、個々のプロジェクトでライブラリの名前とパスを設定することができます。

  1. 管理者が共通のプロジェクトを作成し、そこにライブラリ パスを含めます。
  2. チームの各メンバは、その共通のプロジェクトをテンプレートにしてパーソナル プロジェクトを作成します。

    プロジェクト エディタを使用してプロジェクトを作成する場合は、共通のプロジェクトを選択してから[新規作成]をクリックします。既定では、ウィザードで作成したプロジェクトは、選択したプロジェクトをテンプレートとして使用し、同じライブラリ定義が含まれます。

プロジェクト用のライブラリの種類

プロジェクトには、次の各種ライブラリを含めることができます。

標準コンテンツ ライブラリ

Inventor のパーツおよびコンポーネントのライブラリには、以下のものを設定します。

  • Inventor コンテンツ ライブラリ
  • サードパーティ コンポーネント
  • 色やテクスチャなど、社内で共通に使用されるコンポーネントやその他の設計要素のコレクション

iPart ファクトリ

指定したパラメータに基づいてパーツのインスタンスを生成する Inventor の iPart を格納しています。

プロジェクト ファイルに、iPart ファクトリのパーツ ファイルを保存するフォルダと、それに対応するプロキシ フォルダの両方にライブラリを定義します。

プロジェクトにライブラリを追加すると、アセンブリに iPart を追加できます。

  • ライブラリ フォルダに iPart ファクトリを配置することができます。生成したパーツは、関連付けられたプロキシ ライブラリに保存されます。2 つのライブラリ フォルダには同じ名前が付けられますが、プロキシ ライブラリには先頭にアンダーバー(_)が付きます。
  • ファクトリが、新しいファイルを iPart プロキシ ライブラリで作成するため、iPart プロキシ ライブラリは読み取り専用に設定しないでください。

マテリアル ライブラリおよび外観ライブラリ

マテリアル ライブラリおよび外観ライブラリにプロジェクトからアクセスできるようにするには、それらのライブラリをプロジェクト ファイルで指定する必要があります。最低 1 つのライブラリが必要です。インストールされたライブラリは、[マテリアル ライブラリおよび外観ライブラリ]右クリック メニューから復元することができます。マテリアル ライブラリおよび外観ライブラリは Inventor スタイルとは別個に管理されるため、スタイル ライブラリ マネージャは使用しないでください

スタイル ライブラリ

スタイル XML ファイルを、デザイン データ フォルダから、すべてのチーム メンバーがアクセスできる共有場所にコピーまたは移動します。または、スタイル ライブラリ マネージャ ユーティリティを使用して、新規のスタイル ライブラリを生成することもできます。

注: これを行うことで、あるプロジェクトから作成されたスタイルを、同じスタイル ライブラリを使用する別のプロジェクトで使用できるようになります。

プロキシ ライブラリ

プロキシ ライブラリを使用すると、プロジェクトのカスタム設計ファイルを、購入したコンポーネントや再利用したコンポーネントと分けて保管できます。

  • ライブラリを移動する場合、各ファイルのすべての参照を変更するのではなく、そのプロジェクト ファイルの 1 行のみを変更します。
  • ファイルの解決は、プロキシ ライブラリを使用するとより高速に実行できます。
  • ライブラリにはファイル名の一部としてライブラリ名が含まれるため、ライブラリ パーツを使用すると、ファイル解決がより高速化されます。

他の設計セット

他の設計セットは、次の設計セットの全体または一部として使用することができます。

  • リリース済みの設計。パーツは変更できません。
  • サード パーティから購入した、変更不可のアセンブリやコンポーネント。
  • 開発中の別のチームのプロジェクト。参照のみが可能です。