軸受の限界速度

単列のラジアル玉軸受およびラジアルころ軸受には転がり摩擦という特別な係数が存在します。これらの軸受は、その他のタイプの軸受と比べて高速での使用が可能です。また、限界速度は使用する潤滑剤のタイプによって異なるほか、保持器の材料も重要な要素になります。標準的な速度の場合はプレス鋼板製の一般的な保持器が使いやすいですが、高速使用には真鍮やその他の材料が適しています。次の表は、標準的な精度を備えた軸受の速度の指標をまとめたものです。ただし、スラスト荷重による荷重を常に受けるラジアル軸受では、さらに限界速度が遅くなることも考慮に入れる必要があります。この場合の限界速度は、F a /F r の比率によって決まります。この表の値は f n 係数です。表の限界速度にこの値を掛ける必要があります。

軸受の種類

F a /F r

0.25

0.40

0.60

1.00

1.60

2.50

4.00

6.00

10.00

> 10

玉: 単列

1.0

0.98

0.96

0.92

0.89

0.86

0.82

0.82

0.81

0.80

単アンギュラ コンタクト玉

1.0

1.0

1.0

1.0

0.98

0.97

0.96

0.96

0.95

0.95

複列自動調心玉

0.98

0.93

0.85

0.72

0.62

0.58

0.45

0.43

0.38

0.33

複列球面ころ

0.99

0.95

0.90

0.82

0.77

0.72

0.67

0.64

0.62

0.60

単列円すいころ

0.98

0.93

0.88

0.78

0.69

0.61

0.55

0.51

0.48

0.45