粘性材料を作成する

粘性材料を作成するには、Create Cohesive Material GUI を使用します。

Helius PFA によって処理される各粘性材料は、ANSYSで ユーザ定義材料とみなされます。Create Cohesive Material GUI を使用すると、ANSYS 入力ファイルでこれらの粘性材料の定義を簡単に作成できます。これにより、損傷の開始および損傷の進展パラメータを含む粘性材料を完全に定義できます。

ANSYS MAPDL 内から Create Cohesive Material GUI を開くには、[HELIUS]ボタンをクリックし、[Create Cohesive Material]を選択します。インタフェースは次のように表示されます。

new gui

上記のとおり、Create Cohesive Material GUI を使用して Helius PFA の粘性材料タイプを定義するには、数多くの手順があります。各手順について次に説明します。これらのパラメータの技術的な説明については、「付録 B」を参照してください。

  1. 材料 ID: 材料の ID を入力します。

  2. 法線方向の剛性: 粘性材料の法線方向の剛性、Knn を定義するゼロより大きい数値です。Knn は粘性材料の法線方向の表面力とひずみを、次のように関係付けます。

    tn = Knnεn

    ここで、tn は法線方向の表面力で、εn は法線方向のひずみです(ローカル 3-方向)。

  3. 第 1 せん断剛性: 粘性材料の第 1 せん断剛性、Kss を定義するゼロより大きい数値です。Kss は粘性材料のローカル 1-方向の表面力とひずみを、次のように関係付けます。

    ts = Kssεs

    ここで、ts は第 1 せん断表面力、εs はローカル 1-方向のひずみです。

  4. 第 2 せん断剛性: 粘性材料の第 2 せん断剛性、Kss を定義するゼロより大きい数値です。Ktt は粘性材料のローカル 2-方向の表面力とひずみを、次のように関係付けます。

    tt = Kttεt

    ここで、tt は第 2 せん断表面力、εt はローカル 2-方向のひずみです。

  5. 最大法線方向の表面力: 損傷の開始前に粘性材料が法線方向(ローカル 3-方向)に維持できる最大量の表面力を表す、ゼロより大きい数値です。Sn として示されます。

  6. 最大第 1 せん断表面力: 損傷の開始前に粘性材料がローカル 1-方向に維持できる最大量の表面力を表す、ゼロより大きい数値です。Ss として示されます。

  7. 最大第 2 せん断表面力: 損傷の開始前に粘性材料がローカル 2-方向に維持できる最大量の表面力を表す、ゼロより大きい数値です。St として示されます。

  8. 損傷の開始基準: 最大表面力または二次ベースの損傷の開始基準を選択できます。[最大表面力]は、任意の表面力が対応する最大表面力値に到達する、またはそれを超える点を損傷の開始として定義します。[二次表面力]は、表面力の二次相互作用と最大表面力の比率を使用して、損傷の開始を予測します。

  9. 損傷の進展方法: 損傷の開始後の損傷の進展方法を選択できます。粘性材料で損傷が開始すると、材料変形が進むにつれて材料の剛性は低減します。最終的に、粘性材料の剛性はゼロまで低減し、材料はいかなる荷重も保持できなくなります。使用可能な 3 つの方法があります。

    • 変位

    • エネルギー

    • エネルギー(混合モード、べき乗則)

  10. 変数パラメータ: 損傷の進展方法の選択により、このフィールドの入力が決定されます。各損傷の進展方法の入力は、次のとおりです。

    • 変位: この値は破損時の変位で、完全な破損時の有効な変位と損傷の開始時の有効な変位との違いを定義する、ゼロより大きい数値です。deltao として示されます。
    • エネルギー: この値は破断エネルギーで、破損により散逸される合計エネルギー量を定義する、ゼロより大きい数値です。GC として示されます。数学的には、この値は表面力-分離曲線の下にある領域です。
    • エネルギー(混合モード、べき乗則): この値は法線方向モードの破断エネルギーで、純粋な法線方向モード下の破損により散逸される合計エネルギー量を定義する、ゼロより大きい数値です。gn supc として示されます。
  11. 第 1 せん断モードの破断エネルギー: 純粋な第 1 せん断モード下の破損により散逸される合計エネルギー量を定義する、ゼロより大きい数値です。gs supc として示されます。

  12. 第 2 せん断モードの破断エネルギー: 第 2 せん断法線方向モード下の破損により散逸される合計エネルギー量を定義する、ゼロより大きい数値です。gt suc として示されます。

  13. Alpha: 混合モードべき乗則の損傷の進展方程式で使用される指数です。α として示されます。