AutoCAD Raster Design Toolsetの基本

AutoCAD Raster Design toolset ラスター データの編集と管理を行うことができます。ラスター データは、イメージを構成する一連のドットまたはピクセルです。このタイプのデータは、用紙上の図面、青焼き図面、または写真をスキャンした場合に生成されます。

ラスター イメージには、次の 3 種類があります:
モノクロ 通常黒と白の 2 色の描線で、バイナリともいいます。
グレースケール モノクロ写真をスキャンした場合と同様の、明るさの異なる各種のグレーで構成されたイメージです。
カラー カラーの航空写真のような、複数の色で構成されたイメージです

一方、ベクトル データは、線分、円弧などの AutoCAD オブジェクトを生成する幾何学的な数式表現です。一般的に、ベクトル データは、正確な幾何学的図形を定義する点で構成されます。AutoCAD で作成するオブジェクトはこのデータ形式で保存されます。

ラスター

ベクトル

AutoCAD Raster Design toolsetを使用しないで·AutoCAD·を使用する場合にも、ラスター イメージを図面に挿入したり、位置や尺度を変更したり、明るさやコントラストなどのイメージ表示値を変更することができます。しかし、次のようなことを実行する場合は、AutoCAD Raster Design toolsetのようなラスター編集プログラムが必要です。

AutoCAD Raster Design toolset では、イメージ フレームは AutoCAD オブジェクトとして扱われるので、フレームが置かれる画層を割り当てたり、色を変更することができます。

このマニュアルでは、モノクロ ラスター イメージを構成している線分、円弧、円、文字列などに対し、「ラスター図形」という用語を使用します。

ラスター図形

ラスター図形をベクトルに変換すると、図面を簡単に修正することができ、プロジェクトの全体的なファイル サイズを小さくすることができます。変換後に、ベクトル図形を AutoCAD コマンドを使用して編集することができます。ラスターからベクトルに変換するには、AutoCAD Raster Design toolsetベクトル化ツール(VTool)を使用できます。

[ラスター図形処理](REM)コマンドを使用して、ラスター図形と領域をベクトルと同様の精度で編集できます。ラスター領域やラスター図形の選択セットを作成し、標準的な AutoCAD コマンドを使用して、その選択セットを移動、複写、削除することができます。