突出時の固化層パーセンテージ結果

突出時の固化層パーセンテージ結果は、プロセス完了(突出)時の固化した厚さのパーセンテージを示します。

この結果の値の範囲は 0 ~ 100% です。値が高いほど固化層は厚くなり、溶融樹脂の層は薄くなります。樹脂は、転移温度(Ttrans)よりも低い温度になると固化したと見なされます。

充填過程では通常、固化層は流動が継続する領域で一定の厚さを維持します。これは金型壁面への熱損失が、上流からの溶融樹脂熱の供給と釣り合うためです。保圧過程で流動が停止すると、肉厚方向の熱損失が優位になり、固化層の厚さが急速に増加します。突出時の固化層パーセンテージ結果は、解析時間が充填時間、保圧時間、冷却時間の合計に達した時点で、プロセス完了時に生成されます。

注: 保圧過程には、保圧時間と冷却(保持)時間の両方が含まれます。

固化を通じて、樹脂は機械的に強度を増していきます。明らかに、成形品の機械的強度と固化層の厚さには正の相関があります。成形品を金型から取り出す理想的な時間は、固化層が突出に必要な最低限の機械的強度を実現できるだけの十分な厚さになったときです。

この結果の使用法

この結果は、早すぎる突出の検出に利用できます。プロセス完了時の固化層パーセンテージが低すぎる場合(50%未満など)は、成形品の機械的強度を突出に必要なレベルまで高められるよう、冷却時間を延長する必要がある可能性があります。一方、プロセス完了時の固化層パーセンテージが成形品内のあらゆる場所で 100% に達している場合は、冷却時間を減らしてサイクル タイムを短縮できるため、生産性が向上します。