Autodesk® DWG Integrity and Migration for Docs を使用すると、プロジェクト データを Autodesk Docs に効率的にアップロードできます。
Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs アプリでは、データの整合性チェック、修正、アップロードなど、データのマイグレーション プロセス全体を通してガイダンスを提供しています。これにより、データの整合性の問題をクリーンアップして、アップロード処理を正常かつ効率的に完了することができます。
- Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs でマイグレートされた図面ファイルは、AutoCAD 2018 のファイル形式で保存されるため、AutoCAD のバージョンが 2018 より前の場合は開くことができません。
- Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs は、Collaboration for Civil 3D (Civil 3D 2020.2 以降が必要)または AutoCAD コラボレーション ワークフロー(AutoCAD 2022 以降が必要)を使用するプロジェクトをマイグレートできるように設計されています。
- Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs は、データセットを Desktop Connector ワークスペースにコピーしてアップロードする前に、一時ディレクトリを使用してデータセットをローカルに保存します。マイグレートするプロジェクトのコピーを保持するのに十分なディスク容量があることを確認してください。最低限必要な容量は、データセットのサイズの 2 倍です。
このツールを使用するには、次の前提条件を満たす必要があります。
- Desktop Connector バージョン 16.0.0.1902 以降がインストールされている必要があります。使用可能な最新バージョンをインストールすることをお勧めします。Desktop Connector リリース ノートを参照してください。
- 他の Autodesk アプリケーション(Desktop Connector や Civil 3D など)にログインする必要があります。
- ターゲットの場所に表示権限 + ダウンロード権限 + アップロード権限を持つ Autodesk Docs プロジェクトへのアクセス権が必要です。
- インターネット接続が機能している必要があります。
このツールの使用方法の詳細については、「Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs を使用してファイルを Autodesk Docs にマイグレートするには」を参照してください。
Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs では、アップロード対象として選択したファイルに対してデータ整合性チェックが実行され、さまざまな問題がある場合は内容とともに特定されます。各問題タイプの詳細については、次のセクションを参照してください。
ヒント: Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs アプリの補完として、
参照エクスプローラを使用してデータセット内の依存関係を確認できます。
データ整合性の問題を解決する
DWG Integrity and Migration for Docs は、問題点のチェックと修正の両方を含む、データの整合性を維持するプロセスをガイドします。[ローカル データ整合性の問題を修復]ツールは、リンクの解除と循環参照を追跡するように設計されています。ローカル データが Docs に移行されると、潜在的なリンクの解除を解決するために、関連データも報告されます。解決可能なデータ整合性の問題には、次のものがあります。
- ローカル図面での見つからない参照: マイグレーション後、クラウド プロジェクトで参照が欠落していると、データの不整合、機能上の問題、依存関係の問題、メンテナンスの問題が発生し、システム パフォーマンスやプロジェクト全体の効率に影響を与える可能性があります。
- 関連データ: 参照ファイルがマイグレーション対象のフォルダ(またはそのサブフォルダ)内にない場合、それらはホスト ファイルとともにアップロードされず、リンクの解除が発生します。
- 循環参照: これにより、さまざまなコラボレーションの問題が発生します。
- 絶対パス: 複数のユーザ間または異なるシステム間でファイルを共有する場合、絶対パスはすべてのシステムで正しく解決されず、リンクの解除やエラーが発生します。
詳細については、「Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs を使用してファイルを Autodesk Docs にマイグレートするには」を参照してください。
データ整合性の問題タイプ
データ整合性チェックで、次の問題が発生する場合があります。
- 問題タイプ: ファイル パスが長い - 長いパスを持つファイルやフォルダをアップロードしても、Desktop Connector では問題は発生しません。ただし、この問題が解決するまで、DWG Integrity and Migration for Docs によるこれらのファイルやフォルダのスキャンはスキップされます。さらに、まだサポートされていない操作もあります。ローカル ワークフローや、Desktop Connector を使用した Autodesk Docs のワークフローでは、自動ファイル ロックやファイル名の変更などの同期の問題が発生することがあります。
詳細については、「Desktop Connector ドキュメント」を参照してください。
この問題を解決する方法: フォルダ階層やファイル名/フォルダ名の長さを短くすることを検討してください。
- 問題タイプ: 更新中に一部のファイルがスキップされた - ファイル参照更新の警告がファイルのリストとともに表示される場合は、スキャン プロセス中に問題が発生しました。ファイルはアップロードされますが、ファイルの参照関係が完全にスキャンされて全体が保持されたわけではないと思われます。トラブルシューティングを行うには、次の手順を試してください。
この問題を解決する方法:
- ファイル アクセスを確認: ファイルにアクセスするために必要な読み取り/書き込み権限が自分にあることを確認します。
- 図面を監査する: AutoCAD または Civil 3D で AUDIT コマンドを使用して、DWG ファイルの潜在的な問題を検出して修復します。
問題が解消されない場合は、DWGRefMgr.exe ログ ファイルとともに影響を受けるファイルを収集し、さらに調査するために Civil 3D チームと共有してください。ログ ファイルは次の場所にあります: C:\Users\{UserName}\AppData\Local\Temp\DWGRefMgr_Log\{executeTime}。ご協力いただきありがとうございます。
- 問題タイプ: 参照が見つからない - Desktop Connector で参照を含むファイルを転送する際には、参照されているすべてのファイルの検出が試行されます。見つからない参照を修正せずにマイグレーションを実行すると、Desktop Connector に次のような通知が表示されます。「参照の収集に失敗しました。1 つまたは複数の参照ファイルが削除されているか、読み取り権限がない可能性があります。」
この問題は、参照ファイルが見つからなかったことを示しています。
これは、見つからない参照が Autodesk Docs にアップロードされないことによる問題です。これにより、Autodesk Docs に保存されているホスト図面でリンクが解除されます。
この問題を解決する方法:
- オプション 1: Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs を使用して、見つからない参照の問題を解決します。これを行うには、見つからない参照のリストを展開し、見つからないファイルが存在するパスを指定します。参照のパスが再設定され、ホスト ファイルとともに Autodesk Docs にアップロードされます。参照ファイルがホストのフォルダ構造内(ホストまたはその下のサブフォルダと同じフォルダ内)にない場合、「見つからない参照」の問題タイプを修正すると、「関連データ」の問題タイプが生成されます。
- オプション 2: オーサリング アプリケーションで元のファイルを開き、ファイルをアップロードする前に見つからない参照を解決します。壊れた参照が修正され、ホスト ファイルに対する変更が保存されたら、[再スキャン]ボタンを選択して変更を適用する必要があります。
- 問題タイプ: 関連データ - Desktop Connector が参照を含むホストファイルを転送すると、ホストに対する参照の相対位置が評価されます。
参照ファイルがマイグレーション対象のフォルダ(またはそのサブフォルダ内)にない場合、それらは「関連データ」とみなされ、ホスト ファイルとともにアップロードされません。
これは、関連データがマイグレーション セットの外部にあると見なされるため、影響を受けるファイルがマイグレーションから除外され、参照ファイルへのパスがホストファイル内で解決されないため、問題となります。これはデータの整合性の問題を表し、マイグレーションされたデータセットで参照が壊れていることを示します。
この問題を解決する方法:
- Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs で、関連データの問題のリストを展開し、解決するファイルを選択して、Autodesk Docs のターゲットの場所にアップロードするためのフォルダを指定します。
Autodesk Docs のデータセットの将来の状態を表すターゲット フォルダを選択するか、参照ファイルを保存する新しいフォルダを作成することができます。
注: データセットの将来の状態を表すフォルダは、青色で「保留中」と表示されます。
- 問題タイプ: 循環参照 - 自身を参照する一連のネストされた参照は、循環参照とみなされます。たとえば、図面 A が図面 B を参照し、図面 B が図面 C を参照し、図面 C が図面 A を参照する場合は、参照シーケンス A>B>C>A は循環参照になります。
循環参照は Desktop Connector を介してドキュメントをダウンロードおよびアップロードするときに問題を引き起こしたり、パフォーマンスに影響を与えるため、これは問題となります。
この問題を解決する方法: このタイプの問題は、Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs アプリでは解決できないため、参考情報とみなされます。可能な場合、循環参照は削除することをお勧めしますが、必須ではありません。循環参照を削除するには:
- Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs を使用して、選択したデータセットに循環参照が存在するかどうかを確認します。
- 影響を受けるファイルを、オーサリング アプリケーション(Civil 3D や AutoCAD など)で開きます。
注: ファイル名をクリックすると、従属マップを展開し、その参照を確認できます。
- 循環依存を引き起こす参照を削除します。
- ファイルを保存します。
- [再スキャン]ボタンをクリックして、変更を適用します。
- 問題タイプ: ファイル名が重複している - まれに、データセットに同じ名前の複数のソース ファイルが異なるパスにローカルに保存されている場合、以前の問題タイプ(欠落している参照、関連データ)を解決すると、ファイル名の重複問題が発生することがあります。
これは、同じ名前を持つ 2 つのソース ファイルが同じ Autodesk Docs のターゲット場所に保存されるように選択されている場合に発生します。同じ名前を持つファイルは、まったく同じファイル、同じファイルの異なるバージョン、または偶然同じ名前を共有するまったく異なるファイルを表す場合があります。
この問題は、Desktop Connector に同じ名前の 2 つのファイルをアップロードすると、保留中のアクションが失敗したり、予期しないファイルが上書きされたりするために発生します。
この問題を解決する方法: Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs を使用して、各ファイルに最適なオプションを使用してこの問題を解決します。
- ファイルを選択し、[解決]ボタンを使用して、ファイルの別のターゲットの場所を指定します。
- ファイルを選択し、右側の[...]ボタンをクリックします。次に、[アップロードしない]オプションを選択し、ファイルがアップロードされないようにします。
- 問題タイプ: ファイルがサポートされていない - サポートされるファイル タイプとサポートされないファイル タイプは、次の製品トピックに記載されています。
サポートされていないファイルのタイプをアップロードしようとすると Desktop Connector で保留中のアクションが失敗するため、これは問題となります。
このタイプの問題は、ユーザ入力を必要としないため、参考情報とみなされます。Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs アプリでは、サポートされないファイル タイプはアップロード処理から除外されます。
Civil 3D データ ショートカット プロジェクトをマイグレートするためのベスト プラクティス
Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs を使用して Civil 3D データ ショートカット プロジェクトをマイグレートすると、ホスト図面内のデータ参照(DREF)情報は Autodesk Docs 内の新しいパスを指すように自動的に更新されますが、データ ショートカットの .xml ファイル内の情報は更新されません。これは、ソース図面がマイグレートするフォルダ内に保存され、作業フォルダへの相対パスがマイグレーション後も同じである限り、データ ショートカットのメカニズムには影響しません。このような場合、ショートカットへのデータ参照は、十分な権限を持つ他のユーザのためにCivil 3D で検索され、解決されます。
次の状況では、マイグレーション後にショートカットが壊れる可能性があります。
- ショートカットへの参照が壊れているホスト図面。
- 関連データの問題がアプリによって識別されるように、ソース図面はマイグレートするフォルダの外に保存されています。関連データの問題が Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs で修正された場合でも、作業フォルダへの相対パスが維持されない限り、ショートカットは壊れてしまいます。
- ソース図面がショートカットとは異なるドライブに保存されています(たとえば、作業フォルダは D:\ に保存されていますが、参照は Z:\ またはネットワーク ドライブに保存されています)。このような場合、ショートカット .xml ファイルには絶対パスしか含まれていないため、マイグレーション後にパスは壊れてしまいます。
マイグレーション後に壊れた参照を解決するには、データ ショートカット エディタを使用して、ソース図面が配置されている Autodesk Docs のパスを指定します。
注: データ ショートカット .xml ファイル内の元のパスがデータ ショートカット エディタのすべてのショートカットに表示されるため、プロジェクトを Autodesk Docs にアップロードした後に、そのパスが変更されることはありません。必要に応じて、マイグレーションが完了した後に、すべてのパスが Autodesk Docs のパスを指すように固定することができます。
大規模または複雑なデータセットをマイグレートする際の考慮事項とベスト プラクティス
Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs アプリ内の一部の操作(データの整合性のチェック、見つからない複数の参照の修正、アップロード用のリストの準備、Autodesk Docs 内のフォルダの参照など)では、処理の遅延が発生する可能性があります。これらの遅延は、データセットに多くのファイルやフォルダが含まれている場合さらに大きくなります。この場合は、アプリの処理が完了するまでお待ちください。
さらに、Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs では、選択したフォルダとファイルを Desktop Connector ワークスペースにコピーし、アップロード処理を Desktop Connector にまかせます。どちらのプロセスも、大規模なデータセットや複雑なデータセットの場合は時間がかかる場合があります。そのため、Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs を使用するのは、Desktop Connector が他のプロセスで使用されていない(保留中のアクションがないはずである)ときにすることをお勧めします。マイグレーションの実行中は、図面を開いたり保存したり、フォルダを Desktop Connector にドラッグ アンド ドロップしたり、アプリの複数のインスタンスを実行したりする操作は避けてください。
複雑なプロジェクトでは、ファイルの処理およびマイグレーションに必要なファイル スペースが非常に大きくなる場合があります。JSON エクスポート参照ファイルを生成する際、既定の一時フォルダが使用されてファイルが保存されます: C:\Users\{UserName}\AppData\Local\Temp\DWGMigrationForDocs_Temp。必要に応じて、別のドライブ上に新しい保存場所を指定することができます。DWG Integrity and Migration for Docs アプリの右上隅にある
設定をクリックします。[設定]ダイアログ ボックスで、新しい一時フォルダの場所を指定し、[保存]をクリックします。
Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs は特定のデータセットのデータ整合性の問題をすべて特定できますが、問題の数が多い場合は、アプリ内ですべて修正することは逆効果になる可能性があります。長いパスの問題、見つからない参照、および関連データの問題が多数見つかった大規模なデータセット(サイズまたはファイル数)がある場合、時間をかけてフォルダを再配置し、ローカルで参照を修正した後、再スキャンボタンを使用して変更を反映させることを検討してください。修正する必要がある問題が多いほど、アプリケーションがすべてのプロセス(過剰な帯域幅を消費する可能性があるアップロード段階を含む)を完了するまでに時間がかかります。
除外リストを使用して、不要なファイル(.log、.tmp、.err など)をフィルタリングして除外し、処理時間を増加させます。同様に、必要に応じて、ローカル データセットからフォルダ全体の選択をクリアできます。
特に、循環参照にネストされたレベルが多く含まれる場合は、これらがアップロード時間を増加させる可能性があるため、循環参照をできるだけ避けてください。循環関係が必要な場合は、マイグレーションのために一時的に削除し、ファイルが Autodesk Docs に保存された後に追加し直すことを検討してください。
Autodesk DWG Integrity and Migration for Docs アプリの既知の問題
- 図面サムネイルがタイル ビューに正しく表示されない。
- 特定のファイルに対して異なるターゲットの場所を選択することはできないため、マイグレーションの前に目的のフォルダ構造をローカルに整理する必要があります。
- 循環参照を含むファイルは、参照のパスが再設定されるため、Autodesk Docs でバージョンが上がる可能性があります(V1 ではなく V2)。
- 参照が見つかりません
- ショートカット XML ファイルの内容は、マイグレーション プロセスでは更新されません。これにより、特定の状況ではショートカットが壊れる可能性があります。詳細については、以下の「Civil 3D データ ショートカット プロジェクトをマイグレートするためのベスト プラクティス」セクションを参照してください。
- 問題タイプのリストを再び展開すると、[すべて復元]ボタンは無効になります。
- テーブルの列を 2 度目に表示すると、前の位置に自動的にサイズ変更されます。
- 重複したファイル名の問題が誤って報告されることがあります。