Inventor で Vault を設定する

このセクションでは、既定の Inventor プロジェクト ファイル(*.ipj)を使用して Vault および Inventor を設定する場合に推奨される手順について説明します。

環境を設定する

Inventor および Vault で、デザインごとに新しいフォルダ(新しいプロジェクト ファイルではない)を作成します。次の手順は、最も簡単な方法で Vault を設定する方法を示しています。

  1. Vault Server Console (ADMS)で Vault を作成します。

    Vault サーバをインストールするときに、開始するための新しい Vault を作成する必要があります。ADMS コンソールで、新しい Vault を作成するか、既存の Vault を復元することができます。詳細については、ヘルプ トピックを参照してください。図示するために、新しい Vault に「TestProject」という名前を付けます。

  2. ワークステーション マシンで、C:\ の下に「Work」というフォルダを作成します。ここで、Inventor パーツに対するすべての作業が実行されます。さらに、「Work」の下に 2 つの新しいフォルダ、「Content Center Files」と「Designs」を作成します。これらのフォルダには、すべてのデザイン データが格納されます。

  3. Inventor を開き、[プロジェクト]をクリックしてプロジェクト エディタを開きます。下部にある[新規作成]をクリックし、ウィザードの手順に従って新しい Vault プロジェクトを作成します。

  4. プロジェクト名として「Designs」と入力し、プロジェクト(作業スペース)フォルダを C:\Work に設定します。

  5. [完了]をクリックしてプロジェクト ファイルを作成します。新しく作成されたプロジェクト「Designs」がアクティブなプロジェクトとして設定されます。
  6. [プロジェクト エディタ]ウィンドウで、[作業スペース]の横の展開ボタンをクリックし、右クリックして作業スペース フォルダの場所を編集し、「\Designs」と入力します。同様に、[フォルダ オプション]を展開し、[コンテンツ センター ファイル]オプションを編集して「.\Content Center Files」とします。

    注: 「.\」と入力することで、プロジェクト ファイルに対する相対パスを使用するように Inventor に指示します。つまり、プロジェクト ファイルはユーザのマシン上の任意の場所に配置できますが、常に Content Center Files というサブフォルダ内が検索されます。
  7. [保存]をクリックしてプロジェクト ファイルに加えた変更を保存し、[完了]をクリックして Inventor プロジェクト エディタを終了します。
  8. Inventor リボンで、[Vault]タブをクリックし、[ログイン]をクリックします。
  9. Vault の[ログイン]ダイアログで、[サーバ]フィールドに Vault サーバ名を入力します。
  10. Vault の[ログイン]ダイアログで、[Vault]フィールドの横にある省略記号をクリックします。新しく作成した Vault を選択し、(Vault)管理者権限を持つユーザとしてログインします。

  11. [アクセス]コマンドの横の下矢印をクリックし、[フォルダをマッピング]をクリックして、プロジェクト ファイルで定義されている実際のフォルダを Vault 仮想フォルダ構造にマッピングします。

  12. [プロジェクト フォルダのマッピング]ダイアログ ボックスで、[プロジェクト ルート]を選択します。[編集]をクリックして、ローカル プロジェクト ファイルと Vault 内の目的の場所との間のマッピングを作成します。この場合、プロジェクト ファイルの場所を Vault のルート($)にマッピングします。

  13. Content Center Files フォルダに対して同じ操作を繰り返します。[新規フォルダ]をクリックし、フォルダ名を Content Center Files として入力します。[ライブラリ フォルダ]オプションが選択されていることを確認します。Vault プロジェクト ファイル作成ロジックでは、すべてのライブラリがプロジェクト ファイルの下に配置される必要があります。[OK]をクリックします。再度[OK]をクリックして、[コンテンツ センター ファイルのマッピング]ダイアログ ボックスを閉じます。

  14. [OK]をクリックして、[プロジェクト フォルダのマッピング]ダイアログ ボックスを閉じます。
  15. これで、Inventor ファイルの Vault への追加を開始するための正しい構造が設定されます。

Vault にデータを追加する

これで、Vault へのデータの追加を開始する準備が整いました。

  1. Inventor で、新しいパーツ ファイルを作成し、[保存]をクリックします。ジオメトリは不要で、ファイルの作成のみが必要です。

  2. 既定では、Inventor はそのファイルを作業スペース フォルダ C:\Work\Designs に保存し、「Part1.ipt」という名前をファイルに割り当てます。[OK]をクリックします。
  3. [チェックイン]ダイアログ ボックスが表示されます。

    このウィンドウでは、プロジェクト ファイルとパーツ ファイルの両方が Vault にチェックインされていることを確認できます。これ以降の作業はすべて \Designs フォルダの下で行われます。

    プロジェクト ファイルは、C:\Work\Designs.ipj にローカルに配置されます。ファイルは $\Designs\Designs.ipj として Vault で保管されます。

    パーツ ファイルは、C:\Work\Designs\Part1.ipj にローカルに配置されます。ファイルは $\Designs\Part1.ipj として Vault で保管されます。

  4. チェックインの実行中に、DWF ファイルを作成し、チェックインするファイルにリンク(添付)することができます。この利点は、Vault にチェックインされたファイルを他のユーザが確認できるということです。このオプションは、既定でオンになっています。 [設定]をクリックして、ビジュアル化添付ファイル オプションを有効または無効にします。
    注: [ジョブ サーバに送信]は、Vault Workgroup または Vault Professional のユーザのみが使用できるオプションです。

  5. DWF パブリッシュ オプションに問題がなければ、[OK]をクリックし、もう一度[OK]をクリックして初めてファイルを Vault にチェックインします。DWF ファイルを作成して Vault にコピーする間、進行状況バーが表示されます。操作が完了すると、ダイアログ ボックスは表示されなくなります。

Vault を設定する

  1. ファイルが Vault にチェックインされたら、Vault Client を開き、管理者グループのメンバーとしてログインします。
  2. Vault Client で、[ツール] > [管理] > [Vault 設定]に移動します。
  3. [Vault 設定]ダイアログ ボックスで、[ファイル]タブの[定義]をクリックして、すべてのクライアントに対して同一の作業フォルダを強制します。

  4. [作業フォルダ オプション]ダイアログ ボックスで、[すべてのクライアントに同一の作業フォルダを強制する]オプションをオンにして、[クライアント作業フォルダ]を C:\Work に変更します。したがって、この Vault データベースに接続するすべてのユーザは、同じローカル作業フォルダを使用します。
  5. [すべてのクライアントに同一のプロジェクト ファイルを強制する]チェックボックスをオンにして、[既定の Inventor プロジェクト ファイル]を $/Designs.ipj に変更します。したがって、複数のプロジェクト ファイルが Vault にチェックインされている場合、[コピー デザイン]、[移動]、[名前変更]などの機能、および Job Processor は、すべてこのプロジェクト ファイルを参照します。これにより、Inventor で未解決のリンクが発生する可能性が低減されます。
  6. [OK]をクリックして、保存します。

他のユーザとデータを共有する

次の手順は、関係するすべてのユーザが Vault を起動して実行することを目的としています。まず、それらのユーザの Vault ユーザ アカウントを作成します。

ユーザごとに、次の手順を実行します。

  1. Vault Client で、ユーザ アカウントを作成し、作成した Vault へのアクセス権を付与して、ロールを割り当てます。詳細については、「新しいユーザを追加する」を参照してください。
  2. ユーザのマシンで、Vault Client をインストールし、Vault データベースにログインします。
  3. Vault Client で Designs.ipj を右クリックし、[取得]を選択します。これにより、ipj ファイルが同じ場所「C:\Work」に自動的にダウンロードされます。

  4. [アクティブなプロジェクト]は「C:\Work\Designs.ipj」に設定されています。各ユーザは、Inventor ファイルを「C:\Work\Designs」の下のフォルダにコピーし、図面やアセンブリなどのファイルを Inventor で開くことができます。
    注: 見つからないファイルを解決するためのメッセージが表示された場合は、Vault にチェックインする前にファイルが C:\Work フォルダの下にコピーされていることを確認してください。