Revit Server を配置する際に、パフォーマンスとインフラ コストのバランスをとるには、次の推奨事項に従ってください。
コスト、ユーザの生産性、リソース消費量の調整は、Revit Server を配置する際の共通のゴールです。利用できる帯域幅が小さすぎる場合は、パフォーマンスが低下します。過剰帯域幅を使用できる場合は、他のサービスを犠牲にして、良好なパフォーマンスが得られる場合があります。旧バージョンのアップデートであるこのドキュメントは、Revit Server で快適な操作を行うために必要な最小の帯域幅を明らかにすることを目的としています。これは、現在オートデスクで把握しているお客様の使用パターンを反映したものです。特殊な配置を行った場合、ここで推奨される帯域幅に過不足が生じる場合があります。
オートデスクのレポートにある「WAN ネットワーク帯域幅」は、接続の定格ではなく、ネットワークの実際のスループットが反映されていることに注意してください。関連性のないストリーミング トラフィックなどの外部要因により、使用可能な実際の帯域幅が減少することがあるため、通常利用する期間におけるネットワークの動作を検証することをお勧めしています。これは、数百メガバイトのデータをネットワーク上のポイントから別のポイントにコピーする際に必要となる時間を計測することで、簡単に実施できます。(ネットワーク圧縮とパケット シェーピングが運用のパフォーマンスに影響を与えないようにしてテストを行う必要があります)。
少量のデータを転送する操作の帯域幅とパフォーマンス
ネットワークを介して移動するデータのボリュームが小さい場合は、帯域幅要件はごくわずかとなります。この例では、18,000 の要素を含むワークセットをチェック アウトします(要素の数は、実際に操作を完了するために必要な時間にはほとんど影響しません)。利用可能な帯域幅が増えても、操作を完了するのに必要な時間は実質的に変化しません。これは、データは WAN を介してアクセスされますが、転送されるデータ量が非常に小さいためです。(要素の借用や放棄といった)同様にネットワーク負荷が小さいその他の操作は、同じように動作します。
中程度の量のデータを転送する操作の帯域幅とパフォーマンス
比較すると、中央(SWC)との同期などの操作では、ネットワークを介してより多くのデータが移動します。これらの操作の方が、利用可能なスループットによる影響が大きくなる傾向にあります。この例では、SWC を実行すると、WAN を介して約 7MB のデータが転送されました。帯域幅が不足する条件では、操作の完了に必要な時間が大幅に増えることから、帯域幅の増加が必要なことは明らかです。(SWC の際に転送されるデータのボリュームは、モデルの複雑さや、同期する変更内容の複雑さによって異なります。SWC での一般的なユーザの作業では 7MB の転送で上限近くであるといえます)。
大量のデータを転送する操作の帯域幅とパフォーマンス
中央モデルの初めての保存や、新しいローカル コピーの作成といった操作が、Revit では最も帯域幅に負荷のかかるユーザ操作です。このような操作の際には、Revit ではモデルやそのリンクの許可状態のキャッシュの構築が必要になります。そのために WAN を介して大量のデータが転送されます。この例では、ホスト モデルの許可状態の 27MB と、そのリンクの許可状態の 15MB を合わせて、42MB のデータがホスト サーバからユーザのワークステーションにコピーされます。中程度の量のデータを転送する操作と同様に、利用可能なスループットとパフォーマンスには直接的な関係があります。ネットワーク管理者は、このような種類の操作時、各ユーザの遅延に対する許容度に応じて利用可能な帯域幅を調整する必要があります。
逆に、サーバへの負担が非常に軽く、配置された距離もわずかで、プロジェクトの複雑さも限定される場合には、3Mbit/秒よりもはるかに少ないスループットで適切なパフォーマンスが得られる場合もあります。
最後に、(Riverbed 社の Steelhead 装置に実装されているような)ネットワーク トラフィックの最適化と圧縮は Revit Server と完全に互換性を持つため、特に条件の悪いネットワーク環境においては、パフォーマンスがかなり改善される場合があります。