Vault プロジェクトを含むすべての Autodesk Inventor の設計では、ファイル参照を解決するためにプロジェクト ファイルが必要となります。プロジェクト ファイルに含まれる検索パスは、設計で参照されているドキュメントへのリンクを解決するために使用されます。
注: Inventor LT はプロジェクト ファイルをサポートしません。
Vault プロジェクトには、必ず Vault プロジェクト ファイル タイプを使用する必要があります。Vault プロジェクト ファイルには、Vault の設計を構成する上で考慮しなければならない重要な制限事項がいくつかあるほか、通常のプロジェクト ファイルとは異なるルールが求められます。
Vault プロジェクトの設定により、Vault での使用に適した方法でデータを編成することができます。
Vault プロジェクトに関するルール
- 相対作業スペースを設定する必要があります。すべてのプロジェクトには、"."(プロジェクト ファイルと同じフォルダ)またはその下のサブフォルダ(\Workspaceなど)に設定されている作業スペースが定義されている必要があります。作業スペースの下には必要な数だけサブフォルダを作成して編成に使用できますが、これらのサブフォルダに検索パスをマッピングすることはできません。
- ローカル検索パスおよび作業グループ検索パスは使用できません。単一のフォルダ構造の中でデータを編成しておくために、プロジェクト ファイルはそのような検索パスの作成を許可しません。
- ライブラリ検索パスは使用できます。ネットワーク上またはローカル コンピュータ上の任意の場所にライブラリ検索パスを配置することができます。詳細については、ライブラリのセクションを参照してください。
- インクルード ファイルは使用できません。インクルード ファイルにローカル パスや作業グループ パスが追加される可能性があるためです。
- 相対パスを有効に設定する必要があります。絶対パスは使用できません。
上記のルールのいずれかに違反があった場合には、常にプロジェクト ファイルはマルチユーザの設定を[Vault]から[オフ]へと自動的に変更します。
既存のプロジェクトを準備する
既存のプロジェクトを Vault に取り込む場合、その準備の手順は現在の作業環境(独立環境、半独立環境、または共有環境)に関係なくおおむね同じです。
指定されているチーム メンバがプロジェクトをボールトに保存した後、以下の作業手順に従います。
- 半独立および共有プロジェクトでは、すべてのドキュメントがチェックインされていることと、全ユーザが Autodesk Inventor ドキュメントをすべて閉じていることを確認します。
- 半独立および共有プロジェクトでは、ライブラリ以外のドキュメントをすべてローカル ドライブに移動します。これにより、ドキュメントが Vault に保存されるまで、誰もドキュメントにアクセスできなくなります。フォルダ構造はローカル ドライブのフォルダ構造と同じにします。
- プロジェクト ファイルの検索パスを、ローカルのフォルダを指すように編集します。トップ レベルのドキュメントを開き、リンク エラーがあれば解決します。