ファイルまたはテンプレートで iProperty を使用するには

新機能の紹介: 2020.12021.12022

Inventor の各ファイルには、iProperty と呼ばれる 1 組のプロパティが含まれています。ファイルに複数のモデル状態がある場合、各モデル状態には固有の iProperty があります。

モデル状態を作成する場合は、編集範囲のステータスを把握することが重要です。[メンバ範囲を編集]が有効になっている場合、iProperty を変更すると、アクティブなメンバにのみ適用されます。[ファクトリ範囲を編集]が有効になっている場合、iProperty を変更すると、すべてのメンバに適用されます。

ブラウザで[メンバ範囲を編集]と[ファクトリ範囲を編集]を切り替えるには、[モデル状態]ブラウザ エントリの上部にある鉛筆アイコンをクリックします。

iProperty を使用すると、ファイルの分類、管理や検索、レポートの作成を行ったり、図面内の表題欄やパーツ一覧とアセンブリ内の部品表の更新を自動的に実行できます。ファイルを検索するときには、iProperty が使用されます。

ヒント: スペル チェックを有効にすると([アプリケーション オプション]ダイアログ ボックス/[一般]タブ)、[iProperty]ダイアログ ボックスの任意のテキスト フィールドへの入力時に自動的にスペルがチェックされます。

Inventor の外部から(たとえばファイル エクスプローラから)アクセスすると、[iProperty]ダイアログ ボックスでのスペル チェックは無効になります。

ファイルまたはテンプレートの iProperty を設定する

  1. 次のいずれかの方法で[iProperty]ダイアログ ボックスを開きます。
    • [ファイル] [iProperty]をクリックして、アクティブ ファイルまたはモデル状態の[プロパティ]ダイアログ ボックスを表示します。
    • ブラウザで参照ファイルを右クリックし、[iProperty]を選択して、アクティブなモデル状態の[iProperty]ダイアログ ボックスを表示します。
    • モデル状態をアクティブにし、ブラウザで[モデル状態]を右クリックすると、アクティブなモデル状態の[iProperty]ダイアログ ボックスが表示されます。
    • ブラウザで複数のファイルを選択して右クリックし、[iProperty]を選択して[iProperty]ダイアログ ボックスを表示します。
    • [ファイル] [管理] [Design Assistant]を選択して Design Assistant を開きます。
    • Design Assistant で、[ファイル] [ファイルを開く]または[フォルダを開く]を選択します。ブラウザのファイル名を右クリックし、[iProperty]を選択します。
  2. [プロパティ]ダイアログ ボックスの[概要]、[プロジェクト]、[ステータス]、または[カスタム]のタブをクリックして、使用するプロパティの値を設定します。

    これらのタブの設定のみが、ファイルの検索や、部品表、パーツ一覧、その他の情報の更新に使用されます。

注: ファイルの種類やダイアログ ボックスを開いた方法により、その他のタブが表示されることもあります。

Design Assistant を使用して iProperty を変更する前に、開いている Autodesk Inventor のファイルをすべて保存してください。

iProperty を図面にコピーする

モデル iProperty の値は図面にコピーできます。iProperty を図面テンプレートにコピーした場合、このテンプレートから作成した図面で iProperty を使用できます。

  1. 図面を開き、[ツール]タブ [オプション]パネル [ドキュメントの設定]の順にクリックします。
  2. [ドキュメントの設定]ダイアログ ボックスの[図面]タブで、[モデル iProperty 設定をコピー]をクリックします。
  3. [モデル iProperty 設定をコピー]ダイアログ ボックスで、[モデル iProperty をコピー]を選択し、図面にコピーする iProperty を選択します。
  4. [OK]をクリックし、[モデル iProperty 設定をコピー]ダイアログ ボックスを閉じます。
  5. [適用]をクリックして[OK]をクリックし、ドキュメント設定を保存して[ドキュメントの設定]ダイアログ ボックスを閉じます。

最初の図面ビューを配置すると、選択した iProperty が参照も出る ファイルから図面にコピーされ、既存の iProperty が上書きされます。

注: モデル iProperty は、ソース モデルを基にコピーおよび更新されます。ソース モデルは、常に最初の図面シートにある最初の図面ビューの最上位モデルです。
ヒント: コピーした iProperty は関連付けられていないため、ソース ファイルが更新されても更新されません。[更新][コピーしたモデル iProperty を更新]をクリックして図面内の iProperty を更新します。

iProperty に関する式を作成または編集する

文字種の iProperty に関する式は、[プロパティ]ダイアログ ボックスで作成、編集できます。式には、カスタム テキスト、および括弧で囲まれたパラメータと iProperty の名前が含まれます。式の評価時に、パラメータと iProperty の名前はパラメータと iProperty の値に置換されます。式を含んでいる iProperty フィールドは式アイコンでマークされ、ツールチップに現在の式が表示されます。

注: 式は、文字種の iProperty に関してのみ作成されます。式は数学的には評価されず、数または日付の iProperty には使用されません。

[プロパティ]ダイアログ ボックスには、iProperty のエントリと iProperty の式で評価された値が表示されます。式を含む iProperty フィールドは式アイコンでマークされます。その iProperty フィールドにマウス ポインタを移動させると、ツールチップに実際の式が表示されます。

  1. 次のいずれかの方法で[iProperty]ダイアログ ボックスを開きます。
    • [ファイル] [iProperty]をクリックしてアクティブ ファイルの[プロパティ]ダイアログ ボックスを表示します。
    • ブラウザ内の参照ファイルを右クリックして[プロパティ]を選択し、[プロパティ]ダイアログ ボックスを表示します。
    • モデル ブラウザでパーツ、アセンブリ、または図面を右クリックして、[iProperty]を選択します。
  2. [プロパティ]ダイアログ ボックスで、[概要]タブ、[プロジェクト]タブ、[ステータス]タブ、または[カスタム]タブを開き、式を作成するフィールドをクリックします。
    • 既存の式を編集するには、そのフィールドを右クリックして[式を編集]を選択します。式の編集が可能な場合、等号記号が表示されます。
  3. 等号記号が表示されない場合は挿入してから、式を作成または修正します。パラメータと iProperty のそれぞれの名前は括弧で囲みます。
    • 式の例:

      =DIN1026 - U 140 x <G_L>

  4. 作成した式は、[適用]をクリックするか[Enter]を押すと評価されます。
    • G_L = “XYZ” の場合の例の式の評価:

      DIN1026 - U 140 x XYZ

注: iPart、iAssembly、およびコンテンツ センターでは、Properties に保存した式が無視されます。

ヒント:

重要: 「フラット パターンの長さ」、「フラット パターンの幅」、「フラット パターンの面積」の各値の単位は、[ドキュメントの設定]で異なる値を指定した場合でも、センチメートル単位のみが優先されます。フラット パターンの単位をセンチメートル以外の単位に変更するには、[iProperty]ダイアログ ボックスの[カスタム]タブで、以下の文字列を使用し、別の単位を指定する必要があります。
  • =<シート メタルの長さ>
  • =<シート メタルの幅>
  • =<シート メタルの面積>

フラット パターンの単位をセンチメートル以外にするには、まず、フラット パターンを持つシート メタル パーツを作成し、次に、[iProperty]ダイアログ ボックスの[カスタム]タブでシート メタル式を作成する必要があります。たとえば、次のいずれかを入力します。

  1. [ドキュメントの設定]ダイアログ ボックスの[単位]で、必要な既定の単位を指定します。
  2. [カスタム]タブの[値]タブに「=<シート メタルの長さ>」と入力します。
  3. [追加]をクリックします。
  4. [iProperty]ダイアログ ボックスの[カスタム]タブをいったん閉じてから再び開きます。

    値が表示されます。

注: iLogic ルールを作成してフラット パターンのカスタム単位を作成することもできます。

インスタンス プロパティは、親アセンブリに保存されている個々のコンポーネント インスタンスに割り当てられるプロパティです。iProperty とは異なり、インスタンス プロパティは参照コンポーネント ファイルに影響しません。インスタンス プロパティの値は、カスタム iProperty の値よりも優先順位が高くなります。カスタム iProperty が存在し、同じ名前のインスタンス プロパティを作成する場合、カスタム iProperty をカバーするインスタンス プロパティが作成されます。インスタンス プロパティの使用方法については、「インスタンス プロパティを使用するには」を参照してください。