プレビューするビューを選択する

ビューを使用すると、ビューポート 2.0 (Viewport 2.0)レンダー ビュー(Render View)UV エディタ(UV Editor)に、カラーが分かりやすくプレビューされます。通常、ビューは、目的の出力形式(標準のダイナミックレンジ ビデオやゲーム エンジンなど)におけるシーンの外観を示します。これには、外観やカラー グレードなどの美的な理由で調整される場合も含まれます。また、診断などの目的に限って使用される特殊なビューがある場合もあります。

シーンの既定のビューは、カラー管理プリファレンス(Color Management preferences)で設定されたビュー(View)です。このビューは、カラー管理済みのポットを表示(Show Color Managed Pots)がオンの場合に、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)でカラー ポット(ソリッド カラーやランプなど)にも使用されます。

Viewport 2.0 (ビューポート 2.0)UV エディタ(UV Editor)、およびレンダー ビュー(Render View)で、状況に応じて、別のビューを一時的に選択することもできます。「カラー管理シーンをプレビューする」を参照してください。

既定の OCIO v2 カラー管理システムを使用する場合は、シーンで使用される設定ファイル内でビューを定義する必要があります。また、設定の active_views リストで指定されたビュー、または OCIO_ACTIVE_VIEWS 環境変数で指定されたビューのみを使用できます。

環境設定によっては、ディスプレイに応じて異なるビュー セットを使用できる場合があるため、ビュー(View)を選択する前にディスプレイ(Display)を設定することをお勧めします。

一般的に、可能な限り最高のプレビューを得るには、シーンの既定のビューを、フィニッシングに使用されるビューに設定する必要があります。たとえば、合成のために送信されるフレームを生成している場合は、合成アプリケーションでのプレビューに使用されるビュー、または最終出力に使用されるビューを使用する必要があります。

Maya には 2 つの設定がインストールされていて、それぞれ複数のビューを使用できます。ただし、プロジェクトまたはスタジオで別の設定を使用していて、オプションが異なる場合があります。

Maya の既定のビュー

新しいシーンには、Maya の既定の設定が使用されます。既定の設定には、次のビューが含まれています。
ビュー 説明
ACES 1.0 SDR-video (既定)標準のダイナミックレンジ ビデオ(旧称は RRT および ODT)に ACES 出力変換を使用するトーンマップ。中間色(RGB 値と等しい)は、D65 白色点の色度にマッピングされます。

ディスプレイ(Display)メニューは、RGB 値がエンコードされるモニタのタイプ(原色やガンマなど)を指定します。

Un-tone-mapped ディスプレイ デバイスにソース カラーを 1:1 で表示し、トーンマッピングは適用しません。これは、イメージ編集プログラムと同様にテクスチャ値を表示する場合などに便利です。

このトーン マップは「リニア ワークフロー」に推奨される場合がありますが、カラー サイエンスを適切に適用するには、ACES などの複雑なビュー変換が必要になります。

このビュー変換は主に診断に使用されます。ディスプレイ(Display)メニューは、RGB 値がエンコードされるモニタのタイプ(原色やガンマなど)を指定します。

Unity ニュートラル トーンマップ(Unity neutral tone-map) Unity ゲーム エンジンの既定のトーン マップをエミュレートします。

ディスプレイ(Display)メニューは、RGB 値がエンコードされるモニタのタイプ(原色やガンマなど)を指定します。

ログ(Log) レンダリング スペース値に対数エンコードを適用します。これは、一度に露出値の広い範囲を確認することができ、診断用に適しています。
Raw 変換されないレンダリング スペース値を表示します。これは、診断の目的で使用されます。

Maya-legacy のビュー

Maya-legacy の設定は、Maya 2020 以前のバージョンで保存されたシーンに使用されます。旧式のカラー管理システム(SynColor)には、ビュー変換(View Transform)で使用できる同等なオプションがあります(名前が同じであるか、非常に似ています)。

ビュー 説明 原色
sRGB ガンマ sRGB で指定したガンマが適用されます。トーン マッピングは適用されません。 レンダリング スペースから sRGB/Rec709 の原色に変換され、続いて、3 つすべての RGB チャネルに 1 つのカーブが適用されます。
1.8 ガンマ ガンマ値 1.8 を適用します。トーン マッピングは適用されません。 レンダリング スペースから Rec.709/sRGB の原色に変換され、続いて、3 つすべての RGB チャネルに 1 つのカーブが適用されます。
2.2 ガンマ ガンマ値 2.2 を適用します。このガンマは sRGB を近似するために使用される場合があります。トーン マッピングは適用されません。 レンダリング スペースから sRGB/Rec709 の原色に変換され、続いて、3 つすべての RGB チャネルに 1 つのカーブが適用されます。
Rec 709 ガンマ REC で指定したガンマが適用されます。HD ビデオ カメラ用の Rec. 709 で指定されたガンマが適用されます。トーン マッピングは適用されません。

代わりに HD ブロードキャスト モニターのガンマ値は、一般的に 2.4 であることに注意してください。

レンダリング スペースから sRGB/Rec709 の原色に変換され、続いて、3 つすべての RGB チャネルに 1 つのカーブが適用されます。
Raw 変換されないレンダリング スペース値を表示します。これは、診断の目的で使用されます。 原色の変換は行われません。
ログ(Log) レンダリング スペース値に対数エンコードを適用します。これは、一度に露出値の広い範囲を確認することができ、診断用に適しています。 原色の変換は行われません。1 つのカーブが、3 つすべての RGB チャネルに適用されます。
ACES sRGB RRT+ODT v1.0 標準のダイナミックレンジ ビデオ(旧称は RRT および ODT)に ACES 出力変換を使用するトーンマップ。中間色(RGB 値と等しい)は、D65 白色点の色度にマッピングされます。 ACES に変換され、Academy トランスフォームが続きます。
Stingray トーンマップ Stingray エンジンで使用されているのと同じトーンマップを適用します。これは、Jim Hejl によって開発され、John Hable によって記述されたゲームに使用される共通のトーン マップです。Maya 2015 Extension リリースでは、これは Bitsquid トーンマップと呼ばれていました。 レンダリング スペースから sRGB/Rec709 の原色に変換され、続いて、3 つすべての RGB チャネルに 1 つのカーブが適用されます。
Unity ニュートラル トーンマップ(Unity neutral tone-map) Unity ゲーム エンジンに表示される既定のパイプラインをエミュレートします。 レンダリング スペースから sRGB/Rec709 の原色に変換され、続いて、3 つすべての RGB チャネルに 1 つのカーブが適用されます。