ポータル ライトは、室内を照らすためのより効率的な方法です(skydome_light ライトとの組み合わせ)。
窓から差し込む 4 つの quad_lights (primary_visibility のみを有効にして白の sky シェーダ -> Environment バックグラウンド の順に選択)
室内を照らす一般的な方法は、窓の外から室内に差し込むように area ライトを配置することです。ライトのサイズと位置には注意する必要があります。ライトが窓のフレームに近すぎると、窓の周辺は漂白したようになります(次の_トーン マッピング_を参照)。 すべてのサンプル画像のライト サンプルの値には 3 が指定されています。
また、distant_light と四角形エリア ライトを組み合わせると、skydome_light と同じような見た目にすることができます。
4 つのエリア ライト(形状は「quad」 に設定)
ガラスを含む窓の場合、Arnold がガラスの透過を処理する必要がなくなるように、area ライトをガラスの前に配置する必要があります。 ただし、窓の形状が通常と異なる場合は、窓全体が quad_light で覆われるように、窓の真後ろにライトを配置すると簡単です。
現実のライトは、屋外シーンよりも室内シーンではるかにたくさんバウンスします。そのため、シーン内で二次バウンス ライトを発生させる場合は、この値を増やす必要があります。
次の図では、[レンダリング設定](Render Setup)ウィンドウで diffuse_ray_depth を増やした場合の効果を示します。レンダリングの時間は、バウンスの数に応じて一定の割合で長くなります。
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diffuse_ray_depth: 1 | diffuse_ray_depth: 2 | diffuse_ray_depth: 3 |
室内のレンダリングでは一般的にノイズが発生します。これは、ライトのサンプル数が少ない場合、または拡散反射光が足りない場合に発生します。
拡散反射光 を 0 に設定すると、ライト サンプルに取り組むことができます。下図では、部屋の隅にシャドウ ノイズをはっきりと確認できます。ライト サンプルを段階的に増やすと、レンダリング時間は短いまま、シャドウの品質を向上させることができます。ライトの samples を 3 に増やすと、シャドウ ノイズの量を十分に減らすことができます。
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シャドウ ノイズと拡散反射光ノイズの両方(両者を見分けるのは困難です)。 | diffuse: 0 (無効)。ライト ノイズを識別しやすくなります。 | area ライト サンプルを 3 に増やすとノイズが解消します |
ライト サンプルを調整したら、拡散反射光のノイズに集中することができます。この場合、拡散反射光のサンプルを 5 に増やすとクリアになります。
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diffuse_samples: 1 | diffuse_samples: 5 |
下図では、大きな 1 つのエリア ライト、2 つのエリア ライト、4 つのエリア ライトをレンダリングする場合の差を比較しています。
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1 つのエリア ライト | 2 つのエリア ライト | 4 つのエリア ライト |
それぞれのライトで Arnold は 9 つのレイをトレースしています(4 つのライトで合計 36)。または 1 つのライトで 9 つのレイのみをトレースしています。そのため、小さなライトを複数使用すると、大きな 1 つのライトを使用するよりもレンダリングに時間がかかります。ただし、ライト サンプルの数(この場合は 3)が同じでも、大きな 1 つのエリア ライトを使用すると多くのノイズが発生します。これは本棚の周囲でよりはっきりと表れています。
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4 つのエリア ライト | 1 つのエリア ライト(シャドウにさらにノイズが現れます)。 |
窓の周辺は非常に明るく、漂白したようになります。これを修正するにはトーン マッピングを使用します(下図を参照)。それ以外の方法には Light Decay フィルタの使用があります。
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light_decay フィルタなし(窓の周囲の領域が漂白されます) | light_decay フィルタを使用してライト フォールオフが改良されました |
「Far Attenuation」アトリビュートは通常の減衰のように機能しますが、開始距離と終了距離を指定できます。このため、「終了」距離を設定すると、部屋に差し込むライトの量を細かく制御できます。 次のシンプルな室内のシーンでは、Light Decay フィルタの「Far End」アトリビュートを変更した際の効果を示してます。床の鏡面反射に影響します。
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far_end: 0.05 | far_end: 1 | far_end: 2 |
窓周辺の漂白したようなエリアを修正するには、ポスト プロセッシング ソフトウェアを使用して「トーン マッピング」することが簡単です。
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トーン マッピング前(窓の周囲の領域が漂白されます) | トーン マッピング後 |
ここではより自然な色合いのライトを部屋に追加します。このためには HDRI とエリア ライトの組み合わせます。
ライトの強度が通常の範囲内に収まるまで下げると、HDRI の効果を十分に確認できます。ただし、テクスチャ マップがライトにマッピングされている場合、確認は難しくなります。効果をよりわかりやすく表示するには、反射しやすい球を作成し、窓の前に配置します。これで球に反射する HDRI を確認できます。
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すべての窓に合わせてスケーリングされた単一の area ライト | area ライトに接続された HDRI に照らされた部屋 |
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窓の前に配置された反射球 | エリア ライトにマッピングされた HDRI の反射が球に表示されています |