群集について

character studio の群集システムでは、手順に従ってインタラクティブに動作するキャラクタ(人間キャラクタなど)の大きなグループを使ってリアルなシミュレーションを作成できます。このシステムを使用すると、人間やその他の生き物の大群集のシーンを簡単にアニメートできます。シーン内のその他の要素に応じて、全員に同じような動作を取らせたり、各個体に別々の動作を取らせることができます。

character studio を使用してアニメートした地下鉄駅内のマネキンの群集

群集システムの中核となるのは、群集ヘルパー オブジェクトと代理オブジェクト ヘルパー オブジェクトです。単一の群集オブジェクトで任意の数の代理オブジェクト(群集メンバの代役)を制御できます。代理オブジェクトをチームにまとめて、チーム全体またはチーム内の個々のオブジェクトに、「探査」、「回避」、「さまよい」などの動作を割り当てることができます。動作と重みを組み合わせることもできます。これにより、たとえば、群集メンバに対してさまよいながら目的地を目指す動作を取らせることができます。

群集シミュレーションには、ごく単純なものから非常に複雑なものまでさまざまなレベルがあります。非常に複雑な群集シミュレーションでは、[認識機能コントローラ](Cognitive Controller)機能が役立ちます。ユーザは、スクリプトを使って一連の動作に条件付きトランジションを適用できます。たとえば、代理オブジェクトに、「ある地点までは目的地に接近し、その地点に達すると後退し始める」という動作を取らせることができます。[認識機能コントローラ](Cognitive Controller)を使って、代理オブジェクトに複数の目的地の間を移動させることもできます。

モーション統合機能と[認識機能コントローラ](Cognitive Controller)を連携させる方法でも、複雑かつダイナミックな群集シミュレーションを作成できます。群集システムは、2 種類のモーション統合機能を提供します。

群集シミュレーションで最も重要なのは「回避」です。キャラクタがキャラクタ同士、またはシーン内のその他のオブジェクトを通り抜けるようでは、リアルなシミュレーションとは言えません。群集システムには、適切な回避動作を取らせるための各種動作が用意されています。このほか、特殊なスペース ワープであるベクトル フィールドも用意されています。変則的な形状のオブジェクトに、このベクトル フィールドを適用すると、代理オブジェクトは、そのオブジェクトを貫通せずに周囲を移動するようになります。

ここで説明した群集システム ツールを組み合わせて、多種多様なマルチキャラクタ シミュレーションを無限に作成することができます。このマニュアルの群集関連のトピックでは、群集シミュレーションのすべての機能について詳しく説明します。