Revit および動線設計ツールキット アドオンのルート解析ツールについて説明します。これらのツールを使用すると、建物の移動経路を把握して、出口解析や物理的な距離の要件に対応できます。
ルート解析ツールは、Revit 2020 で初めて導入されました。このツールを使用すると、平面図で 2 つの点を選択し、その 2 点間の最短ルートを計算できます。ルート解析の設定によって、解析中にモデルのどのカテゴリを障害物とみなすかをコントロールします。計算された移動経路は、300 mm のクリアランスを使用し、経路沿いの障害物を回避します。経路は鉛直距離に沿って計算されないため、移動経路はすべて 1 つのレベルにある必要があります。
ルート解析での移動経路の計算方法の詳細については、「移動経路の計算」を参照してください。
ビデオで紹介されている例は、『NFPA 101 Life Safety Code』の条件を参照していますが、他の防火コードにも同じ原理が適用されます。
ほとんどの設計では、最大移動距離を評価する必要のあるスペースを特定できるようになります。ルート解析ツールを使用すると、実際の移動距離がわかります。ビデオの例では、出口から最も遠い部屋の最も遠いコーナーに 2 本の移動経路が追加されています。集計表には、移動の線の長さが一覧表示されます。集計表から、経路「A」が最も近い出口までの最大距離であることがわかります。
ルート解析ツールで作成された経路「A」は、部屋を斜めに通っています。しかし、部屋の使用について考えると、この移動経路は現実的ではない可能性があります。このような場合は、移動経路の線上に制御点を追加すると、より現実的な経路を計算できます。このビデオでは、経路「A」に制御点を追加しています。この結果、教室のレイアウトが考慮され、部屋から出口への経路がより正確に表現されます。
防火コードによって許容される長さを超える可能性のある行き止まり状態の廊下が平面図にないか確認します。前のビデオと同じ平面図を使用し、設計を変更して行き止まりの状態を作成しました。このビデオでは、移動経路を使用して、行き止まり状態の長さを確認する方法を説明します。ビュー フィルタがビューに追加され、移動経路の線の長さが許容されている値を超えると、その線は赤色になります。
複数の部屋やスペースで共有する出口経路の一部のことを「共通経路」と呼びます。防火コードでは、出口経路の一部分である共通経路の長さに制限があります。ルート解析ツールを使用して、設計内の共通経路を見つけ、それらの長さが共通経路として許容される範囲内にあるかどうかを明らかにします。
ルート解析ツールの最もわかりやすい用途は出口シミュレーションですが、当然他の用途もあります。通行パターン、スペースの使用、建物間の最適なルートなどにも、ルート解析ツールを適用できます。たとえば、レストランの物理的距離の再設計の一環として、既にお客様が着席しているテーブルのそばを人が通る頻度を把握するために、ダイニング ルームを通るルートを解析することが考えられます。
出口解析以外の目的でルート解析を行う場合は、動線設計ツールキットをインストールして使用すると便利です。このアドオンによって、ルート解析で使用する 4 つのツールが追加され、建物のスペースを人がどのように通るかを解析できます。詳細については、「動線設計ツールキット」を参照してください。
ルート解析ツールは、Revit 2020 で初めて導入されました。2020.2 では制御点の追加と削除の機能が追加されました。ルート解析ツールは、リボンの[解析]タブにあります。制御点は、移動経路の個々の線に追加されます。既存の移動経路の線を選択し、リボンのコンテキスト タブで制御点を追加または削除します。ルート解析ツールに関する詳細な学習コンテンツについては、「ルート解析」を参照してください。
動線設計ツールキットは Revit アドオンであり、個別にインストールする必要があります。このアドオンは、Revit 2020.2 以降のリリースにインストールできます。アドオンをインストールすると、追加のツールが[ルート解析]パネルの横の[解析]タブに表示されます。Autodesk Account から動線設計ツールキットをダウンロードします。