概要 - 同じリリースからカスタム設定を書き出す、読み込む

カスタム設定は、同じリリースの製品がインストールされたコンピュータ間で転送したり、インストールされている製品のカスタム設定のバックアップを作成することができます。

注: カスタム設定を書き出したり読み込むには、プログラムを少なくとも一度は起動する必要があります。

カスタム設定を書き出す

カスタム設定を書き出すと、カスタム設定およびカスタム ファイルとともに XML ファイルを含む転送パッケージが作成されます。すべてのカスタム ファイルが転送パッケージに含まれるわけではありません。プログラムが使用する特定のカスタム ファイルおよびファイル タイプのみが含まれます。ローカルの場所に格納されているカスタム ファイルが転送パッケージに追加されます。必要に応じて、ネットワークの場所から選択したカスタム ファイルを転送パッケージに含めることもできます。

転送パッケージは、ファイル拡張子 ZIP が付いた圧縮アーカイブです。読み込み処理中に、書き出したカスタム設定およびカスタム ファイルを含む ZIP ファイル アーカイブを選択します。

次の表に、転送パッケージに一般的に含まれるファイル タイプを示します。

転送パッケージに含まれる最も一般的なファイル タイプ

ファイル名

ファイルの説明

FavoriteMaterials.adsklib

[マテリアル ブラウザ]を使用してマイ マテリアル ライブラリに追加されるマテリアルが含まれます。

注: AutoCAD LT では使用できません。

*.atc

ツール パレットおよびツール パレット カタログで定義されているツール。

*.aws

プログラム ユーザー インタフェースに関する設定のストレージとともに、ツール パレットに表示されるツールの順序を定義します。このファイルは異なるリリース間でマイグレートされませんが、コンピュータ間では転送パッケージを使用してマイグレートされます。

*.bmp、*.dib、*.png、*.rle

カスタマイズ ファイルで定義されているカスタム コマンドとユーザー インタフェース要素が使用するイメージ、およびツール パレットで定義されているツールが使用するイメージ。

*.ctb

印刷時のオブジェクトの外観をコントロールするために使用される設定。この設定は、AutoCAD カラー インデックス(ACI)システムの色で調整されます。

*.cuix

プログラムのユーザ インタフェース要素の多くを定義したり、それらの配置をコントロールするために使用される情報。

*.cus

注釈オブジェクトの単語のスペル チェックに使用されるカスタム ディクショナリ。

*.fmp

インプレイス テキスト エディタに使用される True Type フォントのマッピングに関する情報。

*.ini

一部の機能の環境設定。

*.lin

標準およびカスタム線種の定義。

*.mln

標準およびカスタム マルチ ラインのスタイルの定義。

注: AutoCAD LT では使用できません。

*.mnl

カスタマイズ ファイルが依存している AutoLISP 関数。MNL ファイルをプログラムでロードするには、カスタマイズ ファイルと同じ名前にする必要があります。

注: AutoCAD LT では MNL ファイルの自動ロードをサポートしていませんが、AutoLISP の load 関数を使用して、別の LISP ファイルからロードすることができます。

*.pat

標準およびカスタム ハッチング パターンの定義。

*.pc3

仮想および物理出力デバイス(プロッタおよびプリンタ)の環境設定情報。

*.pgp

外部コマンドおよびコマンド エイリアスの定義。

注: 外部コマンドは、AutoCAD LT では使用できません。

*.pmp

PC3 ファイルの位置合わせおよび用紙サイズの設定。

*.psf

Postscript ファイルに書き出すときのフォントの置き換えに関する情報。

注: AutoCAD LT では使用できません。

*.shx

複雑な線種定義内の文字またはシェイプに関する情報。

*.stb

印刷時にオブジェクトの外観をコントロールするために使用される設定。この設定は、画層またはオブジェクトに割り当てることができる名前にグループ化されます。

*.xml

プログラムのユーザー プロファイル、および転送パッケージ内のファイルの元の場所に関する情報。

次の表に、転送パッケージに含まれないファイルの種類をいくつか示します。

注: AutoCAD LT に関連するのは、DCL、FAS、LSP、MNR、UNT、VLX ファイルのみです。

転送パッケージに含まれないファイルの種類

ファイル名

ファイルの説明

*.actm

旧式のアクション マクロ ファイル。AutoCAD 2024 以前のリリースでサポートされています。

*.actmx

アクション マクロ ファイル。

*.arx

ObjectARX アプリケーション ファイル。

*.crx

ObjectARX コア アプリケーション ファイル。

*.dbx

ObjectDBX アプリケーション ファイル。

*.dcl

AutoLISP または ObjectARX アプリケーションで使用されるカスタム ダイアログ ボックスの定義。

*.dvb

Visual Basic for Applications プロジェクト ファイル。

*.fas

高速ロード AutoLISP 形式ファイル。

*.fdc

フィールドの定義。このファイルは編集しないでください。

*.js

カスタム コマンドおよび関数の定義を含む Javascript ソース ファイル。

*.lsp

カスタム コマンドおよび関数の定義を含む AutoLISP ソース ファイル。

*.mnr

カスタマイズ ファイルのリソース イメージ。プログラムでロードするには、カスタマイズ ファイルと同じ名前にする必要があります。ファイルが存在しない場合はプログラムによって自動的に生成されるため、このファイルは含まれません。

*.udl

dbConnect マネージャが使用するデータ接続設定。

*.unt

異なる種類の単位間で値を変換するために使用される単位の定義。

*.vlx

1 つのファイルにコンパイルされた複数の AutoLISP および DCL ファイルを含む Visual LISP ファイル。

カスタム設定を読み込む

転送パッケージが正常に読み込まれると、マイグレーション ログ ファイルを表示するオプションが含まれたメッセージ ボックスが表示されます。マイグレーション ログには、転送パッケージを読み込んだことによって変更されたカスタム設定およびカスタム ファイルに関数r情報が表示されます。読み込み処理中にエラーが発生した場合、それらのエラーはマイグレーション ログ ファイルに一覧表示されます。

ユーザ プロファイル <<名前のないプロファイル>> が存在する場合は、ユーザ プロファイルが自動的にバックアップされた後、転送パッケージが読み込まれます。

読み込み処理中に、転送パッケージのユーザ プロファイルの一部として存在するローカルの場所は、その場所が存在しなければ自動的に作成されます。ネットワーク ドライブまたはリムーバブル ドライブ上の場所は、自動的には作成されません。

カスタム ファイルがネットワークの場所から転送パッケージに追加されている場合、元のネットワークの場所が読み込み処理時に使用できないときは、カスタム ファイルはローカルの場所にコピーされます。ネットワークの同じ場所にネットワークからのカスタム ファイルが見つかった場合、読み込み操作時にファイルはそのネットワークの場所にコピーされず、無視されます。