PDF ファイルやイメージを Revit ファイルにリンクする方法について説明します。
建築プロジェクトにおける作業対象範囲は、多くの場合、単一の Revit ファイルの範囲をはるかに超えています。Revit プロジェクトには、詳細平面図、HVAC 情報、および建築外構の写真などが記載された PDF ファイルやイメージが多数存在するものです。プロジェクトが進むにつれ、設計者と建築士は、更新や変更が何度行われても、これらのファイルを増大する Revit プロジェクトとリンクされたままの状態に保つ必要があります。
Revit の PDF やイメージをリンクする機能を使用すると、Revit プロジェクトにつながる関連ファイルを簡単に追跡できます。イメージや PDF ファイルを読み込む機能は Revit でこれまでも利用できましたが、リンク機能は Revit 2021 に追加された新機能です。PDF やイメージをリンクする機能と既存の読み込む機能の主な違いは、リンク機能を使用すると、今後更新される Revit プロジェクトのすべてのバージョンにファイルをアタッチできることです。チームでコラボレートしている Revit プロジェクトでモデルを更新した場合でも、PDF ファイルやイメージ ファイルはプロジェクトにリンクされたままになります。
PDF ファイルやイメージを使用すると、単一の .rvt ファイルのみを使用した場合よりも精度の高い Revit プロジェクトの全体像を提示できるようになります。イメージや PDF を Revit ファイルにリンクすることにより、チームは Revit プロジェクトの進行に合わせてプロジェクトのドキュメントを簡単に管理および更新できるようになります。
Revit プロジェクトが変更されると、ワークフローも変更されます。Revit の旧バージョンでは、建築設計者は Revit ファイルで作業を開始する前に、プロジェクトのイメージまたは PDF ファイルの最新バージョンを見つけ出す必要がありました。しかし、リンク機能なら、チームは常に最新のイメージや PDF ファイルを使うことができます。[リンク管理]ボタンを使用すると、リンクされたファイルを簡単に整理および更新できるため、チーム メンバーが古い情報にアクセスすることはなくなります。更新された PDF ファイルまたはイメージは、モデルを開いたときにロードされます。
PDF ファイルやイメージをリンクすると、Revit ファイルに読み込まれる個々の画像の量が減るため、ファイル サイズが心配な場合に読み込む代わりとして役に立ちます。
また、PDF を Revit プロジェクトにリンクすると、イメージや PDF ファイルを 2D ビューにオーバーレイすることができます。そうすることで、これらのファイルを使用して製図をトレースし、Revit オブジェクトを平面図上の所定の場所にスナップして配置することが可能になります。読み込んだ PDF ファイルやイメージと同様に、リンクされた PDF ファイルを移動、コピー、尺度変更、回転することができます。
[PDF リンク]ツールや[イメージ リンク]ツールは Revit ツールバーの[挿入]タブにあります。[PDF リンク]または[イメージ リンク]ボタンをクリックすると、イメージまたは PDF ファイルを選択するためのダイアログ ボックスが表示されます。
注: ファミリ エディタでは PDF ファイルをリンクすることはできません。
ファイルを選択したら、[開く]をクリックします。これで、Revit のビュー パネルの任意の場所にイメージまたは PDF ファイルを配置し、回転およびサイズ変更できるようになります。
[挿入]タブの[リンク管理]ボタンをクリックすると、リンクされているすべてのイメージと PDF ファイルを管理できます。
[リンク管理]ダイアログでは、既存のイメージや PDF を簡単に追跡できます。
また、[リンク管理]ツールを使用してアップロードすることで、Revit プロジェクト内の既存のリンクとイメージを置き換えることもできます。[リンク管理]ツールで変更を加えると、チーム メンバーの Revit ファイル全体でイメージとファイルが更新されます。