Arnold は、高度なモンテ カルロ レイ トレーシング レンダラであり、長編アニメーションや視覚効果を含む動画の需要に対応するよう開発されています。この初心者向けチュートリアルでは、Autodesk 3ds Max で直接 Arnold レンダラーを使用できるプラグインである MAXtoA についてご紹介します。このチュートリアルでは、単純な写真用ライティング スタジオのセットアップを構築する方法を説明します。このセットアップは、あらゆる種類のオブジェクトをライティングおよびレンダリングするために使用できます。Arnold レンダラーを使用しておもちゃのロボットのモデルをライティング、シェーディング、およびレンダリングする手順を紹介します。物理的に正確でフォトリアリスティックなライティング セットアップを実現する Arnold 独自のライトを使用します。
standard_surface シェーダを使用してロボットをシェーディングし、メタリックな仕上げを施します。standard_surface シェーダは多目的のシェーダであり、単純なプラスチックから自動車の塗装やスキンまで、あらゆる種類のマテリアルを作成できます。また、非常に強力で、多くの異なる種類のマテリアルを作成できますが、最初はいくらか難しく感じる可能性があります。このシェーダには多数のさまざまなコントロールがあり、base、specular、sub-surface_scattering (SSS)など、複数のグループに分かれています。リアルなブラシ仕上げの金属の効果を得るには、base および specular パラメータを調整する必要があります。
最後には、レンダリング設定を最適化してレンダリング時に現れる可能性のあるノイズを取り除く方法について説明します。このチュートリアルでは 3ds Max と MAXtoA を使用していますが、その資料の多くは Arnold に関するものです。そのため、Maya for Arnold (MtoA)や Houdini for Arnold (HtoA)などのような、他のソフトウェア向けの Arnold プラグインを使用するユーザにも関係があります。
このチュートリアルを完了するのに要する予想時間は 30 分以下です。
最終的なシーン ファイルは、こちらからダウンロードできます。
standard_surface シェーダを背景オブジェクトに割り当てます。base_color をミディアム グレーに変更し、specular_reflection のウェイトを 0 に減らします。
スタジオのシーンをライティングしてみましょう。まず、3 つの Arnold quad_lights を作成します。作成するには、[作成] (Create)パネルでライト アイコン をクリックします。
ビューポートに quad_light の四角形ライト領域シェイプが表示されない場合は、そのライトの Shape Rendering で Always Visible in Viewport を有効にする必要があります。
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ライト サンプル: 1 | ライト サンプル: 3 |
既定の Camera (AA)設定である 3 を使用してシーンをレンダリングすれば、テスト レンダリングには十分です。ただし、最終的なレンダリングでは、シーンに設定した被写界深度の大きさに応じて、これを 5 以上に上げる必要があります。
ロボットのシェーダの間接鏡面反射光コンポーネントのサンプリング品質が低い場合、ロボットのサーフェスに光沢のある鏡面反射光ノイズがはっきりと表れることがあります。グローバルな specular 値を 3 に増やすと、このノイズが解消され、レンダリングが鮮明になります。
サンプリングとノイズ
ほとんどの場合、ノイズはサンプリングの不足が原因で発生しますが、不適切なレイのサンプリングを増やしてもレンダリング時間が増加するばかりで、ノイズの除去には役に立ちません。目標は、レイをできるだけ効率的に割り当て、最も効率的な方法でノイズを最小限に抑えることです。そのため、DOF ノイズを除去するためにカメラ(AA)サンプル数を増やす必要がある場合は、他の設定を下げてレンダリング時間を短くする必要があります。 ただし、DOF またはモーション ブラーに問題がない場合でも、カメラ(AA)サンプル数を増やせばすべてのノイズは修正されますが、不要なレイが原因でレンダリング時間が長くなることがあります。