このヘルプ セクションでは、流体ラジアル滑り軸受の完全なチェック計算に用いられる計算の関連性をすべて説明します。計算された関連性を、軸計算で使用される順序で一覧表示します。
計算は XY Plane と XZ Plane で行われ、それぞれの二次式の和が求められます。
軸受ジャーナルの角速度:
軸受ジャーナルの回転速度:
有効な軸受幅
潤滑穴または潤滑軸溝から給油される軸受の場合
L f = L [mm]
ラジアル(回転)潤滑溝から給油される軸受の場合
L f = L - s [mm]
相対軸受幅
潤滑穴または潤滑軸溝から給油される軸受の場合
ラジアル(回転)潤滑溝から給油される軸受の場合
軸受圧力
指定圧力が小さい場合は 1 ~ 5 MPa の範囲の値が考慮され、短時間の衝撃荷重の間に、ジャーナルおよび軸受の材料を正しく選択した場合のみ、最大値は 30 MPa ~ 70 MPa 近くになります。
滑り軸受面が完全に分離するための最低限の潤滑層の厚さ:
慣らしを考慮した軸受の場合
h min = 3.4 (R aH + R aL ) + o [μm]
慣らしを行わない軸受の場合
h min = 4.5 (R aH + R aL ) + o [μm]
流体潤滑の条件に合っている場合、潤滑層の最低の厚さは指定された直径のクリアランスより小さくなければなりません。
動圧効果による相対直径のクリアランス平均:
慣らしを考慮した軸受の場合
慣らしを行わない軸受の場合
軸受ブッシュの圧力 Δd p による直径のクリアランスの変化の計算、および放射状温度勾配 Δd T による直径のクリアランスの変化の計算は、詳細データのダイアログ ボックスで行われます。
相対的な直径のクリアランスは、軸受の特性に影響する重要な設計パラメータです。その範囲は 0.0005 から 0.004 です。遅い滑り速度で動作する、指定圧力の高い軸受には相対的な直径のクリアランスの値を小さくし、滑り速度が遅く、指定圧力の低い軸受には相対的な直径のクリアランスの値を大きくします。
相対的な直径のクリアランスの値を高くすると、軸受の荷重は減少し、軸受ライニングにジャーナルの振動とキャビテーションが発生する危険性が高くなります。
ゾンマーフェルト数
無次元ゾンマーフェルト数は、軸受の荷重を考慮する場合の基本的な値です。推奨される値は 1 から 15 です。滑り速度が高い間、指定圧力が小さいため、1 未満のゾンマーフェルト数については軸受の動作がイレギュラーになる危険性があります。15 より大きな値については、滑り面に接触する危険性が生じます。
相対ジャーナル偏心度:
相対偏心度の値は、ゾンマーフェルト数と相対軸受幅の依存性に基づいてダイアグラムから得られます。
相対ジャーナル偏心度の推奨値は、0.7 から 0.96 です。値が低くなると、ジャーナルの使用がイレギュラーになります。上限を超えた場合、面の粗さのピーク間で最大摩擦が発生することがあります。
軸受の動作時の動圧効果による潤滑層の最小の厚さ:
h o = 0.5 φ d (1 - ε 10 3 [μm]
流体潤滑の条件を満たす場合、計算された潤滑層の厚さは潤滑層の最低の厚さを上回る必要があります。
軸受の熱平衡は、指定された軸受寸法と選択した潤滑剤に対して発生します。
軸受ジャーナルの曲げのチェック:
潤滑スロットの最大圧力:
ここで、P * cm は平均軸受面の無次元指定圧力数です。指定された相対ジャーナル偏心度と相対軸受幅に従って、ダイアグラムから求められます。
動作中の最大圧力の値と、始動時および振れ時の指定軸受圧力の大きさも、軸受のブッシュ材料の設計の必須データです。
最大摩擦の限界における過渡速度周波数:
軸受の始動時と触れ時の使用条件により、軸受の摩擦と磨耗が大きい場合、潤滑剤の不足期間を短縮するために、過渡速度周波数を動作周波数より明示的に低くする必要があります。
最大摩擦の限界における最大軸受荷重:
乱流上昇の限界における最大速度周波数:
ここで
π t - π 20 - 0.65 (T - 20) [kg m -3 ]
ジャーナル旋回の限界における最大速度周波数: