ビューポート 2.0 について

ビューポート 2.0 は旧式のビューポート(既定および高精度)に置き換わるものであり、パフォーマンスを改善するとともに、レンダリングしなくても Maya ビューポート内で高精度のライティングとシャドウ、マテリアル、およびその他のエフェクトを表示できるようにします。

次のイメージでは、海洋シェーダ(Ocean Shader)がプレーンに適用されている場合の古いビューポートと新しいビューポートの違いを確認できます。

パフォーマンスの向上

ビューポート 2.0では、旧式の既定ビューポートでの次のパフォーマンスの向上も実現されました。

ビューポート 2.0 を最適化する」を参照してください。

品質の改善

従来の Maya ビューポートに比べ、ビューポート 2.0 は次のような点が改善されています。

プリレンダー ビジュアライゼーション
複雑なシェーダ ネットワーク、ディスプレイスメント、法線およびバンプ マッピング、ライト シャドウ、ピクセル単位のライティング、アンビエント オクルージョンのサポートにより、レンダリングしたイメージの外観をリアルタイムに把握できます。
リアルタイム プレビュー
ランプのプレビュー、テクスチャ ファイルのアトリビュートや複数タイルの UV テクスチャの調整をリアルタイムで行えます。
カラー管理
カラー管理を行うことにより、ビューポートやレンダー ビュー(Render View)でお使いのディスプレイに適したプレビューを表示したまま、シーンリニア ワークフローのメリットを活用することができます。ビューポートで高度なカラー管理を行うことができるため、アーティストは、アニメーション プレイブラストなど、パイプラインの前工程で適用されたカラー シナリオを確認することができます。また、既定では、ビューポートのライティングが旧式のビューポートよりもさらに自然でコントラストが低くなっています。
ディスプレイスメントのプレビュー
シンプルなディスプレイスメント プレビュー ワークフローにより、ワークフローの中断が最小に抑えられます。
OSD のサポート
ネイティブの OSD 3.1 を使用すると、適応型 openSubdiv ジオメトリの実際のシェイプおよびサーフェスをプレビューすることができます。
透明度
パフォーマンスに影響を与えずに、透明なオブジェクトを高精度で表示することができます。透明度モードの詳細については、「ビューポート 2.0 オプション」を参照してください。
スカルプト
高解像度メッシュをスカルプトするときの表示パフォーマンスが強化されました。
Bifröst および XGen のサポート
Bifrost および XGen インタラクティブ グルーミングの描画およびシェーディングが完全にサポートされるようになって、プレビューのレンダー精度が向上しました。
データのプリロード
ビューポート 2.0 ではデータがプリロードされるため、操作時間を短縮できます。開始時間が長くなることがありますが、インタラクティブ性は大幅に向上します。
GPU メモリの使用の効率化
ビューポート 2.0 ではグラフィックス ハードウェアの利用効率が大幅に高まるため、作業効率とパフォーマンスが向上します。グラフィックス カードの精度が上がるにつれて、ビューポートのパフォーマンスおよびインタラクティブ性は向上します。

グラフィックス カードの RAM も重要な要素です。ハードウェア要件の詳細については、「ビューポート 2.0 の GPU メモリを管理する」を参照してください。大規模シーンの処理方法のヒントについては、「ビューポート 2.0 を最適化する」も参照してください。

API

ビューポート 2.0 API を使用すると、ビューポート 2.0 のパフォーマンスの改善をプラグインで活用し、ビューポートのエフェクトおよびその他の機能と連携させることができます。

また、ビューポート 2.0 API クラスを使用しないで、ユーザ定義のシェイプ ノード(MPxSurfaceShape)としてカスタム シェイプを実装するプラグインを利用して、パフォーマンスを改善することもできます。「Maya 開発者ヘルプ」を参照してください。
ヒント: 開発者ネットワークで開発者向けの追加リソースにアクセスして、旧式のビューポートからビューポート 2.0 API にプラグインを移行することができます。https://www.autodesk.co.jp/developer-network/platform-technologies/maya を参照してください。

ビューポート 2.0 と旧式の既定ビューポートの違い

ビューポート 2.0 は一般的なすべての Maya ワークフローをサポートしますが、異なる方法が使用される場合があります。
シェーダが割り当てられていないオブジェクト
ビューポート 2.0 では、シェーダが割り当てられていないオブジェクトはシーン ビュー内に緑色のシェーディングで表示されます。シェーディング ネットワーク エラーが発生した場合、オブジェクトはシーン ビュー内で白色で表示されます。オブジェクトが OpenSubdiv オブジェクトの場合は、白いドットで表示されます。この視覚的な変更により、シェーダが見つからない場合にユーザに警告されます。
旧式のビューポートでは、シェーダが割り当てられていないオブジェクトはワイヤフレームとして表示されました。
パーティクルの不透明度(Opacity)アトリビュート
ビューポート 2.0 でカラーの重ね合わせ(Color Accum)の効果を表示する場合、不透明度(Opacity) アトリビュートを使用する必要はありません。ただし、両方のアトリビュートを組み合わせて、よりリアルな輝くパーティクル エフェクトを作成することができます。各パーティクルの不透明度に不透明度(Opacity)値が乗算されて、重なり合っているパーティクルが加えられます。不透明度(Opacity)値を小さくすると、パーティクルが極端に明るく表示されることがなくなり、エフェクトがスムーズになります。
旧式のビューポートでカラーの重ね合わせ(Color Accum)エフェクトを確認するには、不透明度(Opacity)アトリビュートを使用する必要がありました。
PP アトリビュート
ビューポート 2.0 で rgbPP、opacityPP、またはincandescencePP アトリビュートを接続するには、ハイパーシェード(Hypershade)ウィンドウで outColor、outTransparency、または outIncandescence アトリビュートを介して particleSamplerInfo を接続します。
Windows リモート デスクトップ
Windows リモート デスクトップを使用して Maya にアクセスすると、ビューポート 2.0 のレンダリング エンジンは DirectX 11 モードに自動的に切り替わります。
シェーディング ノードの削除
ビューポート 2.0 (Viewport 2.0)でオブジェクトのシェーディング ノードを削除すると、既定では、オブジェクトは緑色でシェーディングされます。この既定のカラーは、オブジェクトのシェイプ ノードのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)描画オーバーライド(Drawing Overrides)セクションのカラー(Color)アトリビュートで変更することができます。
シャドウの有効化
シーン内でシャドウを有効にすると、ライトのレイ トレース シャドウの使用(Use Ray Trace Shadows)または深度マップ シャドウの使用(Use Depth Map Shadows)を選択するかどうかに関係なく、ビューポート 2.0 によりシャドウのプレビューが表示されます。ビューポート 2.0 で視覚化するときにシャドウの外観を調整するには、深度マップ シャドウの使用(Use Depth Map Shadows)を選択し、対応する設定を調整してビューポートでの効果を確認します。

関連項目