zdepth_ AOV でコンポジットしたビューティ レンダリング
この簡単なチュートリアルでは、「Z」深度 AOV をセットアップおよびレンダリングし、その後で Nuke でビューティ レンダリングと合成することによってリアルな被写界深度エフェクトを実現する手順について説明します。 「Z」深度 AOV にはシェーディング ポイントの深度情報が含まれます。
シーン ファイルは、こちらからダウンロードできます。
「Z」深度 AOV をレンダリングおよびコンポジットするには、次の手順を実行する必要があります。
[レンダリング設定](Render Setup)ウィンドウを開き、[AOVs]タブで Arbitrary Output Variables (AOVs) Manager を選択します。
AOV として RGBA と z (出力ファイル タイプは EXR)を作成します。
Arbitrary Output Variables (AOVs) Manager に、AOV として RGBA と z を追加
Photoshop でマルチレイヤ EXR を開いた場合は、8 ビットに変換するとすべての深度情報が失われるため、32 ビットで行う必要があります。Z 深度イメージはクランプされないため、真っ白に見える場合があります。Image > Adjustments > Exposure に移動し、正規の Z 深度パスのような外観になるまで露出を調整します。
Nuke で深度 AOV を表示すると、赤色のみで表示される場合があります。 深度チャネルには、アルファ チャネルでアンチエイリアス処理と正規化処理がされていないデータが表示されます。 非正規化とは、Z 深度の値が 0 ~ 1 (カメラ正面から距離)の間にないことを意味します。そのため、0 ~ 1 の値を設定するには、遠方クリッピング プレーンの値で Z 値を分割する必要があります。この再マッピングは、ビューアで深度チャネルを表示する場合にのみ必要です。zdefocus ノードを機能させる必要はありません。
Nuke 内で表示される Z 深度チャネル
「Zblur」(Nuke 7 では「ZDefocus」)を EXR レンダーに接続し、「focal-plane setup」を有効にします。Zblur ノードの既定の設定で動作します。Z は「depth.z」に設定し、「math」は「depth」に設定する必要があります(深度チャネルの Z 値はカメラ正面からの距離です)。
緑の領域に焦点が当たるまで「focus plane」を調整します。赤色は被写界深度が浅い領域です。青色は被写界深度の外側の領域です。 緑色は被写界深度内の領域です。深度パラメータを 0 に設定すると、緑が表示されることはありません。
focal-plane setup が有効(緑色の領域が焦点内)
これで簡単なチュートリアルは終わりです。
Z 深度 AOV を使用する明確な利点は速度と柔軟性です。コンポジタで被写界深度をリアル タイムで変更できることが大きな利点です。 真の被写界深度でレンダリングすると、多くの場合は見栄えがよくなりますが、ノイズの問題を解決するためにはたくさんの AA サンプルが必要です。次に、真の被写界深度によるレンダリングと、真の DOF を使用しない(コンポジットした「Z」深度 AOV を使用した)シーンのレンダリングの比較を示します。 カメラ(AA)サンプルの数が 8 でも、真の被写界深度でレンダリングしたイメージの深い被写界深度の領域には、まだノイズが少し発生します。この場合、真の DOF を使用してレンダリングすると、Z 深度 AOV を使用してイメージをレンダリングした場合の 2 倍の時間がかかります。
Z 深度 AOV を使用してコンポジットされた DOF | 真の DOF (Camera (AA) のサンプル数: 8) |
Z 深度 AOV の使用には制限事項があります。たとえば、鏡に反射したオブジェクトに焦点を当てることはできません(下図を参照)。
2D「Z」深度 AOV を使用して鏡のオブジェクトに焦点を当てることはできません(真の被写界深度でレンダリングした上図)。
3D スキャン モデル提供: Ten24。