シミュレーションの一般的な警告とエラー

シミュレーションを実行したときに発生するいくつかの警告とエラーおよびその解決方法を次の一覧に示します。メッセージに関連付けられている[警告] および[エラー] アイコンは、それぞれ、プロセスを修正せずに処理できるかできないかを示します。

エラー メッセージと警告メッセージが別個のダイアログ ボックスおよびブラウザのステータス フォルダに表示されます。

エラー メッセージ はモデル内の重大なエラーを示しており、シミュレーションを実行することができません。結果を得ることはできません。シミュレーションを実行するためには、そのようなエラーを修正する必要があります。たとえば、「拘束が定義されていません。」というエラーは、モデルに拘束を定義していないことを示し、拘束を定義せずに先に進むことはできません。フレーム モデルに拘束を割り当てます。

警告メッセージ は、フレーム モデル内の何らかの問題を示します。その問題はシミュレーションを停止するほど重大なものではなく、結果は得られます。ただし、モデル内のエラーが原因で結果が無効である可能性が高くなります。たとえば、シミュレーションを実行すると、「独立したノードが見つかりました。」という警告メッセージが表示されます。フレーム モデルには、計算要素や構造オブジェクトに関連付けられていないノードが含まれます。シミュレーションの結果は影響を受け、無効になります。正しい解析結果を得るために、表示されている警告を解決することをお勧めします。

エラー メッセージや警告メッセージが表示されないときの結果は、正確なものになります。

注: 計算の誤差を最小限に抑えるには、静解析で、[フレーム解析設定]ダイアログ ボックスの[ソルバ]タブの[DSC アルゴリズム(梁リリース)]オプションを選択します。
荷重が定義されていません。

荷重をモデルに適用して、適切な境界条件をシミュレーションします。

拘束が定義されていません。

拘束をモデルに適用して、適切な境界条件をシミュレーションします。

いくつかの材料が正しく定義されていません。

パーツの材料の状態を表示するには、[材料を割り当て]をクリックします。シミュレーション環境で材料オーバーライドを適用するか、モデル環境に戻って材料を適切なパーツに割り当てます。

フレーム メンバはアセンブリ内に見つかりませんでした。

フレーム解析を実行するために、フレーム ジェネレータ ツールを使用して、アセンブリにフレームを追加します。

ノード XY が不安定であること(タイプ 1)が検出されました。

剛性マトリクスの対角線上に値が 0 の要素があります。

構造のパーツが機構であるときに、構造の機械的な不安定さによって引き起こされます(リリースが多すぎる、リリースの定義が正確でない、拘束の数、タイプ、位置が適切でない)

ノード XY が不安定であること(タイプ 2)が検出されました。

反転された剛性マトリクスの対角線上に値が 0 の要素があります。

構造のパーツが機構であるときに、構造の機械的な不安定さによって引き起こされます(リリースが多すぎる、リリースの定義が正確でない、拘束の数、タイプ、位置が適切でない)

ノード XY が不安定であること(タイプ 3)が検出されました。

反転された剛性マトリクスの対角線上の最大値の最小値の間の比率が疑わしいほど高くなっています。

一部の要素の断面プロファイルに大きな差異があるときや、異常に短い要素が存在するときに発生します。

バーの重なり

アセンブリ内の梁が部分的に重なっているか、同じ場所に配置されています。バーの重なりは、モデルの変換中やシミュレーション中には許可されません。

エラーを解決するには、アセンブリ内の梁のいずれかを削除または移動します。

分離構造

構造モデルが 2 つ以上の別個のパーツから構成されるときに発生します。計算上の障害にはならず、正しい結果が得られます。

意図したモデリング効果であるかどうかが警告メッセージとして表示されます。

選択表示されたノードが見つかりました。

追加属性のある選択表示されたノードが見つかりました。

モデルに計算要素や構造オブジェクトに関連付けられていないノードが含まれるときに発生します。ノードに拘束や荷重などの属性が含まれている場合、この属性は計算モデルに影響しません。

必要なモード数が多すぎます。

モデル解析で必要な自由振動モードの数が、動的自由度の数よりも多くなっています。この問題は、通常、拘束が多すぎるかモデルの質量が不足していることによって発生します。計算される振動回数は、動的自由度の数まで減少します。

マトリクスが正の値ではありません。臨界荷重を超えた可能性があります。

構造に加えられた荷重が臨界荷重の値を超えています。構造が不安定な領域にあります。

固有値解析エラー: 質量マトリクスが正の値ではありません。

固有値解析の計算ができません。固有値が負の値です。この種の問題は、不安定な機構の正しくないモデルで発生します。

非線形の問題の収束

非線形の問題の計算では、最大荷重を等しい増分(既定では 5)に加えることが想定されます。各増分の解は反復計算されます。解が見つからない場合、処理が発散され、荷重の増分は自動的に減少します。最大荷重に達することなく想定された手順数を超えた場合は、収束の欠如が報告されます。結果は不完全な荷重となります。

収束を向上させるために、非線形の場合の次のパラメータを変更できます。

  • 各反復後の剛性マトリクスの実現(完全な Newton-Raphson 法)
  • 荷重増分または反復の数の増加
  • 解の公差の減少

弾性リリースまたは非線形リリースを使用する際は、DSC 要素を使用する必要があります。

リリースされた方向が含まれる構造の動的解析と非線形解析の場合は、「DSC アルゴリズム」の使用をお勧めします。

DSC アルゴリズムでは、リリースされた要素ノードの代わりに、非表示で長さが 0 の 2 ノード梁要素が使用されます。これは剛性マトリクスの静的縮約の代替解法で、線形解析の一般的な問題の適切な解法となります。DSC 要素を使用すると、非線形解析の収束が向上し、弾性リリースが出現した場合の固有値解析で正確な結果が得られます。