溶接環境の概要

溶接モデルを作成するには、溶接固有のコマンドとアセンブリ コマンドの組み合わせを使用するか、アセンブリ モデルを溶接に変換します。

溶接アセンブリ設計は、アセンブリ モデリング環境を拡張したものです。溶接は 2 つの方法で作成することができます。溶接環境では、溶接固有のコマンドとアセンブリ コマンドを組み合わせて使用します。アセンブリ環境では、アセンブリを溶接に変換します。この場合、変換後に溶接固有の設計意図を追加します。

アセンブリ溶接では、アセンブリを作成し、オプションとしてアセンブリ フィーチャを追加して溶接用にモデルを準備し、ビード ソリッド フィーチャまたはビード線フィーチャのいずれかの溶接を追加し、さらに最終機械加工のためのアセンブリ フィーチャを追加します。溶接モデルが完成したら、すべてのパーツとフィーチャを 1 つのアセンブリ ファイルに保存します。これが溶接と呼ばれるものです。

詳細な溶接記号やビード ソリッドの注記などの溶接に関する全情報は、図面上で自動的に修復されます。溶接の作成方法に応じて、溶接のさまざまな状態を表す図面を作成することもできます。

溶接アセンブリを作成する

溶接アセンブリは次の 2 つの方法で作成します。

アセンブリを溶接として指定すると、[溶接]タブとブラウザが使用可能になり、既定の溶接テンプレートが適用されます。アセンブリから変換した場合は、テンプレートは適用されません。

注: いったんアセンブリを溶接に変換すると、元の通常のアセンブリに戻すことはできません。

溶接環境で実行するタスク

アセンブリ環境を拡張した溶接環境では、アセンブリ環境に含まれるすべてのタスクに加えて、溶接固有のタスクも使用できます。

溶接環境は以下の目的で使用します。

アセンブリと溶接アセンブリの相違点

溶接ファイルを作成または開くと、溶接環境に移行します。溶接環境には、アセンブリ環境と同じフィーチャとコマンドがすべて含まれています。また、溶接の機械加工プロセスに最適なコマンドもあります。これらのコマンドを使用すると、アセンブリ フィーチャを 3 つのグループに分類して操作することができます。オプションとしてビード線、すみ肉溶接、または開先溶接を作成して、モデルのジオメトリに関連付けることができます。溶接フィーチャ グループには、準備フィーチャ、溶接ビード フィーチャ、および溶接後の機械加工フィーチャがあります。

アセンブリ ファイルを作成したり、開く場合は、アセンブリ環境で行います。アセンブリ環境では、アセンブリ フィーチャを作成することができます。これらを溶接フィーチャ グループに集めることはできません。これは、溶接のさまざまな状態を表す図面の作成をサポートするものです。

重要: アセンブリ フィーチャを作成したで、溶接ビードを追加するときに、サブアセンブリから溶接ビードを選択して最上位アセンブリのアセンブリ フィーチャに交差コンポーネントとして追加することができます。

溶接アセンブリを他のアセンブリに配置する

溶接は、他のコンポーネントと同様に、アセンブリ、サブアセンブリ、またはアセンブリ溶接に配置できます。[コンポーネント配置]コマンドを使用して、溶接を選択して開き、グラフィックス ウィンドウに配置します。

いったん配置すると、最初にサブ溶接をアクティブにすることによって、溶接フィーチャ グループの編集、表示設定の変更、および個々のフィーチャの省略を実行できます。

派生した溶接アセンブリ

溶接は、通常のアセンブリと同様に派生可能です。溶接ビードも[ボディ]タブで派生可能です。すべての溶接ビードはまとめて派生されます。個別に派生することはできません。

溶接ビードのタイプ

モデルでエッジまたはループを選択して、ビード線(2D ワイヤと 3D ワイヤ)を作成します。これは効率的で軽量なリプレゼンテーションです。[ファイル] [iProperty] [物理プロパティ] [ビード線を含む]の順に選択することで、物理プロパティにビード線を含めるか除外するかを指定できます。[終端範囲(平行)]を指定してビード線をトリムできます。

すみ肉溶接(3D ソリッド)は、2 つ以上のコンポーネント間に物理的なギャップが存在しない場合に広く使用されています。すみ肉溶接は、接触していない複数のコンポーネント間のギャップを橋渡しすることもできます。ギャップが存在する場合、すみ肉溶接はギャップを橋渡ししますが、開口部は貫通しません。ピッチ、長さ、ビードの数のパラメータを使用して、断続すみ肉溶接を作成できます。[凸形]、[凹形]、[フラット コンター]オプションを選択して、溶接のプロセス形状(コンター)をコントロールできます。溶接がエッジで開始または終了していない場合は、[開始-長さ]を選択して、オフセット距離と長さの値を指定します。アセンブリの作業平面または平面ジオメトリを使用して[終端範囲(平行のみ)]を指定することにより、すみ肉溶接ビードの開始位置と終了位置を決定することもできます。

開先溶接(3D ソリッド)は、コンポーネントが隙間(ギャップ)によって分離している場合に便利です。面セットの一方または両方で[全面]オプションがオフになっている場合は、埋める方向を指定するか、または[放射状に埋める]オプションを選択します。[塗り潰し方向]の選択を使用すると、開先溶接の面セットどうしを投影して開先溶接のビード線で接続する方向を指定できます。方向の選択が必要ない場合は、[放射状に埋める]を使用します。[内部ループを無視]オプションを使用して、内部ループの内側に溶接を配置するかしないかをコントロールします。[面をチェーン]オプションを使用すると、接面の選択が容易になります。

溶接を正しく作成するには、すみ肉溶接と開先溶接の組み合わせが必要な場合もあります。

[エンド フィル]コマンドを使用して、エンド フィルとする面を指定できます。