概要 - Vault の設定

Autodesk Vault インストレーション ヘルプでは、Vault インストールの環境設定に関する推奨事項を詳しく説明しています。

注: [プロスペクター]ツリーで Vault にアクセスする前に、設定を行う必要があります。詳細は、「Autodesk Civil 3D で使用するために Vault を設定するには」を参照してください。

ほとんどのチームに関して、単一のサイトでの構成をお勧めします。Vault Server は単独のシステムにインストールし、Vault クライアント コンポーネントはそのサーバと通信する必要があるシステムすべてにインストールします。サーバにはデータ ファイルのすべてのマスター コピーが格納され、クライアントはサーバ内のファイルにアクセスできます。最大のパフォーマンスを得るには、ファイルの保管場所および共有メタデータの専用サーバとして使用することをお勧めします。

Vault 単一サイト アーキテクチャ

このモデルでは、データを共有するユーザの数、設計チームへのユーザの配置方法、ユーザが作成するプロジェクト データの予想数などの条件に基づいて、要件に適した構成を柔軟に選ぶことができます。

Vault をインストールした後、サーバに作成するボールトを単独にするか複数にするかを決めることができます。ユーザ権限は単独のボールト内に適用され、複数のボールト間では共有できません。単独のボールト構成と複数のボールト構成の違いについては、Autodesk Vault ヘルプを参照してください。

Vault のオプションのマルチサイト機能は、地理的に離れたワークグループ間での Vault の共有をサポートします。単一のリモート SQL インスタンスが複数サーバを管理し、各サーバは個別のオフィス サイトで独自のファイル保管場所を備えます。権限のレベルに応じて、すべてのユーザがすべてのサイトのすべてのファイルを、単一のデータベースのように表示できます。

Vault 複数サイト アーキテクチャ

ユーザが自分のサイト以外のサイトに保存されているファイルをチェック アウトした場合、ユーザのサイトにファイルが複製されます。ファイルが共有されている場合、変更があると、コピーは自動的に更新されます。ボールトおよび個別ファイルは使用されている場所でのみ複製されます。バックアップおよび復元機能は、すべてのボールトが有効になっているサイトであればどこからでも管理することができます。詳細は、Autodesk Vault のヘルプを参照してください。

プロジェクト データへのアクセスを制御する

プロジェクト図面やプロジェクト オブジェクトのマスター コピーにアクセスして編集できるユーザを制御することができます。

Vault では、ユーザ、グループ、ワークグループといった複数のレベルでプロジェクト ファイルへのアクセス権を制御できます。計画の段階では、必要な設定の数を最少に減らし、柔軟性に優れたセキュリティ システムを構築するように心がける必要があります。

ユーザ

安全な環境を確保するため、プロジェクト サーバのプロジェクト データにアクセスする各ユーザに対して、Vault ユーザ アカウントを個別に定義します。各アカウントに一意のユーザ名とパスワードが必要です。

グループ

組織のメンバーが実行するそれぞれの機能に対し、個別の Vault グループを作成します。たとえば、測量技師([EG サーフェス]などのフォルダにあるデータのマスター コピーを作成、編集するメンバー)、土木技師(通常、[EG サーフェス]フォルダ内のデータを読み込み(編集は行わない)、[線形]などのフォルダ内のマスター データを作成、編集するメンバー)、製図者(通常、データを読み込むがデータのマスター コピーは編集しないメンバー)などのグループのセットを作成する場合が考えられます。個別のグループまたはユーザに対してフォルダ レベルでアクセスをさらに制限することができます。

注: プロジェクト ファイルへのアクセス制御は、グループ レベルで行うことをお勧めします。

通常、各チーム メンバーは 1 つのグループにしか所属できません。あるユーザのプロジェクト ファイルへのアクセス方法を変更するには、そのユーザ名を別のグループに移動します。

プロジェクト データを分割する

データの整合性の保護とアクセスの利便性を同時に実現するためには、プロジェクト データを複数の図面に分割する必要があります。

Autodesk Civil 3D では、各プロジェクト オブジェクト(サーフェス、線形、縦断、パイプ ネットワークなど)のマスター コピーが 1 つ存在します。このマスター コピーは、プロジェクトの Vault データベースに格納されるソース図面に保存されます。1 つの図面に保存できるプロジェクト オブジェクトの数には実質的な制限はありませんが、考慮すべきいくつかの要因があります。

プロジェクト データの分割方法に関する重要な要因の 1 つとして、チーム メンバーが必要なときにプロジェクト データを作成したり修正できることが挙げられます。図面を編集できるのは一度に 1 ユーザに限られるため、すべてのプロジェクト オブジェクトのマスター コピーを同じ図面に配置すると、共同作業を行う環境では作業が大幅に制限されてしまいます。一般に、少数の図面に多くのプロジェクト オブジェクトが集中しているよりも、多数の図面に分散させる方が実用性があります。

各プロジェクト オブジェクトに対し、そのオブジェクト(および必要な場合は関連するプロジェクト オブジェクト)のジオメトリを含む図面を個別に作成します。各サーフェスは別々の図面に配置するように考慮します。少なくとも、現況地盤サーフェスのような重要なサーフェスは必ず専用の図面に配置するようにしてください。すべてのプロジェクト線形を同一の図面に配置しないようにします。

図面の機能は、その図面の内容と一致する必要があります。図面にサーフェス オブジェクトのマスター コピーが含まれている場合、その図面を平面縦断シートとして使用することはできません。プロジェクト オブジェクトのジオメトリは専用の図面に保存し、ジオメトリの読み込み専用コピーを表示したりラベル付けするための別の図面を作成します。

1 つのプロジェクトには、そのプロジェクトで必要なすべてのデータが含まれなければならないことに注意してください。1 つの図面に、同時に複数のプロジェクトの参照を含めることはできません。

一貫した命名規則を採用することによって、プロジェクト オブジェクトのマスター コピーを含む図面を識別しやすくなります。たとえば、プロジェクト サーフェスを含む図面にはサーフェスと同じ名前を付け、プロジェクト線形を含む図面には線形と同じ名前を付けるようにします。プロジェクト図面は、適切な名前を付けたフォルダに保存します。

共有プロジェクト オブジェクトの数を最小にする手順を作成します。図面を追加またはチェック インするタイミングや、他のユーザが必要としないオブジェクトを共有にしないことを、チーム メンバーが理解しているかどうか確認してください。

プロジェクト データベース内に作成されるプロジェクト ファイル

Autodesk Civil 3D プロジェクトを作成すると、空またはほとんど空の初期ファイル セットがプロジェクト データベースに作成されます。

プロジェクトに図面やデータを追加すると、これらのファイルにデータが追加されます。

Autodesk Civil 3D プロジェクトを作成すると、空またはほとんど空の初期ファイル セットがプロジェクト データベースに作成されます。

サーフェス、線形、パイプネットワーク、ビュー フレーム グループ プロジェクト オブジェクトが作成されるたびに、対応する .c3dData ファイルが作成されます。.c3dData ファイルにより、ソース図面内の適切なオブジェクトへの参照が作成されます。ソース図面内でオブジェクトが修正されたとき、.c3dData ファイルによって、変更を参照元の図面に反映することが可能になります。

注: .c3dData ファイルを削除、修正、移動しないでください。また、Vault のプロジェクト構造を変更しないでください。ファイルを移動すると、Vault プロジェクトが破損する可能性があります。

このファイルには、プロジェクトのポイント ジオメトリが含まれています。このファイルに含まれているポイントは、[プロスペクター]ツリーのプロジェクトの[ポイント]リストに表示されます。このファイルは、プロジェクト図面ファイルのように直接チェック インまたはチェック アウトされず、ポイントのアクセス制御に関するコマンドを使用したとき間接的にチェック インまたはチェック アウトされます。

このファイルには、PointsGeometry.mdb に含まれるポイントのアクセス制御に関する情報、および各ポイントの状態(チェック イン済み、チェック アウト済み、保護されている)が含まれています。

このファイルは、プロジェクトの測量データベースを表します。詳細は、「概要 - 測量データベース」 を参照してください。