これらのオプションは、設定後、変更されるまでダイナミック シミュレーションの動作に影響を及ぼします。オプションの設定は、[ダイナミック シミュレーション]を開いた直後に行います。
既定はオンです。
[OK]をクリックすると、CRE は自動的に アセンブリ拘束 を標準ジョイントに変換し、次回この機構を開いたときに、変換されたジョイントを更新します。
これは新しい機構では既定ですが、バージョン 2008 以前に作成された機構では既定でオンにはなりません。このオプションをオンにすると、機構が過剰に拘束されている場合、[OK]をクリックしたときに、標準ジョイントの自動作成前にメッセージが表示されます。
これは、出力グラフに 0 から始まる可変プロットを表示するのに便利です。
この設定は既定です。
この機能により、FEA に関連するデータが、選択したパーツのパーツ ファイルに保存されます。
この機能により、FEA に関連するデータが、ANSYS で読み取り可能なファイルに保存されます。
既存のファイルを選択した場合は、ファイル内の現在のデータがすべて上書きされます。
ただし、出力の単位は、空のアセンブリ ファイルを選択したときに指定した単位になります。
既定では、Z 軸のサイズは境界領域の対角線の 20 % になります。
どちらでも設定は保存されますが、[OK]をクリックした場合は同時にこのダイアログ ボックスが閉じます。
このオプションは、小質量プロパティを持つ機構で使えるように設計されています。
標準モードでは、質量または慣性が 1e-10kg 未満または 1e-16 kg.m2 未満の場合、計算に失敗します。その場合、動的方程式はガウス プロシージャで解が求められ、精度が 1e-10 に設定されます(この値未満では、ピボットが 0 に設定されます)。
[マイクロ メカニズム モデル]がアクティブになっているときは、質量または慣性が 1e-20 kg および 1e-32 kg.m2 より大きい値である必要があります。ガウス精度は 1e-32 に設定されます。
このオプションをどのような場合に使用したらよいかを判断するには、ジョイント座標系にある質量プロパティをチェックします。
例 1 |
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最小パーツの質量 m = 6.5e-9 kg、主慣性 Ixx = 1e-20 kg/m2、Iyy = 1e-20 kg.m2 (ただし、Izz >慣性限度 = 1e-10 kg.m2)である機構があるとします。 | |
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閉じたループと 2D 接触の場合にのみ適用可能です。
2D 接触: 接触点間でオーソライズされた最大距離を定義します。既定値は 1e-6m = 1μm です。
閉じたループ: 2D 接触と同じですが、ジョイント タイプに応じた角度拘束(表記単位: ラジアン)も含めることができます。
アセンブリ精度の修正
アセンブリ精度パラメータの修正が推奨されるのは、次の場合です。
動的方程式は、5 次のルンゲ クッタ積分スキームを使用して積分されます。積分誤差とタイム ステップは、確実に受け入れられるように、次のように管理されています。
積分誤差は、ルンゲ クッタ公式の特定のプロパティを使用して推定されます。これにより、位置 p と速度 v を 5 次(各べクトル表記は p5 および v5)、および 4 次(べクトル表記は p4 および v4)まで簡単に計算できます。さらに、位置と速度に対しては、積分誤差を次式のように定義します。
Integ_error_position = norm(p5 - p4) Integ_error_velocity = norm(v5 - v4) ここで、norm は特別なノルムを示します。 |
手順が受け入れられた場合、次の関係が存在します(メートル単位)。
Integ_error_position = norm(p5 - p4) < Atol + | p5 | Rtol Integ_error_velocity = norm(v5 - v4) < Atol + | v5 | Rtol |
ここで
Atol | Rtol | |
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移動自由度 |
ソルバ精度 既定 = 1e-6 最大値なし |
ソルバ精度 既定 = 1e-6 最大値なし |
回転自由度 |
ソルバ精度1e3 既定 = 1e-3 最大値 = 1e-2 |
ソルバ精度1e3 既定 = 1e-3 最大値 = 1e-2 |
このプロセスを例証するために、次の例を考察しましょう。
例 1: 相対誤差 Rtol の例証 |
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ジョイント タイプ: 位置と速度を持つスライダ ジョイント 1 |
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p[1] = 4529.289768 m v[1] = 18.45687455 m/s |
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ソルバ精度が 1e-6(既定)に設定されている場合、計算結果は 6 桁まで保証されます。 |
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p[1] = 4529.28 m v[1] = 18.4568 m/s |
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ソルバ精度が 1e-8 に設定されている場合、8 桁が保証されます。 |
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p[1] = 4529.2897 m v[1] = 18.456874 m/s |
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例 2: Atol の相対誤差の例証 |
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ジョイント タイプ: 位置と速度を持つスライダ ジョイント 1 |
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p[1] = 0.000024557 m v[1] = 0.005896476 m/s |
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ソルバ精度が 1e-6 (既定)に設定されている場合、計算結果は小数点以下 6 桁まで保証されます。 |
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p[1] = 0.000024 m v[1] = 0.005896 m/s |
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ソルバ精度が 1e-8 に設定されている場合、小数点以下 8 桁が保証されます。 |
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p[1] = 0.00002455 m v[1] = 0.00589647 m/s |
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同じ推論はピン ジョイントに対しても有効です。ただし、Atol および Rtol には、1e3 を掛けた同等なソルバ精度が適用されます。 | |
例 3: Rtol の相対誤差の例証 |
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ジョイント タイプ: 位置と速度を持つピン ジョイント 2 |
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p[2] = 12.53214221 rad v[2] = 21.36589547 rad/s |
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ソルバ精度が 1e-6 (既定)に設定されている場合、計算結果は 3 桁まで保証されます。 |
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p[2] = 12.5 rad v[2] = 21.3 rad/s |
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ソルバ精度が 1e-8 に設定されている場合、5 桁が保証されます。 |
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p[2] = 12.532 rad v[2] = 21.365 rad/s |
ソルバ精度パラメータの修正が推奨されるのは、次の場合です。
このパラメータは、オブジェクト間の衝撃シミュレーションに使用されます。このパラメータは、接触が一定になる前に発生する小さな跳ね返りの数を、ソルバが制限する上で役立ちます。衝撃モデルでは反発係数 e が使用されます。値はユーザが指定します。値の範囲は、0 ~ 1 です。計算結果の条件における値の取り扱いは、次のとおりです。
キャプチャ速度パラメータは、接触がアクティブつまり一定になる前に発生する小さな跳ね返りの数を、ソルバが制限する上で役立ちます。キャプチャ プロセスは、次のとおりです。
パラメータの修正が推奨されるケース
このパラメータの修正が推奨されるのは、次の場合です。
2D 接触には、実際の非線形クーロン摩擦則が使用されています。ジョイントおよび 3D 接触において、簡略化を図るとともに超弾性条件を回避する目的から使用されているのが正則化クーロン摩擦則であり、次のように例証できます。
正則化は、速度正則化パラメータによって駆動されます。
固定接触(または回転接触)のケースでは、このモデルを使用した場合、相対接線速度がゼロに等しいと接線荷重が null になります。
回転自由度におけるジョイント摩擦のケースでは、接線力が接線方向のトルク(単位: nm)で置換され、接線方向の相対速度は回転速度(単位: rad/s)になります。両方とも、接線力を乗算し、移動速度をジョイント半径で除算して、計算されます。
例 1 |
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半径 10 mm のピン ジョイントを、10 rad/s と等価な一定速度 w で操縦します。20 N と等価な力(Fn)をジョイントの回転軸に垂直に適用し、摩擦係数(μ)を 0.1 に設定します。 この場合、ジョイントにおける摩擦トルク(Uf)の計算は、次式のようになります。 |
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? = r * w = 0.01 * 10 = 0.1 m/s ? > 調整速度 = 0.001 m/s => Uf = -mu * r * Fn = -0.1 * 0.01 * 20 = -0.02 Nm 正則化クーロン グラフの tag 1 を参照してください。 |
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例 2 |
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ここでも同じ例を使用しますが、速度(w)が 0.05rad/s の場合、摩擦トルク(Uf)は次式で求められます。 |
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? = r * w = 0.01 * 0.05 = 0.0005 m/sm ? > 調整速度 = 0.001 m/s => Uf ≈ -mu * r * Fn/2 = -0.1 * 0.01 * 20/2 = -0.01 Nm 正則化クーロン グラフの tag 2 を参照してください。 |
調整速度パラメータの修正が推奨されるのは、次の場合です。
シミュレーション結果を解析する前に、シミュレーションが数値的に有効(数値パラメータへの感度が低い)かどうかを確認することが大切です。数値検証手順を実施するには、次の作業を行います。