メッシュ依存性

有限要素解析には、避けることができないメッシュ依存性があります。予測結果を実験結果と比較しようとする場合は、この点に留意することが重要です。FEA シミュレーションで使用するメッシュ サイズは、解析に大きな影響を与える可能性があります。

メッシュ サイズの損傷への影響

構造の最終的な損傷には、FEA モデルに見られるピーク応力による影響が大きく関わります。このようなピーク応力はメッシュ サイズによって異なるので、メッシュ サイズに応じて最終的な応力を想定できます。

通常は、要素サイズが大きいほど予想される最終的な応力が大きくなります。これは、要素が大きいほどその積分点が応力集中から遠ざかるために起こります。この場合、要素は破壊が発生するまでより多くの荷重を保持できます。要素が小さいほど、積分点は応力集中により近くなります。この場合、損傷の発生が早まり、予想される最終的な応力が低くなります。この作用の例が次の図に示されています。

mesh dependence

ここでは、4 種類のメッシュ サイズとともに穴のある試験用断片のモデルが示されています。各モデルの荷重-変位応答をプロットするとき、メッシュ サイズの違いが予想される最終的な荷重にどのように影響するかを確認できます。小さいメッシュ サイズを使用すると、損傷が穴の応力集中からより速く伝播します。

メッシュ サイズの Ramberg-Osgood 材料パラメータへの影響

弾性-塑性材料モデルの定義に使用する Ramberg-Osgood 材料パラメータは、メッシュ サイズに影響されます。非線形材料の Ramberg-Osgood 材料パラメータを手動で修正しようとする場合、パラメータの校正に使用するメッシュ サイズを検討する必要があります。この手順には、メッシュ敏感性スタディが推奨されます。また、材料パラメータの校正に使用するメッシュ サイズとほぼ一致するモデルのメッシュ サイズを使用することも重要です。