オブジェクトを回転または尺度変更する場合、基点を指定し、次に回転角度または尺度係数を指定する方法が最も一般的です。ほとんどの場合この方法でうまくいきますが、2 つの他の点を基準にしてオブジェクトを回転または尺度変更できることを知っていましたか?[参照(R)]オプションを目にしたことはあっても、いつどのようにこのオプションを使用するのかが分からなかったのではないでしょうか。
ROTATE[回転]および SCALE[尺度変更]コマンドの[参照(R)]オプションを使用すると、次を指定できます。
ALIGN[位置合わせ]コマンドを使用すると、2 つの参照点に基づいて図面内のオブジェクトを移動、回転、尺度変更することができます。ALIGN コマンドでは、1 セットのオブジェクトに対して 3 つの異なる操作を実行できます。これらの操作は特定の順番で実行され、指定する基点と目的点のペアの数によって決定されます。
選択したオブジェクトの現在の角度を考慮しなくても、オブジェクトを新しい絶対角度まで回転することができます。次の手順では、未知の角度の一連の線分の向きを 0 度の絶対角度に設定します。
オブジェクトは、新しい絶対角度と一致するように回転されます。たとえば、線分の角度が 35 度であった場合、線分は X 軸に平行になったことでしょう。[参照(R)]オプションを選択しなかった場合、0 の角度値を入力してもオブジェクトは回転されません。
手順 1 ~ 8 を、0 ではなく新しい角度値 45 を入力して繰り返してみてください。
選択したオブジェクトの現在の長さに基づいて尺度係数を計算しなくても、オブジェクトを新しい長さに合わせて尺度変更することができます。次の手順では、長方形の辺の 1 つに基づいて、長方形全体のサイズを縮小します。
オブジェクトは、参照する長さと新しい長さの差に基づいて尺度変更されます。
選択したオブジェクトを、図面内のジオメトリに基づいて 1 回の操作で移動、回転、尺度変更することができます。次の手順では、「L字型」のブラケットを柱と梁の交点まで移動して回転します。
第 1 と第 2 の点のペアにより、選択したオブジェクトが参照によって移動および回転されます。
このようにすると、選択したオブジェクトは尺度変更されません。
参照によりオブジェクトを尺度変更したい場合は Y と入力します。このようにすると、選択したオブジェクトは 2 つの目的点間の長さに合わせて尺度変更されます。
ROTATE コマンドとSCALE コマンドの[参照(R)]オプションを使用すると、コマンドをより細かく制御することができます。また、ALIGN コマンドでは、移動、回転、尺度変更が必要な変更を、これらの変更を 1 つのコマンドに結合することによってすばやく実行することができます。