ここでは、このバージョンの 3ds Max FBX plug-inの既知の制限の一覧を示します。この一覧に含まれていない問題がプラグインで発生した場合は、「トラブルシューティング」を参照してください。
FBX では書き出された従法線や接線の情報が表示されないという既知の制限があり、[書き出し](Export) [含める](Include)
[ジオメトリ](Geometry)
[接線と従法線](Tangents and Binormals)オプションをアクティブにしても表示されません。
[接線と従法線](Tangents and Binormals)オプションは、三角形のポリゴンのみを持つメッシュに限って機能するため、メッシュを三角形化してからこのオプションをアクティブにする必要がある場合があります。
接線と従法線の詳細は、「接線」を参照してください。
書き出し中、アニメーション コントローラの時間範囲が未定義であることを FBX Plug-in が検出すると、シーンのアニメーション間隔を使用するように時間範囲が自動的に調整されます。この場合、生成されるアニメーション キーの数は制限されます。
[アニメーションをベイク処理](Bake Animation)の設定([開始](Start)、[終了](End)、[ステップ](Step)の各値)は、プリセット ファイルに保存することができません。[アニメーションをベイク処理](Bake Animations)の値について特定の設定を含むプリセットを作成すると、これらの値は次にプリセットをロードする際に用いられません。代わりに、FBX プラグインは必ずシーンのタイムラインに設定された値を使用します。
たとえば、シーンのアニメーションの長さが 102 フレームの場合、この設定のプリセットに格納されている値に関係なく、[開始](Start)の値は 1、[終了](End)の値は 102、[ステップ](Step)の値は 1 になります。
FBX ファイルでは、ユーザが割り当てた入力カラー スペースとテクスチャ ファイルのカスタム ガンマ値のどちらもサポートされません。OCIO ベースのカラー管理を使用しているときに FBX ファイルを読み込むと、カラー スペースは[自動カラー スペース割り当てルール](Automatic Color Space Assignment Rules)によって自動的に割り当てられます(「カラー スペース割り当てルールを編集するには」を参照)。同様に、ガンマ ワークフローの使用中は、自動ガンマが使用されます。これにより、カラーが異なって表示されることがあります。この問題を手動で修正するには、読み込んだ後にテクスチャのオプションを変更します。
「直交」とは、互いに垂直に(90 度で)交わらない 2 つのベクトルを説明した用語です。3D 空間では、X、Y、Z 軸が垂直に交わっていない場合、それはら「非直交」とみなされ、FBX プラグインはそれらの軸をマトリクスとしてサポートしません。たとえば、回転とスケーリングによってオブジェクトをスキューすると、非直交の軸セットが生じる場合があります。
FBX プラグインは X、Y、Z 軸の間は必ず 90 度であると想定しているため、直交マトリクスのみをサポートできます。非直交の TRS マトリクスを持つ変形軸はすべて無視されるので、軸が直交でないときに作成された効果は読み込みも書き出しもされません。このため、非直交の効果(スキューイングなど)は失われます。
他のオブジェクトから継承した変形データを持っている場合でも、この制限事項によって問題が生じることがあります。たとえば、親オブジェクトを介してスケーリングした結果、非直交のローカル TRS マトリクスになった場合などです。
Maya ファイルの LOD (Level of Detail)アトリビュートは、3ds Max に読み込む際に無視されます。
3ds Max では、グループが作成され、LOD ユーティリティはそのグループに適用されます。しきい値のアトリビュートには、既定値の値が使用されます。Maya はカメラの距離、3ds Max はピクセル解像度を採用しているため、これらの LOD アトリビュートは互換性がありません。このため、3ds Max 読み込みおよびエクスポータは Maya の LOD アトリビュートを無視します。
[スムージング グループ](Smoothing Groups)オプションをオンにした状態で、スムージング グループのデータを含む FBX ファイルを 3ds Max ファイルに読み込むと、制限が生じる場合があります。
ファイルのいずれかのオブジェクトが明示的な法線の修正を含んでいる場合でも、FBX インポータはスムージング グループのデータのみを読み込み、法線に加えられた修正は無視します。たとえば、法線の方向を修正したが、オブジェクトにはスムージング グループの情報も含まれている場合などです。
3ds Max FBX plug-inは、既定ではスムージング グループのデータを書き出しません。
3ds Max FBX プラグインは、環境テクスチャ マップ(環境オプション)をサポートしません。
3ds Max FBX plug-inでは、ほとんどの標準マテリアル マップ チャネル値(拡散反射光レベルや鏡面反射光レベルなど)が書き出す時に保持されません。FBX 形式ではバンプ マップ チャネルの量のみが保存され、読み込み時にその他すべてのチャネルの値が 100 に設定されます。
3ds Max FBX plug-inは、マテリアル エディタの[マップ](Maps)ロールアウトからではなく、シェーダ基本パラメータから光沢量と反射量を読み取ります。
3ds Max FBX plug-inでは、パッチ ジオメトリとともにモーフ情報を書き出しません。
複数のモーフ モディファイヤの書き出しはサポートされていません。再読み込み時のモディファイヤの順序は、正しくなくなります。
3ds Max FBX plug-inは、3ds Max のロック情報を周囲光チャネルおよび拡散反射光チャネルから書き出しません。FBX ファイルを 3ds Max に読み込むときに、周囲光チャネルのテクスチャを定義している場合、周囲光と拡散反射光のチャネルはロック解除されます。チャネルのロック状態を保持するには、シーンの読み込み後にロックしなければなりません。
フォトメトリック ライトは FBX エクスポータによって標準ライトに変換されます。Revit 2009 以降で作成されたフォトメトリック ライトは、3ds Max 2009 以降でサポートされています。
FBX 形式で書き出されるオブジェクトがビューポートに表示された最後の状態のままの場合には、次のような制限があります。オブジェクトの頂点アニメーションは、どれも現在の PRS 座標で書き出されます。たとえば、100 フレームでアニメートされたベンド モディファイヤ付きの円柱を 50 フレームで書き出す場合、シーンには 50 パーセント ベンドで円柱が表示されます。
この制限に対処するには、書き出すアニメーションの位置にタイム スライダを配置してください。アニメーション全体を保持するためには、アニメートされたオブジェクトの選択セットを作成します。次に、3ds Max FBX 書き出しウィンドウで、[含める](Include) [アニメーション](Animation)
[ポイント キャッシュ ファイル](Point Cache File(s))オプションを有効にします。
マルチレイヤ アニメーションは書き出されない場合があります。
3ds Max FBX plug-inは、Biped アニメーション レイヤを条件付きでサポートします。レイヤをハイライト表示して、Media & Entertainment プリセットの既定値で書き出した場合、特定のレイヤからのアニメーションだけが書き出されます。詳細については、「トラブルシューティング」トピックの「キー/アニメーション レイヤはどこにありますか?」を参照してください。
相互操作性を高めるため、TCB 補間のコントローラで設定されたキーフレーム アニメーション、または[高速](Fast)、[低速](Slow)、[ユーザ](User)に設定された接線スロープは系統的にリサンプルされます。
Maya で他のジョイントの親になっているジョイントのスケールを修正すると、3ds Max には正しく読み込まれません。この読み込みの問題は、3ds Max が Maya のスケール補正設定をサポートしていないために発生します。
Maya でスケール補正を使用して親のジョイントをスケーリングする場合、スケーリングするのではなく、子のジョイントにオフセットを作成します。
しかし 3ds Max で同じ操作をする場合、子のジョイントがスケーリングされ、オフセットは作成されません。
3ds Max はスケール補正をサポートしていないので、スケール補正を使った Maya でのジョイントの階層は 3ds Max では正しく表示されません。
他のジョイントの親になっているジョイントのスケールを修正した場合にのみ、ジョイントのスケール補正を非アクティブにしてください。
すべてのジョイントが同じスケールの場合、Maya でこの設定を非アクティブにする必要はありません。
Maya でスケール補正を非アクティブにするには
このオプションでスケール補正の設定が非アクティブになります。
3ds Max FBX plug-inは、ほとんどすべての標準マテリアル チャネルで、イメージ マップの任意のタイプを処理します。拡散反射光、鏡面反射光、その他のチャネルでマッピングしたものは、手続き型マップでない限り、すべて FBX に変換されます。
FBX プラグインは、ビットマップ イメージ マップと合成レイヤ マップを転送します。しかし FBX プラグインは、今のところ手続き型マッピング タイプをサポートしていないので、[へこみ](Dent)や[煙](Smoke)のような手続き型マッピング システムで作成されたファイルは無視されます。
マップ チャネル | サポート状況 |
---|---|
周囲光 | サポートされています |
拡散 | サポートされています |
スペキュラ カラー | サポートされています |
鏡面反射光レベル | サポートされています |
光沢 | サポートされています |
自己照明 | サポートされています |
不透明度 | サポートされています |
バンプ | サポートされています |
反射 | サポートされています |
ディスプレイスメント | サポートされています |
アイソパラム(Isoparm)、CV(Control Vertex、制御頂点)、サーフェス パッチ(Surface Patch)などの NURBS のサブコンポーネントがセットに含まれる場合には、既知の制限が存在します。この場合には、読み込む時に選択セットが空になります。
3ds Max の制限により、テクスチャ マップを Collada(DAE)形式で Maya に読み込むと、テクスチャ マップがオブジェクトから消えます。