線形静解析の荷重として、非線形定常熱伝導解析からの温度分布を使用します。これにより、熱膨張によってパーツに発生する応力を確認できます。モデルにはボルト穴に固定拘束があり、フランジのサーフェスに沿ってチューブから離れた方向にスライドできるようになります。
解析を設定する
- ツリー表示で[マニホールド解析]を右クリックし、[複製]を選択します。これにより、[マニホールド解析 - コピー]という名前の解析のコピーが作成されます。
- これで、[マニホールド解析 - コピー]ツリーがアクティブなモードになりました。[サブケース]下で[サブケース 1]を左クリックし、名前を「サブケース 2」に変更します。[初期温度]荷重は熱応力解析では不要なため、[サブケース 2]から削除します。
- [マニホールド解析 - コピー] を右クリックし、[編集]を選択します。
- [名前]に
「熱応力」
と入力し、
[タイトル]
に「熱応力解析」と入力します。解析[タイプ]をドロップダウン メニューで[線形静解析]に変更します。
- [OK]をクリックします。
- 熱荷重は線形静解析に関連していないため、解析からすべて削除されます。ただし、[初期温度]は手動で削除する必要があります。
- 次のメッセージ ウィンドウで[OK]をクリックします。
荷重および拘束の適用
- [サブケース 2]下の[荷重]を右クリックし、[新規作成]を選択します。
- [名前]を「温度荷重」に変更します。
- [タイプ]を[解析結果から定義]に変更します。
- [荷重定義]セクションで、[参照]ボタンをクリックして、結果ファイルを参照します。非線形定常熱伝導解析を実行した後に生成された、FNO ファイルの場所に移動します。たとえば、C:\Users\Public\Public Documents\Autodesk\Inventor Nastran 2023\Tutorial\en-us\Inventor 2023\Thermal Stress Manifold\In-CAD\FEA フォルダです。次に、FNO ファイルを開きます。
- [荷重]ダイアログ ボックスでは、下の図のように[出力セット]に[INCR 1, LOAD=1.0]が選択され、[節点荷重]には[温度]が選択されています。
- [OK]をクリックし、出力からの温度荷重の定義を完了します。
- ツリー表示で、[拘束]を右クリックし、[新規作成]を選択します。
- 下の図で青色にハイライト表示されたボルト穴のサーフェスを選択します。
- 拘束の名前を「構造拘束」に変更します。
- 既定の設定を受け入れます。[サブケース 2]がハイライト表示されていることを確認し、別の拘束を定義するために、
[新規作成]ボタンをクリックします。
- [拘束 2]の名前を「スライド サーフェス」に変更します。下の図で青色にハイライト表示された、チューブから離れた場所にある両方のフランジのサーフェスを選択します。
- [Tx]以外のすべての自由度のチェックボックスをオフにします。これにより、サーフェス上の節点が配置された平面を中心にスライドできますが、それを貫入することはできなくなります。
- [サブケース 2]がハイライト表示されていることを確認し、[OK]をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。
- 最終的なモデルは以下のように表示されます。
- すべてのエンティティを定義した後、最終的なツリー表示は以下のように表示されます。
解析を実行して結果のポストプロセスを実行する
- この時点で、モデルを保存します。
- ツリー表示で[熱応力解析]を右クリックし、[Nastran で実行]を選択します。
- Autodesk Nastran でモデルが解析され、Inventor Nastran 内の[Autodesk Nastran 出力]ウィンドウに進行状況が表示されます。
- 「Nastran による解析が完了しました」というダイアログ ボックスが表示されたら、[OK]をクリックして結果を Inventor Nastran にロードします。
- 解析の完了後、結果は Inventor Nastran にロードされます。
- ツリー表示の[結果]下で[フォン ミーゼス]を右クリックし、[編集]を選択します。
- [表示オプション]で[最小/最大マーカー]チェック ボックスをオフにします。[変形オプション]タブで、実際の変位を表示するために[実寸]を選択します。[コンター オプション]タブで、[結果データ]が[応力]に、[タイプ]が[SOLID VON MISES STRESS (ソリッド フォンミーゼス応力)]に設定されていることを確認します。[表示オプション]タブで、[すべて非表示]を選択します。
- [表示]をクリックします。結果は以下のように表示されます。
これで、排気マニホールドの熱伝導解析および熱応力解析を完了しました。
次は説明された主なトピックの概要です。
- 熱伝達および熱流束の熱境界条件を作成する方法。
- 熱応力解析を実行するために、前の解析からの出力を使用して熱荷重を設定する方法。
- 熱応力解析結果をポストプロセスする方法。