Helius PFA で最適な動作をするよう、コントロール パラメータを修正します。
Autodesk Inventor Nastran が Helius PFA とともに使用されている場合は、非線形静的解析を実行する必要があります。これは、入力ファイルの Case Control のセクションで SOLUTION コマンドを使用して指定します。
SOL NLSTATIC
SOLUTION=NONLINEAR STATIC
SOL=106
Nastran では、非線形解析プロセスの既定の設定は、ニュートン-ラフソン アルゴリズムの基本的な仮定に基づいています。これは、複合構造の非線形応答がグローバル レベルとローカル レベルの両方で十分にスムーズであるという仮定からです。ただし、複合構造の進行性破損シミュレーションにおける複合構造の非線形応答は、特にローカル レベルでは材料破損によって材料ヤング率が瞬時に減少するため、スムーズになりません。進行性破損シミュレーションにおいて収束を得ることが難しい主な原因は、この非スムーズな材料応答にあります。Helius PFA における材料の非線形性を管理する方法は、特にこの局所的な非スムーズの材料応答に対処するために設計されています。ただし、Helius PFA が有限要素シミュレーションの収束特性を改善できるよう、Nastran の NLPARM エントリの既定の設定を変更する必要があります。
解析の各ステップに対して NLPARM エントリを作成します。 入力ファイルからの次の例を考えます。
NLPARM, 1, 20, ITER, 1, 1000, , , ,
, , , , 1000
この例では、ステップを作成し、ID 番号として 1 を指定しました。ID 番号は Case Control セクションで呼び出されます。この手順は 20 の増分を使用するように定義されていますが、解析のニーズに合わせて調整できます。フィールド 4 (DT)は、Helius PFA では必要ないため、空白のままにしています。フィールド 5 では、KMETHOD = ITER を設定し、KSTEP の反復ごとに剛性マトリックスを更新するよう Nastran に指示しています。 次に、KSTEP = 1 を設定しています。 KMETHOD = ITER と KSTEP = 1 を同時に設定することで、完全ニュートン-ラフソン反復法を使用し、反復ごとに剛性マトリックスを更新するよう Nastran に指示しています。 Helius PFA で使用できるように、これらの 2 つのフィールドをそれぞれ ITER および 1 に設定する必要があります。
MAXITER フィールドでは、増分ごとに許容される最大反復数を 1000 に設定しています。 これは、時間増分を縮小する必要があるかどうかを評価する前に、Nastran が実行する平衡反復数を大幅に増加するために行います。次に、増分ごとに結果を出力するように、INTOUT = ALL を設定しています。 最後に、MAXDIV を 1000 に設定しています。
エネルギー ベースの劣化を使用した場合、次のパラメータを入力ファイルに追加する必要があります。
PARAM, SOLUTIONERROR, ON
PARAM, FACTDIAG, 0.0
これらの 2 つの解析パラメータによりモデルでは、非線形平衡反復を当該積分点での材料剛性の削減限度近くまで進めることができます。EBD では、材料の剛性は個別の間隔パーティショニングの使用によって減少します。剛性がゼロに近づくと、Nastran では剛性マトリックス係数対角項で負の項をレポートすることができます。Nastran 警告 E5048 を受け取った場合、上記の 2 つの解析パラメータを追加することで問題に対処できます。詳細については、『Nastran リファレンス ガイド』の SOLUTIONERROR パラメータを参照してください。