ボルト締結の固定強度 σ e または τ e における修正耐久限度は、選択されたタイプ、設計、材料、ジョイント荷重について次の計算式から決定されます。
σ e = σ' e k a k b k c k d k e k f [MPa、psi]
ここで
σ' e |
選択した材料からのテスト棒の基本耐久限度[MPa, psi] |
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k a |
表面係数[-] |
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k b |
サイズ係数[-] |
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k c |
信頼度係数[-] |
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k d |
操作温度係数[-] |
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k e |
修正応力集中係数[-] |
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k f |
その他の影響係数[-] |
1. 基本耐久限度 σ' e
選択した溶接ジョイントの材料テストについて利用できる結果を持っておらず基本耐久限度の正確な値がわからない場合、この値を推定することができます。計算では、次の実験式を使用して基本耐久限度を設計します。
σ' e ≈ 0.5 S U - 逆方向の曲げの場合
σ' e ≈ 0.4 S U - 逆方向のトラクション - 圧力の場合
σ' e ≈ 0.28 S U - 逆方向のねじり(せん断)の場合
S u |
最大引張強さ [MPa, psi] |
2. 表面係数 k a
表面品質に対する耐久限度の依存性を表すように、表面品質が向上するとともに疲労荷重部分の疲労強度が増加します。この効果は、高品質の材料でより特徴的です。実験に基づく曲線を使用して、材料の強さとさまざまに機械加工された表面に応じて、耐久限度の表面品質の効果を表すことができます。
標準品質の溶接ジョイントに対する次の曲線は、ka 係数決定に使用されます。
3. 寸法係数 k b
ジョイント サイズは、反対方向のトラクション - 圧力で荷重を受けた溶接ジョイントの疲労強度に影響しません。したがって、このタイプの荷重の寸法係数は k b = 1 です。
ジョイントが反対方向の曲げまたはねじれ(せん断)で荷重を受けている場合、ジョイント サイズは疲労強度に大きく影響する可能性があります。ジョイント寸法が増えると強さが低下します。
溶接サイズとジョイント疲労強度との正確な関係を決定するには、指定した溶接ジョイントの複雑な疲れの実験テストを実行する以外ありません。それは事実上不可能です。従って、簡略化された理論的なやり方で行います。このやり方は、さまざまな直径の滑らかなテスト棒に対する疲れの実験テストから生み出されたものです。このやり方は、テスト棒の対応する仮想比較直径が特定の溶接断面に対して割り当てられるという理論に従って、k b 係数の概算サイズを推定します。
k b 係数を決定するための計算式は次のとおりです。
|
- 英国単位 |
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- メートル単位 |
ここでは、次の条件を満たす必要があります。
k b ≥ 0.6
次の場合、k b = 1
ここで、数式は仮想比較直径の計算に使用されます。
4. 信頼度係数 k c
この係数は、疲労強度の値に対する操作におけるジョイントの必要信頼度の影響を表します。係数値は<0.5 ... 1>の範囲で、必要信頼度が増加すると係数は低下します。k c = 1 値は 50 % の信頼度に相当します。つまり、特定の疲れ荷重によって荷重を受ける溶接ジョイントが 50 % の確率で失敗します。
一般的な力学上の慣習から、機械部品では 95% の信頼度が通常とされています。ジョイントの失敗によって生命が危険にさらされるおそれがあったり重大な経済的な損失を被る危険があるような場合、溶接ジョイントはより信頼度の高いもので設計されなければなりません。
5. 動作温度係数 k d
耐久限度での動作温度の効果は、使用している材料の性質に大きく左右されます。一般的に使用される構造用鋼が約 -20 から 200°C の範囲で使用される場合、耐久限度が温度に左右されることは少なく、k d = 1 係数が使用できます。
高温での疲労の障害を考慮するような設計は複雑な問題となります。一般的にクリープ、疲労、および冶金上の不安定性の相互作用が発生するためです。この問題を理論的に説明している情報は、完全ではなく不十分です。k d 係数をうまく決定するには、実験テストの結果を使用してください。
6. 修正応力集中係数 k e
溶接ジョイントに疲労荷重がある場合、溶接の切欠き効果により、局所的な高い応力集中がジョイントに発生します。この集中によって、ジョイント疲労強度が大幅に減少します。応力集中の修正係数は、k e = 1/K の数式から求められます。ここで、疲労強度減少係数 K は溶接タイプ、形状、設計、溶接品質、および溶接ジョイント荷重によって左右されます。選択した溶接タイプおよび溶接荷重に対する応力集中係数の推奨値は、次のとおりです。
溶接タイプ、荷重の方法 |
K |
曲げおよびトラクション-圧力の荷重を受けた端突合せ溶接 |
1.2 |
ねじれ(せん断)の荷重を受けた端突合せ溶接 |
1.8 |
両面突合せ T ジョイント |
2.0 |
直交荷重がかかるすみ肉溶接 |
1.5 |
溶接の軸に平行して荷重がかかるすみ肉溶接 |
2.7 |
局所的な応力集中の発生を考慮する場合、溶接ジョイントのもっとも危険な部分は、溶接と基本材料との間部分です。このような理由から、溶接ジョイントに疲れ荷重がかかるような場合、最適な溶接設計を使用し遷移面が完璧に一致することに注意する必要があります。突合せ溶接のルートの溶接が不十分であったり、すみ肉のルートに溶接されてないギャップがあるような場合、溶接疲労寿命に悪影響を与えます。応力集中係数を設定する際には、溶接設計の品質を考慮してください。
7. その他の影響係数 k f
溶接ジョイントの疲労強度を増減させる可能性のあるその他の影響(腐食など)は、この係数に含まれます。