計算式とパラメータ
数値を入力できる場合はいつでも、計算式を使用することができます。たとえば、[寸法編集]ダイアログ ボックス、フィーチャ ダイアログ ボックス、[パラメータ]ダイアログ ボックスで計算式を使用できます。計算式の複雑度はさまざまであり、計算式を使用してフィーチャのサイズを計算したり、アセンブリ拘束のオフセットや角度を計算したり、複数のコンポーネント間のモーションをシミュレートすることができます。
計算式は、単純なものから、代数演算子、接頭辞、関数を含むものまであります。たとえば、以下は単純な計算式です。
2 ul *(6+3)
次の複雑な計算式では、pi などの内部パラメータが使用されています。
(PI rad/5 ul +(25 deg *PI rad)/180 deg))
代数演算子
次に示すのは、Autodesk Inventor でサポートされている代数演算子です。
単位の接頭辞
次の表に、Autodesk Inventor でサポートされている単位の接頭辞を示します。
値 1.0e18
値 1.0e15
値 1.0e12
値 1.0e9
値 1.0e6
値 1.0e3
値 1.0e2
値 1.0e1
値 1.0e-1
値 1.0e-2
値 1.0e-3
値 1.0-6
値 1.0-9
値 1.0e-12
値 1.0-15
値 1.0e-18
計算式で単位の接頭辞を使用する場合、接頭辞の記号を入力します。接頭辞自体を入力しないでください。たとえば、"ナノメートル" という単位を含む計算式は、3.5 ul * 2.6 nm のように記述します。
メートル単位にナノの単位接頭辞を追加した場合、計算式は 2.6 ナノメートルの長さに基づいて計算されます。
関数
編集ボックスでは、次の関数を使用できます。
構文 |
戻り値の単位のタイプ |
期待値の単位のタイプ |
cos(式) |
単位なし |
角度 |
sin(式) |
単位なし |
角度 |
tan(式) |
単位なし |
角度 |
acos(式) |
角度 |
単位なし |
asin(式) |
角度 |
単位なし |
atan(式) |
角度 |
単位なし |
cosh(式) |
単位なし |
角度 |
sinh(式) |
単位なし |
角度 |
tanh(式) |
単位なし |
角度 |
acosh(式) |
単位なし |
単位なし |
asinh(式) |
単位なし |
単位なし |
atanh(式) |
単位なし |
単位なし |
sqrt(式) |
単位^1/2 |
すべて |
sign(式) |
単位なし |
すべて(負なら 0、正なら 1 を返す) |
exp(式) |
単位なし |
すべて(式のべき指数を戻す。例: 100 に対して 2、1000 に対して 3。) |
floor(式) |
単位なし |
単位なし(「式」より小さい整数のうち最も近い整数) |
ceil(式) |
単位なし |
単位なし(「式」より大きい整数のうち最も近い整数) |
round(式) |
単位なし |
単位なし(「式」に最も近い整数) |
abs(式) |
すべて |
すべて |
max(式 1 ; 式 2) |
すべて |
すべて |
min(式 1 ; 式 2) |
すべて |
すべて |
ln(式) |
単位なし |
単位なし |
log(式) |
単位なし |
単位なし |
pow(式 1 ; 式 2) |
単位^式 2 |
有効な単位を使用していても、無効な計算式になる場合がある(たとえば、"pow(3.0; d12)")。10 の累乗の小数点以下桁数は 8 桁に丸められる 「式 1」はすべて、「式 2」は単位なし |
random(式) |
単位なし |
単位なし |
isolate(式; 単位; 単位) |
すべて |
すべて |
予約済みシステム パラメータ
単位のタイプ
計算式で使用する単位のタイプは、評価するデータのタイプによって異なります。たとえば、長さの値または角度の値を評価する場合、通常はミリメートル、インチ、または度(mm、in、deg)の単位を使用します。
パターン内のオカレンスの数を解く計算式など、単位がない値が返る計算式もあります。単位がない値には、ul という文字を指定します。たとえば、5 ul は計算式が評価されて 5 が返り、この数値はパターン内のオカレンスの数のような数値であることを意味します。
isolate(Width;mm;ul)
ダイアログ ボックスの[オカレンス]の値には単位なし(ul)の結果が必要ですが、長さの値である単位 width を参照します。Width パラメータを単位なしの値に変換します。